ネギと玉ねぎ
3、ネギと玉ねぎ
ボクは基本的には好き嫌いはない。
嫌いで食べることのできない食材は基本的にはないと言っても過言ではないのだが・・・その辺が微妙なところで、あえてキライな食材を挙げるなら『ネギ』と『玉ねぎ』なのである。
何がキライか・・・というと、あのにおいが嫌なのだが、調理方法によっては美味しくいただけるのである。
まず、ネギに関しては浅葱のような葉ネギに関してはまったくもって問題はない。
太いネギは苦手は苦手なのだが、焼き鳥のネギはものすごく好きである。
ネギマも好きだし、白髪ネギをごま油であえたものも実は大好きである。
それにたまにラーメンにのっているネギ・・・。
あれもちゃんと食べるし、美味しいと思う。
『え?じゃあキライじゃないじゃん。』
とよく言われる。
ここが難しいところで、苦手なものもあるのだ。
例えば、鍋やしゃぶしゃぶをやるときのネギは苦手である。
ただ・・・残すのは嫌なのでそういう場合でも基本的には自分の皿にのっているネギはすべて食べることにしている。
これをキライと呼んでいいんだろうか?
玉ねぎについてもまあ同じような感じである。
てゆうか・・・玉ねぎの方が複雑かもしれない。
玉ねぎの場合は基本的には火が通っていれば大丈夫なのだが、火が通っていてもさくさくとした食感がある料理に関してはけっこう苦手だったりする。この辺りのことを説明するのは大変困難を極めるのだが、実際は自分の皿にのって出されたものは基本的には残さない主義のボクなので、普通の人には分かりづらいのかもしれないが、何故か、うちのかみさんにはよく分かるらしい。
というのは我が家の料理は大皿に運ばれてくるからである。
大皿に盛られたおかずを小皿にとって食べるのが我が家のスタイルなのだが・・・これをするとボクの偏食ぶりがよく分かるそうだ。
『これキライでしょ?』
かみさんはおかずの皿を箸で指してボクに言う。
いつもその指摘は図星であるのでかなり悔しい・・・。
『なんで?』
一応、聞いてみた。
『だってさっきからまったく手をつけないじゃん。』
ボクは自分で自分のことを『実に分かりやすい奴だな』と思ったことを鮮明に覚えている。
ボクの場合、好き嫌いはない。
しかし、自分の好きなものだけをガンガン食べるという意味での偏食なのである。
だから『痛風』という厄介な病気にもかかるのである。
最近はちょっとやけになって『痛風日記』でも書いてやろうかと思ってるぐらいである。
結婚当初はこんな偏食ぶりを大目に見ていてくれたかみさんだが、最近では厳しくなってきた。
といってもかみさんには悪いが、彼女の厳しい管理など、世間一般から言えばゆるゆるの管理である。
こんな話がある。
ボクは酒が好きなのでたまに酒を呑みたくなる。
でも昨日も呑んだので、やはり健康のためにやめとこうかな・・・と悩む時がある。
そこでかみさんに相談する。
『今日呑もうかどうか迷ってるんだ。』
夫の病気を心配している普通の妻なら『昨日も呑んだでしょ?今日はガマンしなよ。』というだろう。実はボク自身、その言葉を待っている時もあるのだ。
その一言をきっかけに『我慢』という自分の心のスイッチを押すことができるのだ。
しかしうちのかみさんはそうは言わない。
『呑めばいいじゃん。』
そう言われると大丈夫かなあ・・・と思ってしまい、結局、連日酒を呑んでしまう・・・。
もちろん不摂生はかみさんのせいではないのだが、ただ彼女はそれで夫の健康管理を厳しくしているつもりなのである。
ただ・・・。
こんなうちのかみさんだが、変なところに厳しいのだ。
前述したネギや玉ねぎ。
食べなければ、事あるごとに嫌味を言う。
『あたしが健康を考えて作ったのに・・・。』
だからボクはあえてキライな料理でも一回は箸をつけることにしている・・・。
なんだか・・・微妙に納得のできない毎日ではある・・・。