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先輩と後輩の上下関係に俺は必要なのか?  作者: 深川 シンノスケ
うるさいのはもう懲り懲りだ。
1/1

いつまでもうるさい二人。

プロローグ


「いつになっても、この光景は変わらないものだな」

 一年五組のこのクラス。いつになく大胆にうるさく、口喧嘩をしている女子二人。

一人は俺の先輩で、もう一人は後輩だ。

 そして、喧嘩の内容はいつものあれだ。

「ちょっと、私の容姿の方が可愛いと思うの!」

「あら、そうかしら。 私は私のほうがあなたの小さいお胸よりは良いかと思うけれど。勘違いかしら?」

「もぉー! 確かに胸は小さいけど! これからもっと、もっと大きくなるからいいの! って! 今は胸のことじゃなくて、可愛いか、可愛くないかの話でしょ!」

「あら、そうだったかしら」


 後ろ髪をすっと手で払うと、その長髪を人差し指でくりくりしながら、俺のいる方向に顔を向ける。


 それと同様に、お胸が残念な小さいお子様は、見事なツインテールをおろして、俺のいる方向に顔を向け、

「キー君はどっちが可愛いと思うのよ!!」と質問してくる。


長髪先輩も、「気になるわね」と言い、耳を傾ける。


そんな、質問に俺は普段通りに言い返す。

「はいはい、わかったわかった。 どっちも可愛いと思いますよ」


 俺が上記の返答をすると必ず、二人は息ピッタリで、

「私のほうが可愛いもん!」

「私のほうが可愛いに決まっていますのよ」と答える


 どうやら、この二人、普段から自分が容姿端麗と思いながら、過ごしているらしく、人意識過剰もいいところだ。


 正直、毎日毎日、この喧嘩の被害者になるのはもう懲り懲りだ。

こんな感じで、俺の日常は今日も「この二人」がいるせいで終わって行った・・・・・・


 そして、翌朝の登校前、家から出ると、必ずお子様が迎えに来ている。

しかも家の前に必ず。うれしいのだが、女子と二人で、登校するというのは、少しばかり恥ずかしいものだ。

 まあ、一応俺だって、健全な男子高校生だし、女子人気ランキング学園上位のお子様と登校するというものは、周りからの目も気になる。

 俺が通っている、某高等学校は、意外と物静かな人が多い。しかし、俺の隣のお子様と昨日の長髪先輩は学校でも一位、二位を争うくらい、うるさいものだ。


 それとは裏腹にこの二人は女子人気ランキング学園上位。


 俺の知り合いが言うからに、先輩は「青の長髪はまるでサファイヤ。青の瞳は僕たちを安らぎの場安らぎの場へと誘ってくれる。 あのお方は、僕たちのmy angel. というべき存在」らしい。かなりの高評価のようだ。俺には人意識過剰バカとしか思えない。


 そして、お子様野郎の評価はこうらしい「ピンクの髪は可愛い象徴。 それながら残念なお胸は元気いっぱいの象徴。 あの人は、人に元気を与えてくれる存在だ」


 うん、俺にはただのアホとしか認識できない、お子様でも、周りからすれば可愛いらしいのだ。価値観の相違かも知れないけどね。


 まあ、なんだ。俺はそんな二人に、いつも振り回されているだけ。俺の苦労にも皆気づいてほしい。


 そして、歩くこと十分。今日も学校の正門前に到着したのであった。

「今日こそは、あの女に勝ってやるんだから!!」

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