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武装少女  作者: 荒魏 螢
3/9

星空の下の紅の武装【前】

ヒルデは、まだ繋がっているもう片方の鎖を外し始める。


真永はモイライと名乗る少女を見て

ポツリと言の葉を零す。


「武装少女...」


「モイライ様、外し終わりましたよ」


ヒルデはそう言うと

真永とモイライから一定の位置を保つようにして待機する。


そしてモイライは改めて真永の方を向き、

手を差し伸べるのだった。


「まさか、アンモニア臭で起こされるとは思わなかった」


それを聞いたヒルデは

やはり。と言う表情をして言う。


「ああ、この臭いは真永様でしたか。

先程から気にはなってはいましたが...」


真永は顔を真っ赤にしながら

両手をブンブンとふるのだ。


「それはそうとモイライ様。

お着替えでございます」


ヒルデはどこから出してきたのか

一着の服を手に持っている。


「こ、これがメイド長の格...」


真永の関心にモイライはツッコム。


「いや、違うと思うぞ」


モイライはヒルデから服を受け取るが

中々その手は動かない。

真永が疑問に思っていると

モイライが恥ずかしそうに言うのだった。


「きゅ、球体関節を見られるのは、は、恥ずかしい...。

少しの間、後ろを向いていてくれ...」


真永は言われた通り、後ろを向いて待つ。


真永の耳から

服が擦れて、パサリ...。と、地面に落ちる音が聞こえる。


ヒルデは、ハッとモイライの方に顔を上げ

目を細めて言う。


「キマシっ...!」


瞬間、モイライのチョップが

ヒルデの頭上にクリティカルする。


「バカ言ってないで、真永を部屋まで連れてけ。

まだ夜中だぞ。子供は寝てる時間だ」


「かしこまりました。

さ、真永様。こちらです。

お着替えも用意させていただきますね」


「あ、うん。

...モイライは?」


一瞬、キョトンとするモイライだが、

微笑んで答える。


「そうだな、

今日は星が良く見えそうだから

星空を眺めながらブランデーでも楽しもうと思ってる」


真永はヒルデに連れられ、

その部屋を後にした。

ヒルデの案内により、真永は迷わず

部屋に戻ってこれた。

服を新しいものへと着替え、

真永はベッドへと再び身を潜らせる。


「それでは、ゆっくりとご就寝下さいませ」


ヒルデはそれだけ言い残すと部屋を後にする。

真永は、窓から見える星空を眺めて言う。


「本当に星空が良く見える。

凄い綺麗...」


真永の部屋を出たヒルデは

モイライがいる部屋へと戻っていた。


「モイライ様」


「ああ、来たか。

さて、早速始めるぞ。私が目覚めた事は

あいつらは気づいてるだろう」


ヒルデは不思議に思い、

モイライに尋ねる。


「何故、彼女がモイライ様を起動できたのでしょう?」


「さあな?でも、真永は私を起動させた。

となれば、また意味の無い争いが起こるだろう。

本当に、無意味な...」


モイライはそれだけ言うと

部屋を出る。

ヒルデは黙ってモイライの後に続く。


少し行くと

ケニーとブライドが立っている。

二人は察したかのように

モイライとヒルデを行かせる。

去り際にモイライが言う。


「ケニー、行ってくるよ」


ケニーは静かに頷いた。


外に出ると

モイライの身体が唸り出す。


「できるだけ遠くへ出るぞ」


それだけ言うと

モイライは物凄い勢いで走り出す。


その光景を遠くで眺める男がいた。

彼は実に嬉しそうに笑い、その紅に染まる閃光を追いかけ始める。


走りながらヒルデはモイライに聞く。


「モイライ様。真永様を置いてきても良かったのですか?」


「あいつらは私が狙いだ。

なら、私を追いかけてくるはずだ」


モイライの言った事は当たり、

イセナ平原でその者達は現れるのだった。

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