いろんな住人ではなく客
「これは刺し傷だね」老婆がそんなことを言って死体を見ていた
「おい婆さんそんなの分かるのかよ」
「何年ドラマを見て来てると思ってるんだい」
「ふざけてるのか」
「ああ、私は元駄菓子屋だ」
「どっちにしろ関係ないだろ」
「嫌よく見て見ろ吐くなよ」
「・・・・っう」
「吐くな」
「うっせい、それよりどこがだ」
「これ見ろ、かなり裂けてる感じだろ」
「・・・・・」
「確かにですわ叔母様」と平然と口にハンカチを押さえているがそれは吐きそうな奴ではなさそうに感じる、嫌は吐きそうかと思って当てたのかそれとも・・」
「なにがどう」
「見て見ろ裂けてる」
「・・・・・裂けてる」
「な」
「つまりは」
「私に言わせればこれは鈍器によるものではなく鋭いそう、刃物かそれに類するものだ」
「・・・しかしそんなものどうやって調達するんだ」
「できるだろう幾らでも、ガラスを割ってそれで刺しても良し、調理室からぬすんでも良し」
その声をさいぎる声、その野太い声は筋肉の奴だ
「それはできません、この館には極力危ないものは排除してあります」
「・・・・こんな事、言いたくないけど殺し合いするのに」
「危ないでしょ」
「殺すぞお前」
「さて時間です」
「おい一つ聞かせてくれ、もし犯人が間違っていたらどうするんだ」
「続くだけですよその人を殺して」
「・・・・」
「さて今から壱拾五秒後に皆様の「ゲェーーム」の開始です14、」
またしても暗い意識の中で本当の暗闇に落ちるように落ちていたのかも知れないけど、私は意識を散らした
「おい起きていますか」
私が目を覚ますとそこには白い髭を生やした老人が立っていた
「こんにちはおじいさん」
「ああ・・・こんにちは」
「所であなたは私を殺しますか」
「嫌遠慮しとくよ」
「なぜです」
「私には莫大な借金があって猫個で死ねたらと思うような人間なんだ、どうだい殺すか」
「いえ」
「そうかそれは残念というか何というか」
「とにかく何か話でもしませんか」
「嫌わしはいい」
「どうしてです今から誰が殺したかを」
「「「やめろ」」」」老人はそう叫んだ
「悪い」
「いえ、しかし何かあるんですか虎と馬でも」
「いや、わしの借金で妻が自殺したんだ」
「・・・・」
「馬鹿な奴でね、頭は良かったがどこか抜けていた
わしがあまりの苦しさに勝手に保険を奴から抜いてしまっていたことを知らずに」
「酷い人ですね」
「・・・ああ」
かくして二人してののしり愛したり酒を飲んだりして部屋は幕を閉じたようにフェイドアウトするように意識が黒く塗りつぶされた
「所で何か話さない決まりでもあるんですか」
「いや、人の話はもう飽きた、特に死人に対してわだ
普通死んだ人間には少なからず敬意か何らかの良い感情を出すもんだ
しかし妻は違った、もう話なんて嫌なんだ、人間なんて」
「それは・・・・・」
「あんたも気をつけろよ」
「何にですか」
「女だよ」
「・・・・・・・嫌あんたは男か」
「・・・・どういう意味です」
「俺は男に貢いでたんだ」
「・・・・・部屋出てってもらえます」
「ほら老人にまで若者はそんなことを」
「・・・出てけボケー」
以下記憶の中続く
「さてーーみなさんたの死んでますかーー」
「君は何をやっているんだ」
「いえ盛り上げです」
女はマイクを誰にも向けることなくそう言うと男と二人漫才でも始めようとしているかに見えた・・・嫌普通漫才は・・
「さて結構減ってませんが次行きませう、探偵ヨロー」
「皆様それではよろよろ」
二人は軽く頭を下げて引っ込んでいった
「あれ何なんですかね」
今回は三人同じ場所にいた
「わしはおもしろいぞあの下手さか減が」
「婆よくそんなこと言えるな」
「・・・とにかく探すぞ」
「お前が探すのではないだろう」
「・・・行くぞ」
「聞け」
「ちょっちょっと待って下さいそんな急ぐと・・・私がついて行けませーーん」
そこにはさっきと全区ではないにしろ鋭い裂け目が腹には入っていた
「おいマッチョ」
「・・・・・・ハァイ」
「元気がないな」
「・・・」
「それよりお前刃物はないって言ったよな」
「ええ言いました更に言うなればこの館にそのような物を持ち込んだ人間はおりません」
「それはこの傷になりそうな物って言う意味でも同じか」
