最愛の人を追い求めて
「ナード……ごめんね」
草原で横たわる女フィーネとしがみ付くまだ幼い男バーナード。女は血塗れ、今にも息は途切れそうである。ヒューヒューと喉から漏れる息と血で女服は赤に染まる。その喉元を抑えるバーナードの顔も服も吹き出した女の血で染まる。
「嫌だ……師匠……ダメ……僕を置いていかないで……僕のせいで師匠は……いやだよ。僕は1人はいや……師匠と一緒がいい」
「ナード……可愛い可愛い……私の弟子……ナード大好きよ……大丈夫。貴方の事はアイザックに頼んである……もう一度顔を見せて……ナード」
――――数刻前――――
本日、今にも命の灯しが消えゆくフィーネに必死に声を掛けるバーナード。本来なら彼は自軍キャンプ地での待機であった。しかし、偶然聞いたのだった。
「なんでも貴族のお嬢ちゃんがアイザック団長を手に入れたくて、フィーネを少〜し可愛がってくれとな」
「フィーネか、いい女だよな。団長の女じゃなければ直ぐに組み敷きたいよ」
「それで話とは?」
「フィーネは強いから数名で挑めば何とかなるかとな。金の分け前も平等だ」
「ほう、いい話しだな。場所は?」
「国境付近に伏兵がいると偽の情報を軍に流し偵察としてフィーネ1人が向かった」
(師匠が危ない、団長に……アイザックに知らせないと)
「しかし、団長にバレないか?」
「大丈夫だ。団長らは緊急会議だ。そろそろ俺らも行くぞ」
(アイツらより先に師匠に知らせないと)
バーナードは急ぎフィーネを追いかけたのだった。
フィーネは1人偵察の為に国境付近の森へと足を運んでいた。
「いないな……誤報だな」
フィーネの腕前は自軍の副隊長クラスであった。しかしフィーネは女だ体力も力も男とは違う。フィーネの得意な戦術は奇襲と潜伏であった。バーナードはフィーネの弟子であり潜伏について学んでいた為、フィーネの潜伏場所へは勘と教えてを頼りに向かう。無事フィーネに会う事ができ事情を伝え自軍へ戻る事にした。
しかし、途中で潜伏兵と交戦する事になったフィーネとバーナード。バーナードも何度か戦場に駆り出されているため初陣ではないが経験は足りない。敵軍と対峙する2人の目の前には10名ほどの戦士達だった。
バーナードを庇いながらの戦いは女の本来の力を出しきれずにいたのだ。あと2人……その時だった。敵将はバーナードを囮にしたのだった。
「女、この子を置いて逃げるか?」
「師匠、大丈夫だから逃げて知らせて……」
首元にナイフを突きつけられるバーナード。そしてフィーネの全身を舐めるように見る。
「その子を離せ……何でもしよう」
「…………そんなに坊主が大切か」
「あぁ、命に代えても守りたい存在だ」
「そうか……それなら脱げ」
「くっ……」
「どうした?こいつの命がどうなっても?」
「……バーナード、目を閉じていろ」
バーナードは目を閉じる。ガチャガチャと鎧を脱ぐ音がする。
「全部だ」
冷たい敵将の声がバーナードの耳元で聞こえる。
「お前を守る為に女は俺たちのオモチャになる。全て、お前が弱いからだ?遊びで戦場にくるのではない。おい……代われ」
バーナードは違う男に羽交締めにされる。
「先程から思っていたが、いい女だ。脱いでもいい女だな。中々いいものを持っている」
「師匠……?大丈夫?」
「大丈夫だから、眼は開けるな……命令だ」
カチャカチャとベルトを外す音がする。
「いいな……こんな場所で、極上の女を抱けるなんて、ほら開け。ん……んっ……」
「…………くっ……ッ……」
「いいな……初めてか。ツイている」
「なぁ……俺も早くやりたいぜ」
バーナードの近くでは息遣いが荒くジリジリと体がぶつかり合う音の方へ押される。
「……師匠に何してる?」
「ん?何してるか知りたいなら目を開けて見てみろ。お前は師匠はいい身体だぞ」
