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二軍恋愛-知らない漫画のモブに転生したようです-  作者: 獅象羊
第一章「小学生編」(三年生)
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47.初めてのクラス替え

 クラス替えだよ、全員集合!!


 と、言う訳で無事に誕生日を過ごし、新年度となりました。

 私も、考えてみればもう九歳なんだよね。

 なんだか感慨深いものがある。


 何しろ、小学三年生だ。

 所謂、中学年。


 え?まだ低学年じゃないかって?

 いやいや、二学年毎に分ければ中学年でしょ。

 その方が大人っぽくて素晴らしいのだ。

 ふふふのふ。


 コホン。

 それはさておき、少し白鶴(しらつる)学園初等部についてお話しよう。


 この学校は、私が前世で通っていた小学校と同じクラス分けシステムを採用しているようで、二学年毎にクラス分けが行われる。

 つまり、入学時に分けられたクラスのまま二年生に上がり、三年生で再びクラス分けが行われ、四年生は三年生と一緒。

 そして、五年生で最後のクラス分けが行われ、六年生に引き続き、卒業していくと言う事になる。


 お分かりだろうか?

 私、これからそのクラス発表を見に行きます。


 二年生まで、幼稚園を含めても(ほむら)と別のクラスだったし、今年は是非とも同じクラスになりたいものだ。

 何でって?勿論、一緒にいたいからだ。

 何しろ可愛い相棒だしね。


「同じクラスになれるといいね!」

「そうだね、ちーちゃん」

「ぼくもいっしょがいいな!」

「その通りだね、ゆーちゃん!」


 折角だから、と言う事で、私達は通学路の途中で落ち合って、校門すぐ側にある掲示板へと向かっている。

 そこに、クラス分けが掲示されるのである。


「…お前ら、クラス分けなんかで、良くそこまでテンション上げられるよな」

「何を言うか、(ほむら)。現状、人生最大のイベントと言っても過言ではないよ」

「大袈裟だなぁ」


 そう言いながら苦笑する(ほむら)

 ちょっと!何でお兄さんぶってるの!?

 私の方が名実ともにお姉さんなのにぃ。


 ここは、大人らしさを見せつける為にも大人しく…。

 してたら、人生楽しむ、と言う目標が達成出来なくなってしまう。

 私にとって、いちいちはしゃぐ、と言うのは最早ルーティンみたいなものだ。

 駄目だ、やめられない止まらない。


 よし、諦めよう。

 考えてみれば、(ほむら)が楽しそうにしてるんだから良いじゃないか。

 うむ。くるしゅうない。

 存分に楽しむが良いぞ。


「…瑞穂(みずほ)。何で急に生温かい目になってるんだ…?」

「気のせい気のせい」

「何か腑に落ちねーんだけど?」


 今度は一転、不機嫌そうな顔になってしまった。

 ごめんよ、(ほむら)

 でも、暗い顔じゃないからフォローはしないからね!!


「ぼくいっちばーん!」

「あっ、ズルーイ!わたしが一番だものっ」


 掲示板が見えてくると、ゆーちゃんが弾かれたように駆け出した。

 それを追って、ちーちゃんも駆け出す。


「ふふ。ちびっ子二人は今日も元気ですねぇ、お嬢」

「そうだね!て言うか、私もちびっ子なんだけどね!」

「さっすがお嬢!さり気無く自分も混ぜる辺り、お優しいですねぇ」

「あれ、馬鹿にされてる…?」

「いえいえ。ものすごーくリスペクトしてますよ?」

「…胡散臭ぇ…」


 いつもは校門前でお別れする双子も、今日はクラス分けを確認しておきたいからと言って、少しばかり敷地内に入って来ている。

 同じ学園の高等部の生徒だから、ある程度敷地に立ち入る事は許されている。

 だから、普通に入って来て問題ないんだけど、普段は特に用事もないから、校門前でお別れしているのである。

 今日は特別だ、特別。


「うえぇぇ、みーちゃぁぁん!」

「ミズホちゃん!!」

「??どしたの」


 ダラダラ歩いていたら、先に行った二人が、泣きそうになりながら戻って来た。

 え、何で泣きそうなの?

 ショックな事でもあった?


 ショックな事と言えば、クラスが離れる事くらいか。

 私は少し考えて、二人が別のクラスになったのだろうと言う結論に至る。

 だからと言って、考えているだけで割り振りが分かる訳もない。

 私は、フォローは後回しにして、ササッと掲示板の前へと向かう。


 そして、愕然とした。


「えぇー!?私ぼっち!!」


 何者かの悪意を感じる。

 くそう、出て来い!

 あれだけイベントホイホイするクセに、こう言う時だけハブるつもりか、神よ!


 何で私だけ二組なんですか!?

 三人は同じ一組なのに。

 確かに、元二組のクラスメートはいる。

 仲も良い。問題は無い。


 でもさぁ…出来るなら、特に仲の良い三人と、(ほむら)と一緒になりたかった。


「お嬢様。そう気を落とされないでください」

「うぅ、(まさ)くーん…」

「お嬢様の類稀なる求心力さえあれば、また仲の良いご友人も作れましょう」


 類稀かはさておき、確かに(まさ)君の言う通りだ。

 仲の良い友達がいないのなら、作れば良い。

 簡単な話であった。


 うんうん。

 人生二回目、思い切り楽しむのなら、クラスがミックスされたところで、うろたえている場合じゃなかったな。

 すまんかった、皆。

 私が浅慮であった。


「…なるほど、確かに!!」

「うっわ、マサ。何その不吉な予言…」

「不吉!?何で!?」


 決意も込めて、力強く同意すると、何故か(おみ)君が、心底嫌そうな顔をした。

 お得意の厭味かと思ったけど、本気っぽい。

 え、私何かした??


