表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/28

『“大切なもの”に自分は入っていない』



貴方の大切なもの。


私の大切なもの。








 昔から互いに背中を預けてきた相棒は、いつも私を守るように動く。戦っているのにいつも私を見ている。敵が迫っているのは君なのに、いつも私を救ってくれる。


 君は傷を負っているのに。



 私が君の背を守る、ということが君を傷つけてしまうなら、私がいる意味はない。と君に言ったことがあった。


 君は、


「大切なものを守りたいだけだ」


 と言って、私が君から離れることを良しとしなかった。


 私からすれば君が大切だから、傷ついて欲しくはないのだけれど。どうやら君の言う“大切なもの”には『自分自身』は入っていないらしい。



 それがわかってから、私は今のままではいられないと思った。守りたい人を傷つけてしまう実力なんていらない。そんなもの捨てて、超えてしまわなければ。


 大切な人を亡くさないために一層鍛錬に励むようになった。君が君自身を大切だと思わないのなら、私が君のぶんまで君を大切にしよう。



 前以上に自分と、そして君を守るように戦うようになって、君はそんな私を見て笑う。


 無傷の君が私の誇りで、私の大切なものなのだから。“大切なもの”に自分が入っていない君だから、私が君を大切にして、君に傷一つつけさせやしない。



 私は私に、そう誓って生きている。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