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ウイスキーとハイボール

4、ウイスキーとハイボール

ボクは酒が好きである。

弱くてすぐに酔っ払うくせに好きで、しかもついついたくさん呑んでしまうのである。

これは調べて分かったことなのだが、お酒を呑むと、これ以上呑んだら悪酔いするという判断ができづらくなるらしい。ボクは若い頃は、よくこのパターンにはまって失敗することが多かった。

その場では『まだまだ行けるじゃん。』と思うのだが、気がついたら苦しい思いをしている。そして翌朝はもっと悲惨なことになっている。

こういうことを繰り返しているからボクは『痛風』という厄介な病気になってしまったのだろう。

最近では気をつけているので二日酔いの地獄を味わうことも少なくなった。


酒といえばなんでも呑めるボクだが、唯一、ウイスキーは呑めない酒だった。

あの香りだけが先行してなんの味わいもない感じがキライだったのだ。

しかし、そんなウイスキーも呑みつづけるとなかなかの味わいがあって、最近では好きになっている。

そもそもウイスキーに限らず、蒸留酒は基本的には香りを楽しむところがある。

この香りが少し香る程度か・・・それとも強烈な個性を放つのかが、大きく分けてその蒸留酒の個性なんだと思う。

もちろん味わい深い蒸留酒も多い。

ウイスキーの話なので、ウイスキーで味わい深いものをあげると、『響』や『山崎』は香りも上品だし味も奥深い味がする。

鼻を抜けるほのかなアルコールの香りがとても心地よく、味も蒸留酒独特の強さと、舌を少し刺激する柔らかさが同居しており、これが酒飲みを虜にするのであろう。


それでもボクは酒を飲むときはウイスキーを飲むことは少ない。

こうやって考えるとやはりボクはウイスキーがあまり好きでないのかもしれない。

最近では不況のあおり・・・ではなくただ単に結婚したという理由で、家呑みすることが多くなったが、家で飲む時はどんな酒をスーパーで買うかというと・・・お財布に優しい発泡酒とか・・・さらには第三のビールとかである。いや・・・お財布に優しいとかは抜きにしても家呑みするときは缶チューハイや缶ビールが多いように思える。

たまに外で呑む時も、やはり最初は生ビールである。

そして次はチューハイのたぐいをしこたま呑むことが多い。


そういうことをすべてひっくるめて考えるに、ウイスキーに限らず、日本酒や焼酎に至るまで、あまり飲まなくなってきたのかもしれない。

外で呑んで、大変な思いをするときというのは必ずと言っていいほど、宴もたけなわになった頃に泡盛や日本酒をがぶ飲みしてしまうからである。


好きなら最初からビールなど呑まずに日本酒とか焼酎とかにすればいいのになぜか・・・最初はビールを呑んでしまうのである。

好きな日本酒や焼酎に至っても、この調子なんだから、ウイスキーを呑む機会が少ないのは仕方ないと言えるかもしれない。ただ・・・最近、そんなボクに変化が生じた。

ハイボールの存在である。

ハイボールとは一体何か?

お酒を呑まない人には全くわからない話ではある。

実はハイボールそのものは、チューハイと重なる意味合いがある。

ハイボールとは蒸留酒を炭酸で割ったものの総称らしい。

しかし、ここでは一応、チューハイとの区別をつけるために、ウイスキーを炭酸で割ったものをハイボールと呼ぶことにしたい。


てことは・・・だ。

ハイボールをここで出すなら、焼酎だってチューハイがそうなんだから、しっかり呑んでるじゃないか・・と言われそうだが、あくまでボクの中での焼酎はチューハイとは別物なのである。

大抵、チューハイに使われる焼酎は安いものが多いので、ボクは割るものの味がしっかりしているチューハイを頼むことが多い。例えば、コークハイとか、青りんごサワーなどである。ウーロンハイも嫌いではないが、焼酎が安物でしかも質があまり良くないものだった場合は飲めたものではないので、チューハイに関してはなるべく元の焼酎の味が隠れてしまうものを選ぶようにしている。

つまりチューハイでも、焼酎の味がしっかりわかるものがけっこうある。

例えば、梅干サワーとかレモンサワー、グレープフルーツサワー、また前述したウーロンハイあたりはしっかりと焼酎の味が分かってしまうのである。

つまり、チューハイは酒の味を楽しむというよりも、ジュース感覚で酒を呑み、酔いを楽しむものなのである。


それに対してボクが焼酎を頼む時は、銘柄を指定して、基本的にはロックかストレートでいただくことにしている。

質のいい焼酎は香りと味を損なうことなく楽しみたいのでそうしている。

ただ・・・この呑み方が正しいかどうかはわからない。

まあ、とどのつまりはお酒など、個人個人好きなように気軽に楽しめばいいのであるが・・・。


話を元に戻すなら、ボクの中では焼酎とチューハイは別物であるということなのである。

ではその論法でいけばウイスキーとハイボールは別物なのでは?と言われるかもしれない。

しかし、ボクは焼酎ほどウイスキーがあまり好きではないので、ウイスキーに関しては焼酎ほどのこだわりはないのである。だからボクの中ではウイスキーとハイボールは同じなのである。

ハイボールを飲んでみて思うのが、チューハイのレモン味など柑橘系の味がする炭酸で割った焼酎は元の味が隠れてしまうのに対して、同じもので割ったハイボールはしっかりウイスキーの香りが残っている。

しかも柑橘系の酸っぱい味がウイスキーの味と香りとぶつからない。

ハイボールは今やボクの中では手軽に飲める酒の中ではかなり上位の方の好きな酒になりつつある。

そんなわけで最近、ボクはウイスキーをよく呑むようになった。


まあ・・・厳密に言えば、いくらボクが同じようなものだとここで言っても、ウイスキーとハイボールは別物で、ボクが最近よく呑むようになった酒はウイスキーではなく、ハイボールであるということなのだろうけど・・・。


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