「確かになー」

(ほむら)まで!?」


 困惑していると、焔まで(おみ)君に賛成の立場を取り始めた。

 えぇー!?

 もしかして、そんなにメインキャラホイホイしてると思ってる?

 さ、流石にないでしょ!


「わたしより仲の良い子を作っちゃうの!?そんなのイヤー!」

「えぇ!?ぼくもヤダー!!」

「ふわぁぁ天使達が可愛い!!」


 更には、両側から抱きついて来る天使達。

 あらやだ、可愛い。

 もうこのまま死んでも良い……だが生きる!!


「まぁ、色々と心配なんだけど…俺達もクラス分け見に行かないといけないから、もう行きますねお嬢」

「そっか。中等部高等部は、毎年クラス替えするんだっけ?」

「はい。旦那様への報告もありますし、失礼致します。お嬢様」

「あんまり人をたらしこまないでくださいよね。特に男!」

「うん、いってらっしゃーい!」


 二人に抱きつかれたまま、手を振って双子を見送る。

 そうだよなー。

 このまま進学していけば、クラス替えなんてたくさんあるよな。

 毎年ショックを受けてたら身がもたない。

 ここは大人の対応だ。


 て言うか、(おみ)君何が言いたいのさ。

 小学三年生の身空で、そこまでたらしこめるワケがないでしょうよ。

 仮に出来たところで、長続きしないだろう。多分。

 そもそも、寄って来てるのがメインキャラだ。

 うん、問題ない。


千歳(ちとせ)悠馬(ゆうま)。お前らそろそろ離れろ。時間なくなるぞ」

「イヤ!ホムラくんは家でもいっしょだからイイでしょ!?」

「うぅー、ぼくみーちゃんといっしょがいい…」

「ほら、瑞穂(みずほ)も困ってる。お前らも、もう我儘言うような子供じゃないだろ?」

「むぅぅ…ホムラくんのバカ!」

「うぅぅ…」


 渋々、と言った様子で二人は私から離れる。

 ああ、子供体温…。

 名残惜しく思ってしまったせいか、(ほむら)に睨まれた。

 ごめんなさい、(ほむら)かーさん。

 しつけに悪影響でしたね。


「まったく…お前がしっかりしてれば二人も不安がらないんだぞ?」

「えへへー、ごめんねお母さん」

「誰が母さんだ、誰が!」

(ほむら)がお母さん。私、お父さん」

「ぬあっ!?」


 声が思い切り裏返った。

 あらやだ、可愛い。


「な、何でお前とふっ、夫婦なんだ、こらぁ!」

「あれ、性別逆だとか言うツッコミはなし?」

「うるさいっ」

「痛いっ!お母さん、家庭内暴力反対!!」

「何処が家庭内だー!!」


「二人とも、ケンカはめっ!ですよ!!」


 盛り上がりそうになった時、ちーちゃんに怒られた。

 はい、反省してます。

 めっ、て言う言い方可愛いとか、今思っちゃいけないって理解してるくらい反省してます。


「みーちゃん、一人でへーき?」

「うん。前のクラスメートもいるしね。……(ほむら)はどう思う?」


 どうやら、一緒が良い、と言ってくれていたのは、私を心配してくれての事だったらしい。

 ゆーちゃんは優しいねぇ。

 私は、安心させる為にも、ニッコリと満面の笑みを浮かべた。

 その上で、ついでに確認を取っておこうと(ほむら)の方を向く。


 さっきまでふざけ切ってたけど、(ほむら)は私の聞きたい事を正確に理解したらしく、真剣な様子で頷くと、クラス表を眺めて行く。

 それから少しして、薄く微笑んだ。


「そうだな。このメンバーなら大丈夫だろ」

「そっか!」


 簡単に言えば、原作に登場するキャラクターが所属していないかの確認をお願いしたのだ。

 ゆーちゃんみたいな例もあるし、知らないで遭遇している事程、心臓に悪い事もないからね。

 いずれにせよ、関わりは断てないかもしれないけど、知ってるのと知らないのとでは大きな違いだ。

 知っているに越した事はない。


 で。結論としては、(ほむら)から大丈夫とのお墨付きを頂いた。

 残る問題は、(ほむら)も名前を知らない、私みたいなモブがいる可能性だけだけど、私はそこまで心配しなくて良いと考えている。

 何しろ、そういった人物と遭遇して、何か悪い事が起こった試しはないのだ。

 可能性をすべて忘れるのはちょっとどうかと思うけど、あまり警戒し過ぎる必要はないはずだ。


 オッケー。

 今年度も楽しめそうですな。


「それじゃ、それぞれ頑張りましょうー!」

「ミズホちゃんが言うなら、わたしガンバる!」

「ぼくも!」

「まぁ、ぼちぼちな」


 こうして私は、三年生としての第一歩を踏み出した。


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