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短編集 冬花火

生きし屍

作者: 春風 月葉

 彼は落ち度がないように生きてきた。

 それはとても悲しい生き方だった。


 少年時代、彼は孤独であった。

 両親の趣味は他人の粗探しであったため、少しでも落ち度があればすぐさま餌食となり、怒りを買うこととなった。

 やがて怒りは暴行へと形を変え、幼い彼を襲った。

 毎日の暴力で変色し、皮膚の剥がれた醜い身体を同級生は拒み、彼は他所でも一人だった。

 そんな彼を教師もまた面倒な問題の一つとして扱い、彼には救いを求める先すらもない。

 そのうち、彼は気が付いた。

 自分に悪い点があるからこんな目に合うのだと。

 そして彼は変わった。

 人の怒りを買わぬよう努めて生きた。

 日の流れと共に彼の肌からは傷が消えていった。

 しかし、同時に彼は己を殺してしまった。

 今も尚、彼は一人、人の顔色を見て生きている。

 いや、そう錯覚している。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 西側の歴史と政治全部モーセの十戒に当てはめられるな 主体性教育をあきらかにできなくしている インターネットもマスコミも全部論理なきお気もちろんしかない工作絶対あるだろうな 広島とか天罰…
2018/02/24 18:28 退会済み
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