表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おっぱいを好きなのは、男の子だけじゃありませんっ!  作者: 或木あんたす
第1章「おっぱい教徒の日常は、普通のラブコメじゃありませんっ」
12/47

第12話 おっぱい様と、いかがわしいこと




余計に妄想がたくましくなった僕はしかし、「じゃ、じゃあ」と、まだ食い下がる意思をみせる。




「……抽象的にいうと、どんなことなんですか?!」




 なにせこちとら一度はセクハラ提訴に震えた身、勘違いの末の社会的抹殺未遂なんて二度とごめんですから。……どうせ勘違いのオチなんだろうけど。


 宮歌さんは、少し俯いて、


「えと……しいことです……」


「んんと、すいません、もう一度……」


「だから……しいことです」


もごもご言っていてよく聞こえない。


「え? なんだって?」と思わず僕が難聴主人公ばりに聞き返すと、何やら観念したように。





「……い、……いかがわしいことですッ!」





 


 (――衝撃の発言をぶっ放してきたあああああああああああッ!?)






 ……つまりこれは、




(――誤解じゃない!?)


 意識した瞬間、僕は自分の顔がみるみる赤くなっていくのを感じる。


 その瞬間、浮かび上がっては否定し続けていた妄想が、一気に最浮上してきた。




『宮歌さん』


『ひゃ、……』


 ベッド上。耐え切れなくなった僕は宮歌さんを思わず押し倒す。


『あ、僕、すいません、つい』


『もう、せっかちさんなんですから、現野くんは』


 服がはだけ、肌色のおっぱい様が淫らにもあらわになった宮歌さんが、そっとその手を僕の手に重ねて。その手を……、


『……心配しなくても、ちゃーんと順番ですよ? ……私の……聖・地・巡・礼っ……!』




(……なんてことにーッ!?)


 そんな僕の内心を知ってか知らずか、宮歌さんは「もうっ」と頬を膨らませて、




「……いいから、座ってください」




 指さす先は、……ベッド!


 そこで僕らは膝と膝を突き合わせ、正面で向かい合う。


(き、緊張で胸の鼓動がッ! というか目が合わせられないッ)


 チラリと宮歌さんを盗み見ると、同じように盗み見ていたらしい彼女と目があい、真っ赤になって目をそらす。激ヤバい。可愛すぎて死にそう。




「……私からもひとつ、確認させてほしいのですが」


「な、なんでしょうッ」


「好き、なんですよね、おっぱいのこと」


「な、何度も言わせないでいただきたい!」


「そうですよね、……し、失礼しました」




 宮歌さんはそれから、すぅ、と小さく息を吸い、




「あの……、目を、閉じてもらえますか」





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