始まりのスピーチ
「あのーこれは」私は急いで鞄の中からあの目立つ黄金色のチラシを引っ張り出して運転手さんに見せると
コクリと僅かに頭を下げた
それ以上何のアクションもないので私はそのバスに乗り込んだ
中は私以外には数人いたことについて多少うなりとも安心した
バスは何の駆け声もなくスーとした感じで動き出した
「あのーこんにちは」
私は一番後ろから3列目に二人で座っている夫婦風の熟年夫婦を見た
それはその年齢にあるような強気な姿勢を見たがしかしそんなブルドックのような獰猛なのかは知らないがそんな雰囲気の二人にさえも声をかけずにはいられない状況下に私の精神はある
「あらこんにちは」表情とは裏腹にこちらを見るとぱーと何かが出そうな笑顔で奥さんがこちらに言った
「こんにちはお嬢さん」対する旦那さんだと考え思われ、それ以外なら多分兄弟とかだろうと言う感じの旦那さんも渋い声でそういった
それにしてもお嬢さんなんて私、始めて言われたぞ
「こんにちは、あの早速ですけどどうしてこちらに」
正直精神的な私の感情は何か直結していたのだそろう
そんな精神的な私のおかしな単刀直入する言葉に対しても今回のあの変なチラシかまたまた私の精神状態を心配仕てか彼女は快く
「招待状が来ましたので」と言う
果たしてあれを招待状という彼女はと思うがしかし、私のことを
(オジョウサン)と言うような夫婦からしてそんな上品な考え方があってもおかしくはないような気がした
「そうですか」私は他に言う言葉が見当たらずに彼女たちの横に座ることに落ち着く
「所でどこから乗ったんですか」
しかしいつの間にか二人は眠っていた、もちろん永遠の眠りなんてしゃれたものではない、二人は方に頭を寄り合わせて眠っていた
私も一人で眠ろうかしら
しかし眠れない
あの金色のチラシのことが少しばかり頭をぐるぐる回っているせいで
どうも落ち着きがない
あの後三、4人の人達が乗ってきがその服装は点でバラバラ
一人は銀色とは言わず灰色のスーツをビシッと決めている四角眼鏡
後の二人は何やらオカマ風のケバい格好だが年齢からしてその崩れ具合が絶妙で判断が難しい、まさか・・・嫌女と男の二人しかいないか
私はそこら辺からなんか疲れて見ているのがしんどくなってバスの座席に頭を乗せたまま眠りにでもついたようであった
「どうやら付いたみたいですよ」その声はここに来たときに聞いた婦人の声だと気が付く
「あっすいません」私は目を開け手荷物を取ろうとしたときに腕時計を見た「十二時三十分」確かあのバスに乗ったときが9時二十六分ほどだったはずだから大体3時間時間とチョットというわけか
私は手軽に詰め込んできたバックを掴んでみんなに続いた
しかしそのバスが乗り付けた場所は森の中でそこに開けた場所があり
そこにいような城みたいなもんが建っていたというわけだ
しかしその奇妙さにもしかしてセットだけで後ろは何もない張りぼてだったりして、なんて思っていたが実際には行ってみてそれが悉く崩壊させられたことは過去のことである
「さてみなさん」
卅人くらいいるだろうかその人間たちに一人ホテルのカウンターにでも
いそうな、なんかコックの帽子をダルマ落としで何個か取ったみたいな
短めのあの帽子を被った身なりのきちんとしている男が皆の真ん前にいた
「本日はお集まりいただきありがとうございます
急で申し訳ありませんが午後ろく時より大広間にて大宴会ならぬ社交パーティーの撮影を始めます、ですのでお付き頂いて直ぐで申し訳がないのですが、ただいまより女性と男性に分かれて服装を整えさせていただきます
ですので男性のみなさまは私有椅子について来てください、また女性の方だたは後ほどここに来ます、狂井がお連れいたしますのでのちほど」
そう言うと半数の男を連れてその真ん前にでかでかとある木の扉に連れて行く
「それじゃあお先に」夫さんが私たちの前から男性陣の方へ行った
「楽しみね」奥さんはそんなことを言ったが果たしてエキストラで三万円なんてあり得るのだろうか、大体楽しみとは余程世間知らずなのだろうか
こんな怪しいアルバイト
「そうですかね」
それは私たちではなく隣にいつの間にかいた婆であった
「あなたは」
「おいあんた名前って物は・・」
「これは失敬マダム、私は」
「私はマダムなんて人間じゃない、青梅って言うんだ小林青梅」
「って、勝手に喋ってるじゃないですか」
「っえ、なんか言ったかい私は耳が遠いんでね」
