1、最悪な出会い
こうして、俺は入部した。
部活名はなんと───日常部。
「あの……これは……何をする部活なんでしょうか?」
部室はとても殺風景で、1人用ソファが1つと会議などに使われる折り畳み式の長いテーブルが2つ置いて幅を広げて置いているだけだった。
その時、部室のドアが勢いよく開いた。
「おっす、え?何?君が新しい部員?よろしくねー」
俺の手を握って挨拶をしてきたのはうちの学校の先生である園田夏美だった。
「あっ、は、はい、よろしくです」
これだからコミュ障は……。
「あの……ちなみにこの部活、なにをする部活なんですか?」
「いやぁ……それがだな、わからないから部員が全然集まらなくて残った部員が星野一人になったんだ。そんで、廃部寸前だったのところでキミが来てくれたおかげで廃部を逃れたってわけ……ま、なんでキミを誘ったんだろうねぇ?」
イタズラっぽくニヤリと笑う先生。
その時、バンッと机を叩く音が聞こえた。
「今はそんなことどうでもいいでしょう?理由は、また、今度言うから」
星野はこっちに絶対に目を合わせまいとうつむいて言った。
「ハイハイ、ちなみに私、この部活の顧問だからよろしく~バイバーイ」
そう言って先生は部室を出て行き、俺は星野と二人っきりになった。
うぉっ、これかなりヤバイ状況なんじゃ……?
チラリと星野のほうに目を向けると星野はもう1人用ソファに座って本を読んでいた。
「あの、俺どうしたら……?」
「そうね……2年の学習室にパイプ椅子があったはずだから、それを使って」
ちなみにこの部室、2年の教室がある階に位置しているから1分もかからないくらいでその学習室には到着するだろう。
「じゃあ、行ってくる」
……返事はなし。
いや、まぁ別にいってらっしゃいとか言ってほしかったわけじゃないんだからね!
てかこいつ、美人なだけですげえ冷てえよ。
とにかく俺は廊下を歩く。
窓から差し込む光はもう赤みがかかっていて、夕方だということを告げてくる。
「4時3分か……5月は暗くなるのがまだちょっと早いな……」
つい独り言を言ってしまったが周りにはもう誰一人としていなかった。
どこからか聞こえてくる吹奏楽部の曲はどれもが最近人気な曲ばかりだった。
───そうこうしているうちに学習室に到着した。
あ、ヤベ鍵かかってるんじゃね?とかおもったけど鍵はかかっていなかった。
そして、ドアを開けたその時、急に強い風が吹いてきた。
そこにいたのは窓際にもたれかかる茶髪でショートカットヘアの───同じクラスの慶菜唯だった。
あ。
「ひぁ!?」
風による影響でめくれあがったスカートを手で押さえる慶菜。
黒と、白の、ストライプだった。
「……キミ、高宮だよね」
「は、ハイ」
「今見たの他の人に言ったらマジぶっ殺すからね!?」
こ、こえぇええええええ。
なんだよこいつ、かわいい顔してる割にはすっげえ口悪いなぁおい。
そのまま慶菜はドアを開け、外に出て行った。
「……それにしてもこんなところで何してたんだ?」
……まぁいっか。
「あ」
あった。パイプ椅子。




