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「今」の私がにきっと君に伝える。

作者: 蓬莱

この物語の主人公佐山李依は記憶が1週間しか持たない

彼女には一般的には彼氏と呼ばれる位置の加藤俊がいるのだが、もちろん彼女が自分の彼氏を覚えているわけがない。前述したように彼女には彼氏の記憶などもちろん1週間で忘れてしますからだ

だがなぜ、毎週彼女は加藤俊を彼氏と認識出来ているのかという疑問が生まれるだろう。その答えは単純。彼女の持つ「記憶ノート」に「今」の自分の記憶を綴っているからだ。勿論、そのノートが本当に自分のものなのか、目覚めた彼女には分からないだろう。そこで、そのノートの横に、かなりアナログではあるが自分の字を自分に書くよう指示し、記憶ノートに書いてある文章を気が済むまで書き直す。納得が言った時、今までの記憶が今の彼女に追加されるのだ。

世間では月曜日が週の始まりという認識があるが、実際は日曜であり、彼女の記憶もそこから始まる。

そして今日がその日曜日。つまり、新しい彼女が始まる


◇◇


「んんーよく寝た! さてさてさーて」


無論、え! どこ? ここ! などという反応は起きない。彼女は生まれつきの特異体質ではないからだ。ある日起きたひとつの事故により記憶を引き継げなくなっている。この落ち着きはそのためだ


「んー、やっぱり面倒だなー。リセットされるのって」


彼女自身記憶が1週間しか持たないことは知っている。そして、ここから1週間。彼女にとっては1度記憶がなくなるのだから一生と言ってしまっても過言ではない


「えっと? 仕事はしてなくて、過去の友人のつながりはなくて、今の友人は真島春奈、浅井美優。彼女らは信用してよしっと。」


この特異体質であるからして、仕事など長くは続かなかった。もちろん仕事をしなければ普通は生活などできない。ましてや1人暮らしなのに。だ


「んー、それから彼氏……。彼氏!? 加藤俊!? 私達結局付き合ったんだ!」


彼女が結局という表現をしているのは、記憶がなくなる前に親しかった友人、それも多少の好意を寄せていた彼を知っていたからだ。その記憶はおよそ1年前に存在する。事故で記憶をなくしたと言っても、彼女の記憶は徐々に記憶がなくなっていった。彼女はそういう認識がある

その時、携帯が短くLINEを知らす


「LINEだ。俊くんからじゃん!……パスワードかけてんだ私」


記憶が無いものの、パスワードを設定している。勿論彼女が開けるパスワードにしてある


「んー、まずは私の誕生日。1024っと。空いた! 単純だな!私!」


普通パスワードに自分の誕生日はタブーだが、彼女にはそれが1番良かった。誕生日を知らない人には開けられないだけマシだ


―――おはよう! 目覚めはどう? 今日の10時にそっちに行くから待っててね!―――


「えっ! 来るの!」


基本日曜は俊が家に遊びに来る。こうして新しい彼女は始まるのだ

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