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作者: 聖徳犬子

『彩』


ある町に、いつも元気な青年タロウが住んでいた。彼は毎晩、仕事を終えた後に友達と遊ぶのを楽しみにしていたが、ある日、家に帰ろうとしたときに不思議なことが起こった。


タロウは、町の小窓から漏れる「ただいまの灯り」を見つめながら、思わずつぶやいた。「早く帰らなきゃ、月が待ってる!」すると、彼の目の前に、月がフワフワと浮かび上がった。


「タロウ、遅いね!」月が言った。「お前が帰ってこないから、ここで一人で待ってたんだ。」


タロウは驚いた。「月が喋った!?」


「もちろん!毎晩、君の帰りを楽しみにしてるんだ。でも、君が帰るのが遅いと、ついつい寝てしまうんだよね。」


タロウは思わず笑ってしまった。「じゃあ、僕が早く帰るようにすればいいんだね!」


月はニヤリと笑った。「でも、そのためには、まず君が家に帰らないと!さあ、急いで!」


そこでタロウは、急いで小道を走り出した。しかし、途中で彼の友達、ケンジに出会った。ケンジは酔っ払っていて、タロウを引き止めた。「おい、タロウ!もう少し遊ぼうぜ!」


タロウは困った表情を浮かべた。「でも、月が待ってるんだ!」


ケンジは大笑いした。「月なんかに何を期待してるんだ?あいつは浮いてるだけだぜ!」


タロウはあきらめずに言った。「でも、月が待ってるってことは、僕も早く帰らなきゃいけないってことなんだ!」


ケンジは首をかしげながら、「じゃあ、月を連れて帰ればいいじゃん!」と言った。


タロウは一瞬考えた後、大声で叫んだ。「月!こっちに来て!」


すると、月は空から降りてきて、タロウの肩に乗った。「やっと君が気づいたね!」


タロウは大笑いしながら、友達に向かって言った。「見ろ、月が僕の友達になったんだ!」


町の人々はタロウの姿を見て驚いた。空に浮かぶ月と一緒に歩くタロウの姿は、まさに異次元の光景だった。


「これが新しい町のシンボルだ!」と町の人たちは拍手を送った。


その日以来、タロウは毎晩、月と一緒に帰ることを決意した。そして、彼は町の小窓から見える「ただいまの灯り」を見ながら、月との楽しい冒険を続けるのだった。


おしまい

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