「「言ってません」」と大声で言う私
「あんた怒鳴るんじゃないよ鼓膜が破れるって事もしらんのかい」
「・・・・聞こえてるだろ・・ちなみに私は」
「冷静だろ冷静 硫黄乃」
「何で知ってるんですか婆」
「あんたその婆婆婆って言うのやめな」
「それはあなたの態度次第です突然脅かそうとそんな顔で私の横に」
「元からこんな顔だ戯けが」
「戯けってそれ多分死んでますよ、あなたと同様に」
「だれが死語と人間を一緒にしろと言った、大体わしが使ったから生き返っただろう」
「どっちかって言えば迷惑でしょう」
「どういう意味だ蒙古斑もありげな小娘」
「どういうことですかそれ」
「まあまあ」と奥さんがそんなことでも言いながら入ってきたとき
「えーーー長らく遅れてすいません、私女性担当、狂井とも押します
以後私を見つけたら御用でしたらお声かけをお願いしたい所存でございます」
「おもしろそうな言葉ですね」
「わしはとにかく飯さえ食えればそれで良い」
「・・シミッタレてますね」
「うっさい、・・・お前もどうせ金目宛だろう」
「お互い様ではないですか」
「ッフン」
「ッフンってッフンて」
「そこ聞いていたら遅れずについて来てください」
「はぁああい」
「あっこら婆先行くな」
「あっちょっとそんない急ぐと・・・私が追いつけませんわ」
かくして私たちは中に入った
中は長い廊下が永遠と思えるほど続いていていたり
突如巨大なシャンデリアの出現する巨大な突き抜けのホールに出たりと中々か驚かされた
最終的に厨房がある調理室の二階にその巨大にして迷子になりそうなほどの服が仕舞ってある部屋にたどり着く
「ではみなさんここでお好きなドレスをお選びください」
「いいんかい、そんなことして」
「いいんでしょう、そう言っているのだもの」
「婆に着るもんなんて無いだろう、着物無いんだし」
「わしはウエディングドレスでも着てみようかね」
「・・・正気か・・意味分かっているかウエリングドレスの」
「何がウエリングドレスじゃウエディング、そんなんじゃ後十年は無理じゃろう」大きなお世話だ
「私は先選ばしていただきます」
「変なの選ぶんじゃないぞ」
「・・・・婆こそな」
「それでは私も選ばして頂こうかと」
「そうだな、わし等が持ってきた着慣れている奴よりはこっちの方が楽しそうだ」
「ええ、悔しいですがみな良いものですし」
「あんた分かるのかい」
「ええ少し」
「そうかならわしも選んで見ようかね、、、所で着終わったらわしのを見てくれんか」
「ええ良いですけど」
「悪いね着たことがないもんで」
「そうですかでは後で」
「ああ」婦人は服の海に入って行った
後ろで
「あの大凶さん」
「すいませんお客様、私のお名前は大凶吉ではなく狂井、オレゴン・狂井
とも押しますから以後お見知り置きを」
「ああ、で大凶さん白いウエディングドレスはあるかえ」
「それはもちろんございますが今回のは」
「出せないのか」
そんな声が聞こえたような気がするが私は服の海にダイブしたまま
まさにムーンサルトしていたところで自己の中、聞こえなくなった
「お嬢様お綺麗で」
「何を言っているの御婆様こそ」
「そう言うお二人どちらも見目麗しいことで」そう言うのはあの奥さんの夫の人だった
「そう言えばすいませんお名前」
「ああ、これはすいません、私達は」それを聞こうとしたとき広いホールにマイクの声が響いた
「それではただいまより殺し合いゲームを始めたいと思います」
それは一瞬にして今まで騒いだ物を徐々に確実に殺して
ホールはそのあと一気に騒ぎ始めた
「どうせ嘘だろ・・大体これは映画って言って俺たち来たんだから」
「・・・そうよね、そうねんでしょ」
「みなさま聞こえましたか今から、コ・ロ・シ・ア・イ、ゲームを始めさせていただきます」そう言って何の悪ふざけか狂井とか言う女がごちそうさまの格好をした
「おいどう言うことだよ」
「それよりはやく飯食っといた方が良いよ」
「何やってんだよばばあ」
「そうですよ叔母様、こんな時に」
「何言ってやがる、こう言うときだからこそ食うんだ」
「気でも狂ったかそれとも食い意地が」
「戦いを始めるにはまず腹を満たさにゃならん、腹が空いては戦はできん」
「いつの時代だよ」
「私もそうしようかしら」
「おいお前また倒れるぞ、この前も医者に止められるのにあんなに油っぽい物ばかり食うから」
「いえ戦でじゅがら・・もうもぎゅもぐもぎゅごっくん」
「はぁあー」と夫の声