ゆっくりと目を開けるバーナード
「ッ……師匠……うわ……あっ……師匠……師匠」
バーナードの目の前では敵将に辱めを受けるフィーネがいたのだった。殴られてフィーネの美しい顔は腫れて血塗れだった。
「お前のせいでこの女はこんな所で初めてを失ったぞ。しかも敵将の男にな」
「師匠……師匠……ごめんなさい……ごめんなさい」
「大丈夫だ。いいか……んっ……約束した事を覚え……んっ……んっ……」
「初めてなのに感じてるのか」
「うるさい……約束を違えるな」
「わかったよ。ほら、お前が上になれ」
グルリと体勢を変えられるフィーネ。
「やめろ……まて……そこは違う」
「違わない、同じ穴だ……おい、空いてるぞ」
「やめ……やめろ……」
「煩い女だ。まだ殴られたいのか。すぐに気持ちよくしてやるから」
敵将の男は仲間に向かいフィーネの後ろの肛を広げる。
「いい眺めだな」
バーナードを羽交締めにしていた男はバーナードを殴り飛ばし、ベルトを外しズボンを寛げる。フィーネに近づき男はフィーネの後ろに覆い被さり男のモノを肛にぶち込むのだった。
「うっ……うっ……ッ……」
「ははっ、いいか?ほら、もっとやる」
バーナードは恐怖で失禁し、足元に崩れ落ちるのだった。
「ほら、坊主、女の抱き方だ。よく見とけ」
どの位の時間が経っただろうか。
ドサッ…………。フィーネは何度も嬲られ体液まみれとなれ。
「おい、女楽しませてもらったよ。約束通り、坊主は逃すが、お前は別だ」
「連れて帰り仲間達と楽しみたいが国では妻の王女が待っているからな」
「…………」
「じゃあな。弟子との別れを楽しめ」
フィーネの首元にナイフを入れる敵将。
「すぐには死なないが、いずれ死ぬ」
「じゃあな。坊主、次は会ったら殺すからな」
――――――
直ぐにフィーネの元に駆け寄るバーナード。
「うっうっ……師匠、ごめんなさい。ごめんなさい」
「大丈夫だ……ナードが無事で良かったよ」
再び草むらから音がする。バーナードは剣を構える。しかし片方の手はフィーネの首に当ててある。
「おい……フィーネ……?フィーネ?」
「う……来ないで、アイザック……」
「なぁ……何があった?なぁ、なんでバーナードがいるんだ……」
ゆっくりとフィーネに近づくアイザックの目の前にはフィーネが裸で横たわる。かろうじて服を上から掛けてあるが身体中は殴られた痕と血と体液で汚れていた。
「団長……俺のせいで師匠が……師匠が敵将らに……師匠を穢したのは俺の……俺のせいで俺が弱いから……」
「フィーネ……どうして……」
「アイザック……バーナードは潜伏が偽の情報で数人の騎士達の仕業だ。それを知らせに来たんだよ。しかし、違う場所に本当に潜伏していたようだ……私はもうダメだ。可愛いナードを頼む……それとごめんな。お前とは一緒に生きていけない……もうすぐ死ぬ。ごめん……私は……私は……」
「何も言うな……大丈夫だ。お前は綺麗なままだよ。さあ、一緒に帰ろうか。俺達は家族になるんだ。3人家族で……帰ろう」
「アイザック……ナードを頼む……私の可愛い可愛い弟子で息子だ……そうだな。大丈夫だ、俺の養子にするから大丈夫」
「そう……ありがとうな。幸せにな」
「…………わかったよ」
「ナード、アイザックの言う事をきいて……」
ヒューヒューとフィーネの喉が鳴るも徐々に小さくなる。
「ふふっ、2人とも大好きだ……先に逝く……よ」
――――――
「バーナード……何を知って追いかけたのだ」
「………………師匠に知らせたかった。あの騎士達の嘘だと」
「詳しく聞かせろ。その前に……何処か川辺へ」
泣きながらアイザックの後を付いて行くバーナード。
