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ラーメンの思い出

2、ラーメンの思い出

子供の頃からいつも食べてきたものと言えば、ラーメンである。

昔、秋も深まり寒かった夕方、ボクは母親と妹とともに自転車でどこかに出かけていた。

秋の鶴瓶落としと言う言葉があるとおり、日はあっという間に暮れて、寒い中、ボクらは自転車で家路に着いていた。

『ラーメン食べていこうか。』

母親が言った言葉がとても嬉しかった記憶がある。

そして途中で入ったラーメン屋の暖かいラーメンに心からほっとした。

そんな思い出があるからボクにとってラーメンという食べ物は特別な食べ物になっている。


ラーメンの思い出は多い。

中学の頃は釣りの帰りにラーメンを食べることが多かった。

当時はにんにくをガバガバ入れて食べるのが好きだった。

あのにんにくの香ばしい香りが好きで、ボクは釣りの帰りのラーメンがものすごく楽しみだったのを覚えている。

ちなみに家に帰ると家族には、ものすごく嫌がられたが・・・。


高校に入学したときは、入学式の日があまりに寒かったので、母親が駅前のくるまやラーメンでおごってくれた。

とにかくあの日は寒かったので美味しかった。

高校時代もよくラーメンを食べた。

駅前のラーメン屋にもよく通ったものである。


高校を卒業した後もラーメンはボクの生活と共にあった。

あの頃は家系のこってりしたラーメンが流行っており、ラーメンといえばそういう脂っこいラーメンを好んで食べた。

ボクが就職後に膝を悪くした時に、うちの親父がラーメンを食べに誘ってくれて励ましてくれたし、うちは元々、何かあればラーメンを食べに行くことが多かった。

そしてうちの家族は基本的によく食べる方なのだが、ボクはこの時期は若かったということもあってものすごくよく食べた。

まず、ラーメンにはライスがつきもので、ボクはラーメン大盛り、脂多め、ライスというのが定番だった。高校を卒業して体育の授業がなくなって身体を動かすこともなくなった折にもかかわらず、ボクはその定番を崩すことはなかったので、しっかりデブになってしまった。


その後、就職活動に悩んだ時期も友人とラーメンを食べに行っていた。

もちろんほかのものを食べに行くこともあったが、とにかくラーメンが多かった。

ラーメンは不思議とあまり飽きのこない食事である。


ボクが訪問入浴という在宅介護の仕事をはじめ、慣れ始めたときにも、よくお昼休みにはラーメンを食べに行っていた。替え玉をしてくれるラーメン屋を同僚の黒石さんが発見したので、そこに行くことが数回あった。

確か、同僚の看護師であるアヤコちゃんが正看護師の学校を卒業するという時にもお祝いで連れていったことがある。


訪問入浴の仕事をしているときは、多いときは毎日、お昼はラーメンというときもあった。

考えてみるとあの時の不摂生がたたって、痛風という厄介な病気を引き起こしたのかもしれない。

大抵、こういうことがあれば過去を教訓に、食生活を気を付けていくものだが、ボクの場合はそういうことがほとんどできずにいる。

当時と違って今はケアマネージャーをやっており、利用者には食生活のことについて注意することもたまにあるのだが・・・あまり強く言えないのが現状である。

『○○さん。気持ちは痛いほど分かるんだけど・・・糖尿病なんだからそんなに食べちゃダメですよ。・・・でも美味しいんですよね。』

こんな感じでにっこり笑いながら注意するもんだから、利用者さんは嬉しそうに首を縦にふるのだが、そのあと、何が美味しいか・・・という『食べ物談義』が始まってしまうものだから、まったく説得力もなく、利用者さんも食生活がよくならないわけだ。

こう考えると食生活の改善に関しては、ボクはケアマネージャー失格である。


結婚する少し前にうつ病を発症して、半年ぐらいの休職の後に、伊豆に引っ越した時にはラーメンを食べる機会は大きく減った。

伊豆半島には美味しいラーメン屋がなかったのである。

なかった・・・というのは違うかもしれない。

ただ単にボクが知らなかっただけかもしれない。

とにかく結婚前の1年と結婚してから1年近く、東伊豆に住んでいたがラーメンを食べにいくことは伊豆にいる間はなかった。

それでもラーメンが食べたくなるときがあったので、たまに横浜の実家に帰るときには、近くのラーメン屋に入ってはラーメンを食べていた。


先ほど、痛風の話をしたが、伊豆から横浜に帰ってきた理由は、痛風の悪化である。

もちろんラーメンはあまり食べていなかったわけだが、酒が好きなボクは暴飲暴食を止められなかった。

そんな毎日を繰り返していて・・・しかも病院代をけちってクスリを飲むのをやめていたわけだから、病状が悪化しないわけはなかった。

最近では痛みがでることもなくなってきたのだが、あの頃のことを考えるともう少しちゃんと節制しないといけないな・・・とほんのちょっとだけ思うことがある。

こんな話をよく利用者にするのだが、大抵、『ちゃんと節制しないとダメよ。』と言われることが多い。しかし、そういう利用者に限って自分も節制できていないものだから、そう言いつつも『ここにも仲間がいる』という思いからか・・・なんだか嬉しそうなのである。


最近では塩ラーメンを好んで食べることが多くなった。

ボクの場合、美味しいラーメン屋を自分で探すことより、友人に教えてもらって、同じ店にリピーターとして何回か行くことの方が多い。

塩ラーメンの店も友人に教わった店だが、とても美味しくて、その店はかみさんも好きで、とても喜んでいる。


こうやって思い出して見ると、ラーメンはボクの人生の随所に登場している。

特に高価な食べ物でもなく、いつでも気軽に食べることができるラーメン。

そんなラーメンこそ、ボクの中では『美味しいもの』の一つである。

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