『はじめまして。そして、さようなら』
日間その他〔その他〕ランキング78位に入っていました。
ほんの小さなことかもしれませんがとても嬉しかったです。
これからもよろしくお願い致します。
十二月三十一日。大晦日。
あと数分で新年を迎える、飲酒に理由をつけたい大人や、欲しいものがある子供たちにとってはめでたいであろうこの日この時に私が考えていること。それは。
――お年玉の使い道。
欲しいゲームが発売されると聞き予約。推しのフィギュアが発売されると聞きこれも予約。既に今年のお年玉の額なら3分の2は飛んでいる。
せめて残りは貯めておこう。とつい先日決意したばかりなのに。
『二月末発売』と公開された超人気作。欲しい。すごく欲しい。
前作は発売から半年たっても、もうすぐ一年たとうと言うときでも入手が難しかったのに。その新作となれば、これまでの人気を見た人が更に買い、もっと手に入れにくくなる。
しかも、だ。なんと早期予約特典付き。自称ガチ勢の身としては絶対に、なんとしてでも手に入れておきたい。
しかしお年玉は……。
ここで手を引けばお金は手元に残る。
しかしゲームは手に入らない。
しかし……しかし……。
「遙、あけおめ。お年玉ね」
「あれ、年明けてた? ありがたき幸せ……」
まぁ、お年玉の金額を見てから決めよう。見てから。
「――予約っと」
ありがとうお母さん。はじめまして諭吉さん。そして――さようなら。