「…………フィーネは今回の任務で退団する予定だった。俺……俺と結婚して……お前を2人の養子にする予定だった」
「…………師匠が俺を?」
「あぁ、家族になる予定だった」
バーナードは孤児だった。小さな村でバーナードはフィーネと出会った。大人達に殴られボロボロのバーナードを連れ帰り世話をした。バーナードは8歳だった。それからはフィーネとバーナードは一緒に暮らし時々フィーネから剣を習う。フィーネには恋人がいたアイザック団長だった。
バーナードから見ても仲の良い2人だった。ずっと一緒に……師弟関係でも一緒にいれるはずだった。
すでに息をしないフィーネの身体を小川まで運び身体を清める。
「…………可哀想に……初めてもアイツらに……バーナード……お前はこの先を生きないといけない。どんなに辛くてもな」
「…………ごめんなさい」
「いいんだよ。フィーネはお前が何よりも大切にしていた。命懸けで守ったんだから……これから強くなれ。そして……アイツらに……」
泣きながらフィーネの身体を清めるアイザックであった。
「バーナード、鎧を着させるから手伝え」
「………………」
「その前にお前も川に入れ、汚れている」
「あと……フィーネが汚されたのは誰にも言うな……お前はキャンプ地にいた。いいな……そうじゃなければ仲間達がお前をな……わかるだろ」
「うっ……うっ……」
「お前と俺は一緒に事切れたフィーネを見つけた。尊厳は傷つけられていない。いいか約束だ」
――王都に戻り、フィーネの葬儀を終えた――
アイザックはバーナードの話を元に調べた。仲間の情報に騙されていたのだった。偽の情報を軍に伝え、騎士達はフィーネを襲うつもりだったと知った。フィーネが予想外に敵と出会い命を落とした事が数名の騎士に耐えがたい現実を突きつけたのだった。1人の騎士が罪悪感から怖くなりアイザックに全てを話したからだ。
騎士は話す。令嬢からの依頼でフィーネを襲い、団長とも別れさせようとした事、そして依頼主は傷つく団長に近づく為だった事を泣きながら話した。
数名の騎士は退団となり依頼主の公爵令嬢と公爵家は王家から叱責され他の貴族から後ろ指を刺される事となった。
そして古くから続く公爵家はフィーネの死だけではなく下手をすれば軍全体を壊滅させてしまう可能性があった事から爵位を王家に返上し貴族名簿からその名を抹消したのだった。元凶となった令嬢は修道院に送られて2度と王都には入る所はない。
フィーネの死から8年がたった。
「バーナード……お前いいかげんに……」
「…………んだよ」
「ん?」
「1人じゃ眠れない。目を閉じるとあの日が……今でも鮮明に……だから女を抱いて柔らかな肌の中で眠るんだよ」
腰にタオルのみ巻きリビングに現れたバーナード。
バーナードは18歳になった。あの後、アイザックの養子となり一緒に住むバーナードは毎晩の様に女を買い過ごしていたのだった。
「アイザックも同じだろ」
「……まぁな」
それぞれの寝室から女が出てくる。
「毎度あり、私達は帰るわ。今晩はどうするの?」
「いや……しばらく王都から離れるよ」
「今年も行くの?」
「愛する女の墓参りだしな。バーナードも一緒だ」
「そう、また戻ったら連絡して。店の子を2人ここに連れてくるわ」
「あぁ、また頼むよ」
「さて、行こうかバーナード」
のんびりと馬を走らせる2人が向かうのはフィーネが亡くなった戦場近くの小さな村だ。あの日から三年後、敵国は我が国に降伏した。その時、多大な戦果をあげたのがアイザックとバーナードだった。そして、見つけたのだ。あの日フィーネを穢した敵将と部下を。
「許してくれ……仕方なかった」
「仕方なく犯していたわりには楽しんでいた。俺の……母を2人で……」
「お前……何処かで……あの時の坊主か?逃しただろう。なぁ頼むよ」
