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『鳴る鈴の音、迫る死期』
本日中にもう一つ投稿します。
“チリン”
鈴の音は終わりの証。聞こえた誰かは『いらない子』。私はまだ聞いたことはないけれど、先生がこんな音って教えてくれた。
目の前の子は顔を青白く染めている。多分この子がいらない子。少しすればそこには誰もいなくて、私はなんで目の前をじっと見ているんだろうと考えた。先生がいたのだろうか。隣の人と顔を見合わせた。
“チリン”
鈴が鳴った。聞いたのは私。今日は私がいらない子。目の前に誰かがいる。その誰かは私を見ていた。
「――最期だ。聞きたいことはあるか」
「あなたは誰? 私はどうなるの?」
私は平然としていた。いらない子でもよかったみたい。
「私は四季。お前はもうすぐ、死ぬ」
「四季が死期を告げに来るのね」
ああそうさ。
四季は得意気に言った。




