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暖かいものが美味しい

 年齢と共にお酒の量が増えていることを自分でも感じることがある。

 以前はそんなに毎日呑まなかったのに、最近では週のうち5日間は呑んでいる。

 これに関しては、ちゃんと理由は分かっている。

 お酒の味が若い頃に比べて分かってきたということが大きいのだ。

 若い頃はビールなどは苦いだけだったのだけど、呑み続けるにつれて苦味の中のコクやキレを感じるようになっていき、美味しくてたまらなくなった。若い頃はビールだけ飲むと言うことは到底できなかったのだけど、最近では気が付けばビールだけ飲んでいるということもよくある。

 お酒の量が増えたということは身体のためにはあまり良くないので意識して週のうち2日は呑まない日を作っている。


 まあ、呑まなくてもそれなりに食事は楽しめるのではあるのだけど、やはりボクのような呑み助は食事の際にお酒がないと少し寂しく感じてしまう。

 こうやってお酒を夜に飲んでいる影響なのかどうかは分からないのだけど、最近、食事は暖かいものを好むようになってきた。


 いや……暖かいもの?

 普通でしょ?

 基本的に食事は暖かいものが美味しいに決まっている。

 ……と言われるかもしれない。

 でも案外世の中の食べ物で暖かくしないで食べるものは多いのだ。

 例えばサンドウィッチやサラダなどは常温の食べ物である。和食にしても漬物は冷たい食べ物であるし、状況によっては煮物などは冷たいものを食べる時もある。

 ランチで食べるお弁当なども作りたてでなければ、冷たいものを食べることになる。


 余談だが、聞いた話によるとドイツでは夜に台所を汚したくないという関係で冷たい食事しか出てこないらしい。本当か否かは分からないのだけど、文化の話なのでいい悪いではなく、『なるほどな――』とボクは思った。


 今もそうなのだが、若い頃は独身だったということもあって、特に朝の食事に時間をかけることはあまりなかった。ギリギリまで寝て、ささっとコーヒーを飲み、シリアルを食べて家を飛び出すということも少なくなかった。


 そもそも食事は時間がないと暖かいものではなく即席で出せるような冷たいものになりがちで、朝食などは特に前日に炊いた冷たいご飯に鰹節と梅干を入れて熱湯をかけて食べるなんてことがある。この場合、冷たいご飯が熱湯を冷ましてくれるのであまり熱々の食事という感じにはならない。


 この話……。

 もっと分かりやすく言うと飲み物においてこの傾向は顕著である。

 若い頃は暖かいものより冷たいものを好んで飲んだような気がする。

 冷たいものの方がすぐに呑めるし、若い頃のボクは熱がりでいつも汗をかいていたので、暖かいものよりも冷たいものの方が良かったのだ。


 ところが最近ではひと手間かけても暖かいもの……それも熱々のものが食べたいと思うことが多くなってきた。

 特にお酒を呑んだ翌日の朝はそれが顕著で、暖かい味噌汁がやたらと美味しく感じることが多い。


 やはり年齢と共に内蔵を冷やすことへの負担が大きくなっているのだろうか……。

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