「許さないよ。あの日から眠れない。あの時の光景が離れない」
ゆっくりと残忍に2人を痛めつけるバーナード。
「団長さんよ……助けてくれよ」
「残念だな。お前が弄んだのは俺の妻になる予定の女だった」
「………………」
「やっと見つけたんだ。いいものを見せてやる」
2人の男を引きずり部屋の中に投げ込むと、女は悲鳴をあげる。その部屋には2人の妻がいた。
「つ、妻に手を出すな」
「ほぉ……どの口が言っている。見てろ」
「いや……来ないで」
「君らの夫は戦場で……僕の母となる女性にした事を同じ事をするよ」
「あ。貴方?何をしたのよ」
「ふふっ、何も知らないのか……あの男2人は戦場で母さんを犯して殺したの」
「ひっ……嘘……嘘よ。私の夫がそんな事を……する訳ないわよ。無理よ、やめて……」
「アイザック……僕からいい?」
「どうぞ」
「綺麗な奥さん……敵将の妻は王女だったんだね。だから探すのは簡単だったよ。あの男は妻は王女と言っていたからね。でも……僕の母さんよりは美しくないな。彼らは母さんに女の下には穴が二つあるからとね。僕の前で犯して喜んでいたよ。だから今回は僕達と楽しもうね」
ゆっくりと服を脱ぐバーナード、彼は15歳だが戦場での日々が逞しい肉体を作りあげており、また見た目も幼さが残るも美し美男子であった。
「うっ……いや……やめて」
泣き叫ぶ2人の妻達
「君の夫は戦場で沢山の女を犯し、仲間と共有していたみたいだよ。それに比べて僕は娼婦しか抱かないよ。僕は君の夫よりもいい男でしょ。あの男と違って優しく抱くよ」
「私は関係ないじゃない」
「僕の母さんは僕を守るために大人しく辱めを受けたよ。少しは静かにしたら?君の夫の為に脱いで」
「いや……やめて」
「無理矢理されるのが好きなのかな」
ビリビリと女達の服をさ引き裂く。ガタガタと震える妻達
「許して、これ以上は」
下着姿の女達
「全部脱げ、だったかな敵将さん?母には自ら脱がせたね」
諦めたように全てを脱ぐ妻達はそれぞれの夫を睨みつけていた。
「バーナード、その辺にしとけ。俺達はお前らの夫とは違う。あとは部下に任せるよ」
裸の女2人とボロボロの男2人を残し部屋を後にする。
その後の彼らの処遇はわからないが、部屋からは夫を罵しる女達の声が廊下まで響いていたのだった。
――――時は戻り現在――――
フィーネが息絶えた場所で野営中の2人は焚き火を見つめる。沈黙も慣れた。
「なぁ、アイザック……俺さ……疲れちゃた」
「俺もだ」
「あれから8年……アイツらも見つけて終わるかと思っていたけどさ……全然ダメ」
「俺も同じだよ、バーナード」
「何処かにフィーネがいてくれたらな」
「生まれ変わっていたとしても歳が離れているな」
「そうだな……8歳?いや7歳か……無理だな。アイザックは?」
「無理に決まってるだろ」
「会いたいな」
「そうだな、しかし今の生活の俺達を見たら怒るだろな」
「怒られてもいいから……フィーネに会いたい」
膝を抱えて声を殺しバーナードは泣いていた。
「フィーネ……君が俺達に残した記憶があまりにも残酷だったよ。責任をとって俺達を連れて行け」
ガサガサ……ガサ。
「おい……向こうの茂みに人か獣かはわからないが何かいる」
「そうだな……獣なら食うか」
「それはいい案だな」
2人は剣を構えて音のする方へ向かう。
「ん?おい……人だ」
「幼いぞ」
「うっうっ……ママ……ママ……」
2人が目にしたのは横たわる女の側で泣く女児だった。その幼い子は穴を掘っているのだった。
「なぁ、あの子の側のは」
「死体……かな。そして、穴……か」
足音に気付いた女児は音のする方を見る。
「うっ……誰?」
草陰から2人の男があら姿を現す男達に向かい話しだす。
「君は何を?」
