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どうしても憎いあなたへ  作者: 佐藤つかさ
第一章
37/104

2-27

「ここにいましたか」

 男たちが声をかける。

 イオリは振り返り、脅威を見やる。

 スタッフも振り返り、相手と目を合わせていた。

 

 ついに見つかった。イオリはほぞを噛む。

 状況は最悪だ。

 相手の数は六人。みな分厚いコートに袖を通している。

 なぜか一人は手押し車を使っていて、大きな箱を載せていたが目的はわからない。けれどスタッフと同じ服装で擬態しているので、誰も怪しまなかった。

 彼らは人攫いをしている悪徳業者で、今のところ上手く身を隠している。

 対してこちらは戦えそうなのはイオリ一人。多少なりとも体術には自信はあれど、暴力に慣れた男を多数相手にできるほどではない。

 つまり。

 勝てる要素が何一つないのだ。

 百パーセントを超えた勝率。

 いったいどう覆せというのか。

 

 

 幸い、一人の顔は見覚えがあった。

 スタッフに柔和な笑みを浮かべている男。

 彼の右腕は鉄でできていた。

 肩から先が義手になっていて、歯車仕掛けでカタカタと気味悪く動いている。

 自分たちをデスゲームに閉じ込めた男の一人だ。

 ちなみにユータスは覚えていない。

 興味ないから。

 

「……誰ですか?」

 怪訝な声でスタッフが問う。もっともな判断だ。

 しかし男の柔和な態度は崩れない。

「この人たちが迷っていたらしくて、センターに連れて行こうと思ってたんです」

 嘘だ。

 彼らはイオリたちを攫おうとしているのだ。

 だけどスタッフはそんなこと知る由もない。

 協力的であるとはいえ、散々ユータスとイオリに絡まれているのだ。

 このままでは説得されて、これ幸いと引き渡されてもおかしくない。

 ひどく危ない状況だった。

 なんとしてでも危険だと伝えて、助けを呼んでもらわなければ。

 

 だけどスタッフはイオリが思っていた以上に冷静だった。

「パスを見せてもらえますか?」

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