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二軍恋愛-知らない漫画のモブに転生したようです-  作者: 獅象羊
第一章「小学生編」(三年生)
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58.カオスDEプール(2)

 更衣室に入った所で、ある意味因縁の相手である、市村(いちむら)有香(ありか)さんと出くわした。

 はい、もうこれフラグー。

 寧ろ男子組とか、もう遭遇してるかも、はい、乙ー。

 という具合に、テンションがダダ下がった。


 ああいうキャラは嫌いじゃない。

 嫌いじゃないけど、二年連続でいざこざを巻き起こすとか、それもうアウト。

 普通の家ならともかく、うちはちょっと特殊だから、何か別の意味で怒られたりするんじゃないだろうか、との危惧がぬぐい去れない。

 ああ、面倒だ。

 純粋に楽しみたかった。


 そんな事を思いつつ、ジッと有香(ありか)ちゃんを見ていると、向こうの方が先に目線を逸らした。

 こっちの保護者に、事の顛末が筒抜けだったのなら、向こうもそうだった可能性がある。

 …そりゃ無視するわ。

 そう思ったけど、有香(ありか)ちゃんはそんな子じゃなかったらしい。


「…去年、あんな事になったのにまた来るなんて、余程時間を余らせるのがお上手なのですね。青島(あおしま)家のお嬢様は」


 要するに、来てんじゃねぇよこの暇人が!と言う事か。

 久々のこの敬語毒舌。

 結構来るものがある。

 …あっ、新たな扉は開いてないよ?


「だれ?」

「あ、そっか。さっちゃんと麻子(あさこ)ちゃんは初めてか」


 因みに、さっちゃんとは、(ほむら)のクラスの副委員長で、委員長の…陽介(ようすけ)くんの友達の、木原(きはら)明佳(さやか)さんの事だ。

 こっちの方が、可愛いよね?

 江戸在住のさっちゃんさんと、奇しくも同じメガネキャラだけど、他意はない。

 何の事か?

 分からないならスルーしてください。


「こちら、このプールを経営している(とどろき)医院のご子息の廉太郎(れんたろう)くんの世話係をしてらっしゃる、市村(いちむら)有香(ありか)さんです。有香(ありか)さん、こちらの二人は、眼鏡をかけてる子が木原(きはら)明佳(さやか)さん、背の高い人が十村(とむら)麻子(あさこ)さんです」

「はいはーい!わたしは、小田原(おだわら)千歳(ちとせ)でーす!」

「ちーちゃんは去年自己紹介したでしょー?」

「あれ、そうだっけ?」


 人差し指を口元に当てて、ぴょこん、と首を傾げるちーちゃんマジ天使。

 はぁぁぁ、あまりの可愛さに卒倒してしまいそうだ。

 ここが天国か。


「ご紹介に預かりました、市村(いちむら)有香(ありか)と申します。以後、お見知り置きを」

「あ、私は十村(とむら)麻子(あさこ)です。本日はお世話になります。よろしくお願いします」

「アタシが明佳(さやか)だよ。よろしくねー、絶壁のおねーさん」

「ぜっぺ……!!」


 ニヤリと、悪役か!と言う笑顔を浮かべて爆弾を投下するさっちゃん。

 基本的に、我関せずスタイルの有香(ありか)ちゃんも、流石に看過できないセリフだったらしく、ピクリと口元を引き攣らせている。

 ちーちゃん辺りは、意味が分からない、と言う風に首を傾げているけど、まぁ、そりゃ伝わるよね。

 私は、反射的に有香(ありか)ちゃんの胸部に目線を走らせてしまう。


 有香(ありか)ちゃんは、どちらかと言うとスレンダーだ。

 真っ黒い、ワンピースタイプの水着を着用している。

 あっ、スクール水着じゃないよ?

 でも最近のスクール水着って、お洒落なのもあるから、一概には言えないか。

 …まぁ、お洒落スクール水着は置いておいて。


 ともかく、ワンピースタイプは、身体のラインが出る。

 大人になって来ると、逆に恥ずかしくて着れないんだけど、そんな心配ないくらい、綺麗なラインだし、可愛い。

 …まぁ、まだ子供っちゃ子供なんだけど、そこはスルーで。


 そんな胸部は、不自然な盛り上がりを見せる。

 男子は気付かないかもしれない。

 けど、このラインは…察して欲しい。


「あれ、アタシ何か間違えた?」

「間違えたって言うか、正々堂々と正面から爆弾投げつけに行った感じだね」

「しょうがないじゃん。アタシさ、クールぶってるの見ると、崩してやりたくなるんだもん。無性に」

「結構ヤバい趣味だね」


 さっちゃん。

 見た目通りの、マッドな女の子らしい。

 (ほむら)が泣いたのも理解出来る。

 あれ?泣いてはいなかったっけ。…どっちでも良いや。


「お話はそれだけでしょうか。それならば、私は失礼させて頂きます」

「じゃーねー。Aのおねーさん」

「……」


 最後に、ギンッとさっちゃんを睨んで、コロスコロスコロスコロスコロ(ry

 みたいな、呪詛的な何かを呟きながら、そこはかとなく恐ろしい雰囲気を醸し出しながら、有香(ありか)ちゃんはプールの方へ向かって行った。

 え、これさっちゃん大丈夫なの?

 聞く所によると、お嬢様とかじゃないらしいけど、大丈夫なの??