「ママは……病気で……お金がないから……ここで最後の時を過ごしていたの。お兄ちゃん達は私を殺すの?それとも売る?」
「なあ、あの子」
「そうだな……似てるな」
「幾つだ?お嬢ちゃん」
「フィオナ7歳」
「フィオナ……7歳か……殺さないし売らないから一緒にくるかい?」
「………………」
「怪しいよな俺達……」
「とりあえず。君のママを埋めるのを手伝うよ」
無言で3人はフィオナの母を埋葬するのであった。
「フィオナ……疲れただろう」
「……大丈夫」
「少し眠りな」
「フィオナ……大丈夫だから」
その日3人はフィオナを真ん中に抱きしめ合って眠るのだった。
翌朝、目が覚めた2人の間には眠るフィオナ。
「なぁ、アイザック……連れて帰りたい。それに似ている……ぐっすり眠れたし」
「ん〜。まぁ、フィオナがいいと言ったらな。まあ、確かに俺も眠れた」
日が上り晴天の空の下、フィオナはアイザックとバーナードと共にいた。
「フィオナ……誰か君をお世話してくれる人は?」
首を振るフィオナ。
「それなら一緒に行こう。君を守るから、君が幸せになれるように僕達が大切に守って行くからね」
「フィオナ……俺達はずっと君と一緒にいるから……そうだな俺が父親だ、バーナードは兄だな」
「いいの?私は……何もできない子供だよ」
「大丈夫だよ、僕達も何も出来ない大人の男だよ。僕達は騎士だからさ不在になる事も多いけどお留守番できるかな?」
「帰ってくる?」
「……ん〜善処するよ。でも君がこ困らないようにする」
「これから、よろしくお願いします」
「「こちらこそ」」
――――――
「お父様起きて〜。お兄ちゃんも」
寝室から出てくる2人、そして各部屋から女が出てくる。
「それじゃあ。必要な際は当店へ連絡してね」
「あぁ」
「じゃっ」
「フィオナおはよう」
「フィオナおはよ」
「……………………」
「ん?」
「一応、年頃の女の子がいるのよ。堂々とお姉さん達を呼ばないで」
「ん〜しかし、男だからな」
「そうだね〜フィオナは15歳か」
あれから8年、フィオナは15歳、バーナードは26歳、アイザックは36歳となった。王都にある小さな平屋の一軒家、フィーネと幼かったバーナードが過ごした家、アイザックとフィーネ、そしてバーナードが住むはずだった家で暮らすフィオナら3人。
「なぁ、アイザック。15歳だ」
「そうだな」
「「いけるな」」
「ん?何が?」
「なあ、フィオナ。お兄ちゃんもアイザックもイイ男だろ」
「そうね……おかげで目が肥えてるわ」
「そうか、そうか」
「よし、少し大人の勉強しようか」
フィオナを抱っこするバーナード。
「は?何を言ってるの?」
「お兄ちゃん達がフィオナを可愛がる時間かな」
「嘘……待って……」
「此処へ来る前に言ったよ。ずっと一緒だとね」
「俺達の事、嫌い?触られるの嫌?たまに見ていたよね。僕らがしていた事」
赤い顔で首を振るフィオナであった。フィオナは2人に保護されてから家事をしていた。毎晩の様に綺麗な娼婦がやって来ては聞こえる各部屋からの声、何をしているのかは偶然見てしまい知っている。強くてカッコいい父と兄と過ごす娼婦が羨ましかった。そして今、その2人から求められている。
しかしフィオナは知っている2人の中にいる女性は今も昔も……これからも1人だけ。
「それで、どうする?無理矢理はしたくないな」
「フィオナが嫌なら、俺達は今の生活のまま何も変わらない」
フィオナは覚悟を決めた、チャンスは一度きり、今を逃すと次はない。
「ねぇ、私を幸せにしてくれるのでしょ。ずっと一緒にいて」
――フィーネさんの代わりでもいいから――
感想や評価(下の☆☆☆☆☆)をいただけると嬉しいです。また、リアクション、ブックマークも大大大歓迎です。




