旧十日目
次に起きたのは、翌日の事である。
でも、幸華が、起きてこない。
私は、全身に寒気を感じた。その時、何かが私のほおを伝った。初めて、そこで泣いているのだとわかった。
しばらく待って、正午近かった。
でも、起きてこない。
私は、心配になり、ナースコールを押した。
里奈さんが飛ぶようにきた。
「幸華ちゃんがどうかしたの?」
と聞かれて、小さくうなずいた。
「昼過ぎになっても起きてこなくって…」
「ちょっと待ってね。」
といって、廊下を走っていった。
そして、医者を連れてきてくれた。その横に、医療用具がある。
「脈の低下。意識不明。緊急手術。」
「では、手術室へ。」
医者たちが、猛スピードで、手術室へ。
私も、何とか手術室に着いた。
でも、全身から力が抜けていく。
私は、座り込むように倒れた。
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それは夏の暑い日だ。翼は幼稚園の夏休みの時だ。
幸華が近くのラーメン店でラーメンをすすってるとき、彼女はあることに気づいた。
お気に入りのぬいぐるみを無くしたのだ。
翼がそれに気づき、幸華に届けた。
そのあと、二人は小学生になった。待ち合わせ場所をここにして遊んでいた。中学になっても、高校になっても。
そして今に至る。