「さあそこまでは」
「どっちかはっきりしろ、マッチョ」
「・・・・・例えばですね、」
「元気良く」
「た・と・え・ば・ですね」
「おもしろい奴だな」
「たとえばですね、爪や何かでそれをされた場合、私達とてそこまでは予測範囲外です」
「うむ、そう言うことか、婆なんかあるか」
「本当に信用できるのか」
「出来るだろ、こいつがそう言ってんだから、ルールって物が「げーぇむ」にはある、それを破ったらアウトだよな、なっマチョさん」
「ええ、そこはしっかり心得ております」
「だとよ」
「しかし裏切りゲーム所謂騙し合いのゲームの一種ブラフだ、そうなるとそれさえも信用できる物かどうかわからんぞ」渋る婆
「そん時はぶっ飛ばすまで」
「期待してるよ」
「するな」
「させろよたよりない馬鹿者」
「せめて馬鹿ではなく若者にしろ」
「・・・・そろそろ時間だ」
「無視するな」
「まあまあ、お二人とも、そこまで言うならどうですみなさんで身体検査してその・・武器になりそうな物を没収していただくのは」
「出来るかマッチョ」
「ええ、それなら喜んで」
「・・・良いとよ」
「しかし時間がないのではありませんか」
「それなら少し時間を」するとマッチョは自らからに装着されているマイクを使ってなにやら話すと
「後一時間の延長を認められました、そして服などに隠せないように
ジャージを支給させていただくことも出来ますがいかが致しましょう」
「どうする婆、後奥さん」
「後って酷い」
「・・・すいません」
「やっぱりジャージはちょっと体型が出るから」
「笑うのってか切り替わり早」
「お主、まさか体に何か」
「・・なら脱ぎませうか」
「そこ拍手しない」
男とボーディーガードみたいなマッチョが指摘されてうなだれた
ちなみに夫はホッとしたようである
「それじゃあジャージでお願いします、みなさんもそれで良いですか」
「嫌俺は良くない」
「どうしてです最低爺」
さっきの同部屋の男が反対した
「わしは死ぬならこれが良い」
「どうしますお二人」
「「却下」」
「なにくそーー」
かくしてそれは実施された
皆誰かから殺されるキケンが経ると聞くとそれぞれ男女に直ぐに分かれて実施するのに協力的になった
「何もなかったぞ」
「シッカリ調べたのか」
「おお、男のあそこまで」
「あんたは好きでやってるんでしょうが」
「何を言う男の・・・なんて見たくも触りたくも揉みたくも嗅ぎた・・」
「聞きたくないわ」
「お主こそどうなんだ」
「同じだ」
「見たのか」
「何か問題でも」
「嫌お前女だっ・・」
さてこの時はじめてに死人以外で負傷者が出た
名前をホモ爺と言う
「どういうことだと思う」と私
「もしかしたら体内に隠してあるかも知れん」
「どうやって調べる」
「そう言えばさっき警備委員さんみたいなあの方」
「ああマッチョさんね」
「その言い方やめんか殿方に失礼だぞ」
「おっ婆さん好みか」
「ふっ、お前には分かるまいこのお淑やかなしなが」
「なにがシナだ萎びたナスが」
「はああ、やるか蒙古斑なお多福まだなガキが」
「まあまあお二人とも、つまり元を正せば私の質問まで戻ればいいのよ」
「何のことだっけ」と私
「だから警備員さん」
「ああ、マッ」口を押さえられた
「それで」口を押さえながら言う奥さん
「彼は、そんなもの誰も隠していないと言ったけどどういうことかしら」
「だとよマッ」またしてもなぜか止められた、しかも今度は婆だった噛んでやろうか
「ええ、おっしゃるとおり一応はすべてのお客様々の荷物から何やらカニまで色々と見ましたがそのようなものは一切」
「蟹まずいだろ」
「没収させて今預かってありますから」
「・・・・本当に信じていいのだな」
「ええ、航空なんかよりも厳重と言ってもよろしいかと」
「・・・・どうする」
「さあねー飯でも食ってこようかね」
「戦か」
「いや死ぬなら腹一杯」
「おいおい」
「笑えませんよ、案外未練は恐ろしいですから、あれやっとけばとか
何かあったら硫黄乃さんも何かやっておいた方が」
「そうだぞムスメ、わしと食うか」
「ああ、そうしとくか」
かくして第三の闇が近づいてきた
隣には干からびた人間と脂ののった貴婦人、そしてなぜかマッチョの黒服
果たしてなにしてんだろ
「まあお前」
「なんだ婆」
