散文詩『 二匹 』
小4らしき少年が、
急ぎ小走り、
自分宅へと帰って行く。
それを見掛けて、
なんだろう、と思った。
その後を追って、二匹の猫、
黒と白黒とが途中まで付いて行き、
その後、行き先を失って、
どうしたものかと言った風に
迷って居たからだ。
ああ、もしかしたら、
家に何か食べる物を取りに行った
のかな、と思う。
その間、わたしがしゃがみ込んで
猫たちを招く。
頭のいい猫らしく、黙って近づき、
様子を伺うが、
何も持たぬ者と解ると、
いつもそうであるように、
無用と判断して
他へ進路を探る。
少しして、先程の少年が、
家から飛び出して来て、
わたしに気付き、
目で会釈して横をそっと通り過ぎる。
そして、走り出す。
それは小さな公園が有る方だ。
きっと猫たちは、
その後を追って付いて行っただろう。