 心配になってさっちゃんを見ると、さっちゃんは意地悪く笑っていた。


「心配ご無用だよ。あのテの人のイジリ方は完璧だから」

「えーっと、程ほどにね…」


 まさか、私がツッコミと言うか、に回る日が来るとは思わなんだ…。

 ちょっと遠い目をしていると、服の裾を引かれる。

 誰かと思うと、頬を膨らませたちーちゃんだった。


「早くプール行こうよ。わたし、もう着がえ終わっちゃったよ」

「あ、話に夢中になり過ぎてたね。ごめんごめん。すぐ着替えるよ」


 ちーちゃんは、服っぽいタイプの水着だ。

 上は赤いチェックのキャミソールで、下は同じ柄のフリルのスカート。

 大人が着たらケバい事この上ない色合いだけど、ちーちゃんには良く似合う。

 眼福である。

 …ロリコンじゃないよ!!


 私も、サカサカと着替えを終えてしまう。

 と言うか、服の下に着て来てたから、脱ぐだけだ。

 効果音を付けるのなら、スポーン!だ。

 私の水着は、水色ベースの、水玉模様のワンピース。

 子供用特有の短めのスカートが縫いつけられている。

 くくく、可愛かろう。

 なんちゃって。


「着替え終わった?それじゃあ、いきましょうか」

「うんっ!いこういこう!」

「うわぁ…」

「?あら、どうかしたの、瑞穂(みずほ)ちゃん?」


 キョトンとする麻子(あさこ)ちゃんを見て、私は固まってしまう。

 えーっと、確か有香(ありか)ちゃんは私の五つ上だから、中学二年生だよね。

 で、麻子(あさこ)ちゃんは七つ上だから高校一年生。


 ……胸囲の格差社会とはこの事か。


 思わず絶望しそうになった。

 他の人の事とは言え、何だか切ないよ!!

 麻子(あさこ)ちゃん胸おっきいなーとは普段から思ってたけど、あれでもなお、着痩せしていただと!?

 そっと自分の胸を触る。

 小学三年生にしてはある方だと思うけど、どうだろう。

 い、いや!巨乳より美乳だよね!綺麗に育てよ、お前等!!


「何か落ち込む事でもあったの?」


 すいません。

 真面目に心配してもらって申し訳ありません。

 すっごくしょっぱい心配です。


「アンタのせいでしょ、おっぱいお化け」

「おっぱいお化け!?えっと、私の事かしら??」

「他にいないでしょ。皆ツルペタなんだから」

「しょ、小学生のみんなより、私の方が大きいのは普通でしょう?」

「さっきの絶壁を見てそんな事言えるの?流石、スタイル勝ち組は違…」

「さっちゃん、ストーップ!これ以上やると虚しい!主に私が!!」


 私のライフはもうゼロよ!

 私が自分のスタイルとか外見とか、気にしてないと思った?

 残念でした!かなり気にしてるんだよ、これでも!!


「ここからが面白いのに…」

「それ面白いのさっちゃんだけだから!」

「その…明佳(さやか)ちゃんが楽しいのなら、私は別に」

麻子(あさこ)ちゃんが大人!でも良くない!イジメ良くない!」

「イジメてないよ。イジってるだけ」

「その論理で果たして何人が引き籠ったのか!?とにかく駄目!!」

「ちぇー」


 渋々ながら、何とか引きさがってくれたさっちゃん。

 私は、ホッと胸を撫で下ろす。

 そこに、更に不機嫌そうになったちーちゃんの鋭い一喝が響いた。


「もうー!いつまでやってるの!?ケンカはめっ!ですよ!!」


 めちゃくちゃそわそわしてて、視線はプールの方向に釘付け。

 説教したんじゃないよ。

 もう完全に、ただ早くプールに行きたいだけだよ。

 そんなちーちゃんが……可愛いです。


「と言うか、さっちゃんスクール水着で良いの…?」

「ん。楽だし」

「さいですか…」


 ああ…しょっぱなの更衣室だけでここまで披露するとは。

 今日のプール、無事で済みそうにないな。

 ……ハリウッドの主人公っぽい予感だ。うん。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 ーその一方で男子更衣室もまた…。


「ふははは!待ちわびたぞ、我が終生の好敵手(ライバル)(ほむら)よ!」

「うわっ、出た!!あんた、何で今年もいるんですか!?」

「貴様らとこの私は、宿命の輪廻に絡め取られ、幾度も剣を交えるが運命(さだめ)…再び出会うのも、必然と言うものであろう!」

「あーっ、カッコ良い事言うお兄さんだ!えっと、よーすけさん!」

「ほう。そこのチビ助は分かっておるではないか。よかろう!望むのであれば、我が下僕(しもべ)としてやろう!!」

「えぇー、なんかヤダ」

「何だと!?」


「うちの坊っちゃんがすいません!今年もチケットあげたから、友達と遊んで来るように、との(とどろき)院長の仰せでして…」

「うわー。そんな主じゃ仕えたくないな、俺。旦那様に拾ってもらえて、本当に良かったな、マサ!」

「…実は五十歩百歩…いや、そうだな。本当に良かった」


「……友達か、赤河(あこう)?」

「違うから!!」

「我らは好敵手(ライバル)よ!」

「……息が合っているように見えるが」

「違うから!絶対違うから!!」

「違うのか」

「如何にも!拳を交わしたあの日より、我らの道が交わる事はなくなったのだ」


「……風間(かざま)は分かるか?アイツらの言う事」

「ボク、よく分かんない。あ、でも前もいっしょに遊んでたよ、あの二人」

「なら、友達じゃないのか?」

「友達じゃないの?」

「?」

「?」


「今年も私と、血沸き肉躍る死闘を繰り広げよ、炎獄の戦士、焔よ!」

「何か知らない間にだっせー二つ名付けられてる!?やめろ、俺を巻き込むな!」


 …カオスな空間になっていたそうだ。

 哀れ、(ほむら)


作者は目が悪いので、プールに行くと輪郭しか見えません。

胸の大きさなんて、相当近付かないと分かりませんし、水着の柄も分かりません。

……惜しい事をしているような…。

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