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第31話 恋心

アルフォート視線です!

「やってしまった……」


レシアスの部屋を出てから直ぐに、私アルフォートは頭を抱えて蹲っていた。


「何で私は何ことを……」


私の頭に浮かぶのは先ほどレシアスに向けて行ってしまった婚約者という言葉。

その言葉を思い出すたびに私は酷い後悔に襲われていた……

それは決してレシアスに告げた婚約者という言葉が私の本心では無かったから、なんて理由ではない。

レシアスに向けて告げた婚約者という言葉は私の偽りざる本心なのだから。

 ……けれどもレシアスへの思いを告げるつもりは本来ならばなかったはずなのだら。



 ◇◆◇






最初、レシアスがこの家にやってきた時私は彼女が国王の言っていた婚約者候補であることに直ぐに気づいた。

レシアスが最初に身につけていたドレスこそが国王の言っていた目印だったのだから。

けれどもそのレシアスの姿を見ても私は彼女に婚約者であることを強いるつもりはなかった。

その時の私はいつかはレシアスも私の側から逃げ出すと確信を抱いていたのだから。

だからこそ私はレシアスとの間に壁を作っていて。


それがレシアスへの恋心へと変わったのは本当に最近のことだった。


私の正体を知りながら、それでもレシアスがこの家にいると告げてくれた時に私はレシアスに私は思ったのだ。

この人ならば私を受け入れてくれるかもしれないと。

その時はまだ、私は自分がレシアスに抱く感情はただの親愛だと思い込んでいた。


けれども夜、泣き叫ぶレシアスを見た時その感情が親愛では無いことに私は気づくことになった。

泣き叫ぶ彼女の姿を目にした時、私の胸は酷い痛みとともに締め付けられることとなった。

そしてその痛みを感じた時、私は自然とレシアスに向けてある思いを抱いたのだ。


レシアスが私を受け入れ救ってくれたように、今度は私がレシアスを守らなければならない、と。


そしてその時私は自分がレシアスに抱く感情が親愛などでは無いことに気づくこととなった。


ーーー その時、私は自分がレシアスへと抱いているこのどうしようもなく、胸を締め付けてくるこの感情が、遥か昔に耳にしたことがある、恋の感情だと自然と理解した。

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