「もし犯人に殺されたときのために二人の名前でも部屋か体に書いたら良いんじゃねえか」
「それは確かに良いかもしれない」
「みんなに言いましょうか」
「だめそうだなもう時間がない、次会ったらそうしようか」
「そうしましょう」
「ああ、婆それどのテレビの案だ」
「婆テレビの案だ」
「いやなフラグだな」
「ああ」
闇に紛れた私は新月を宇宙に上っていく夢を見た
しかし途中でここは上に向かっているのか下に行っているのかそれすらもわからなくて怖くなった
(バカだな蒙古斑なガキ野郎)それがどこかしわがれた声な気がしたが誰がしゃべったのだろう
「おい大丈夫か」
目の前には白い部屋が見える
どこも同じようで微妙に違う気がする、そんな気がした
「おい聞いてんのかガキ」
「・・・婆か」
「誰が婆だ俺は爺だ」
「ああ爺かってなんだ」
「なんだはないだろう、俺をお前は殺すか」
「またそんな質問をされたよ」
「そうか俺は一度もされたことはない」
「そりゃそうだろうあんたみたいなものはいつ自然消滅して天に行くか分かったもんじゃないからな」
そいつは鼻からチューブを入れて何やら弱々しい以前に何か感じる
「あんたそれは何の病気だ」
「分からんのだよ」
「未知の病って言うものか」
そんなものがある奴がよくまあこんな良く分からない所に来たもんだ
「違うこれは実に良く分からんのだ」
「どういう症状があるんだ」
「君はこぶ弁慶って言うものを知っているか」
「確か落語の何かだった気がするが話までは覚えてはいない残念ながらな」
「嫌々その若さでそんなことを知っているだけで一計一計」
「そんなもんじゃない、テレビが無いからラジオを聴いているんだ」
「嫌々視覚がない分それは聴力を良くしさらには想像力を倍増させる効果があるはずさ」
「そういうもんかね」
「そういうことだ」
正直な話昔から好きであったがそんなことを言うと何かと珍しがられるから言わなかったがこの人なら関係なかったかも知れない
「所でそのこぶ弁慶とどんな関係性があるって言うんだ」
「その話はとある男が旅館で弁慶に由来ある土壁を食べてします、それから体の一部に弁慶が取り付いて大変変になって言う話なんですがね」
「ああ、」
「私人肉食べるんです」
「・・はあ・・っえあ、へ」
「カンバニズムです」
「・・・・・・っえ」
「あっいえいえもう私は食べれませんよ」
「食べる気だったんですか」すると奴は口を開ける、その皺の寄った丸顔
に歯と呼べる物は一本もなかった、いやそれ以前になんと奴のどの奥がなかったのだ、どういうことだ、見違いなのか
「いえいえこれは本当の話なんです、実際私が目の前にいますからこれほどの話もないでしょう」
「何でこうなったんだ、食べ物はどうやって」
男は腕を捲っていった
「みんな注射です、始めは鼻から入れようかと思っていたんですが入らない入らない最後なんかレントゲンまで撮ってようやくのどの全てが肉片で穴が穴が開いていないことが分かったときは人生の終わりを悟りましたが
・・・生きてるんです」
「・・・・」
「ねっ難病と言うかよく分からない病気でしょう」
「・・・・・・・」
「あれ怖がってます」
「どうやってしゃべっているんだ」
「・・・・・さあ私にも分からないんです」
「お前犯人じゃないんだな」
「ええ、私は殺人が好きなわけではない、ただ食べたいんです、あの血液があの血が色が、肉が脳が骨が全てが」
「引かないでもらえますか」
「私はここに一つのことを思った」
「・・・・・思ったって言うんですか面白い」
「あなた本当に落語好きですか」
「ええ、あの話が好きでなったんですから」
「・・・・嫌いでしょ」
「すきすきすき好きすき好き好きスキ好き好き好きだーーああーーーいすきです」
「そうですか」
私は今闇夜の中を歩く前に更なる闇を見た
果たして正しさとは何だろうモラル何て紙程にも無いのかそれとも無いものなのか私は気がつくと金縛りのように奴を見ていたが奴は一人私に話し続けたそれが落語でも一人でやるかのようにまたどこか面白そうな声とは裏腹に懺悔の色が見えるのは、私の救いの声なのだろうか
私は吸い込まれるように無理矢理ねじ千切られるようなまるで巨大なパン生地に押し込まれるような重圧を感じながら暗くなった闇を歩き出した