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白銀に踊る ~四人の聖女達は愛に貪欲に生きることにした~【第1部連載中】  作者: tamn
第1部 落とされた四人の聖女達 三章 黄金は真を覗く
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10 おいていかれたくなくって

 あれからというもの毎日の勉強に加えて、伊織は祈りの間で祈ることを始めてもう数日が過ぎた。

 昼間の肌寒さは、いつの間にか肌を突き刺すような寒さに変わり、気づけば空からチラチラと白い雪が降り始めていた。

 たった数日でここまで変わるのかと驚きつつ、その知らせに伊織は座っていた椅子から飛び跳ねるように立ち上がった。


「癒したの?! 奈緒が?!」

「ああ、だからそう言っただろ」


 いつものように息抜きと称して執務室から抜けだしてきたヴィンセトが伊織につい先ほどあった報告を教えてくれた。

 クレアが入れてくれたお茶を飲みつつ、ゆったりとしている所を見るに、話としてはそれだけのようだった。

 伊織は落ち着くためにまた椅子に座って、ぬるくなった紅茶を一口だけ飲んだ。


「……それで……えっと」

「容態は安定している。とは言え、倒られる前のような状態にまでは回復はしていない。こればかりは仕方がないだろう。また明日も奈緒が王城へ赴くそうだ」


 奈緒は何か迷いを抱いていたのを伊織は知っている。そしてあの色はどこか恐怖にも似ていた。

 けど、伊織は黙っていた。余計な一言だと思ったから。

 そして事実、奈緒は伊織からの言葉なんてなくても力を使った。

 また開発局へと赴いていたが、きっとそこで何かを得たのかもしれなかった。

 そう言えば今朝、奈緒の顔つきはどこか真剣みが強く、真咲と顔を寄せ合ってどうしたのだろうかと話をしたばかりだったが、まさかこれだったとは思いもよらなかった。

 奈緒が進んだ。やり遂げた。

 伊織はそれを知り、緩みそうになる口元を隠すことが出来なかった。


「奈緒はもうすでに戻っている。行ってきたらどうだ」

「良いの? あ、その」


 喜びで椅子から立ち上がりかけた伊織は、中途半端な姿勢のまま勉強を教えていたクラウスに振り返れば、手に持っていた本をすでに閉じていた。


「今日はここまでにしましょう」

「ありがと! あ、奈緒って今どこかな?」

『自室ではないでしょうか?』

「さすがヨル!」


 今度こそ飛び跳ねるように立ち上がった伊織は慌てて本を閉じたり、飲みかけの紅茶を飲み干し、ヴィンセントをそのままにクレアを連れてさっさと出て行った。

 一気に静まり返った部屋に残された二人は僅かに開いたままの扉を見たまま、ヴィンセントは大きく息を吐きだした。


「あいつ馬鹿だろ。自分の自室にいる男をそのまま放置して出て行ったぞ」

「行けとおっしゃったではありませんか」

「ああ。だから出て行けと言われるかと思ったんだがな」


 ヴィンセントはようやく立ち上がり、ぐっと背筋を伸ばした。


「さて、仕事に戻るか」

「そうしてください」

「……お前……。ああ、いや、何でもない」

「父に似てきたとでも思いましたか」

「さすがに察したか」

「今のでおおよそ分かりましたよ」


 クラウスはエドヴィンがよく浮かべる険しい表情を浮かべ、目元を抑えた。


「早くお戻りください。さすがに聖女の部屋にいつまでも居座られるのはどうかと思いますよ」

「ああ、そうしよう」


 くつくつと笑ったヴィンセントは軽く手を振り、伊織の自室を後にした。



 別に駆けなくたって奈緒の自室はすぐ近くにあった。

 けれども今はいち早くに奈緒に会いたかった。

 すぐに見えた扉。中から聞こえる奈緒達の声。とても疲れたような声色が聞こえるが、そんなもの伊織は知ったことではなかった。

 伊織はノックをしてすぐ、中からの応答を待たずに扉を開けた。


「奈緒、お疲れ!」

「伊織、ちゃんと返事を待ってから開けなさい!」


 開けた途端、疲れた色を見せる奈緒から怒られたが伊織はいつもの奈緒の姿が見れたことでより大きな笑顔を浮かべたのであった。



 -*-*-*-*-*-*-*-*-*-



 体を温めてくれる香辛料が入った紅茶と共に、甘い甘い焼き菓子達。


「私のことを思うなら休ませなさいよ」


 疲れた色をにじませる奈緒は焼き菓子を一つつまんだ。


「大丈夫よ、後で休めるから。あ、これもらった小物よ」

「城下町へ行くたびに何か貰ってきてない?」

「何の小物?」


 話を聞いたらしく急いで城下町から戻って来た真咲も加えて、奈緒の部屋でお茶会を開く運びとなった。もちろん奈緒は拒否をしていたが真咲が加わったことで押し通した。

 もちろん騎士達は全員部屋の外。室内のいるのは伊織達の他、自分達の侍女に小動物達のみだ。

 真咲は話ながら戻ってくる前に貰ったのだろう、テーブルの上に石細工で出来た小さな置物を置いた。乳白色の石を削って作られたようだが、それは丸いものに巻き付く蔦のように見えた。しかしよくよくと見れば、一番上のほうに黄色の小さな種粒ほどの石がはめ込まれていた。


「……もしかしてこれ、ヨル?」

「そうよ。ほら、最近祈りの間で祈ってるんでしょ。ちょうどそこにいたっていう職人がお供え用ってことで作ったのよ」

「お供え用をもらって何しているのよ」

「だって差し出されたんだもの。ちゃんともらっていいのかって聞いたから大丈夫!」


 奈緒が無言で伊織に視線を向けた。伊織は笑顔で応えた。嘘ではない、おそらく。


「今のは分かった。嘘じゃないんだから」

「そうね、疑ってごめんなさいね。そうよね、真咲はとても素直だものね。うっかりしてたわ」

「……それ、褒めてる?」

「ええ、褒めてるわ」


 納得がいかない様子の真咲に、奈緒はだらしなく椅子に大きく寄りかかり、両手で顔を覆った。


「王城嫌い」

「伊織。奈緒ヤバい?」

「だいぶ疲れてるみたい。ヨル触る?」

「ディーヴァ触る?」

「さわるぅ」


 すでに奈緒の膝にいるメルに加えて、伊織から手渡しにヨルを受け取り、ディーヴァが器用に奈緒の肩に飛び移った。


『疲れちゃったわねぇ』

『ねぇ、ちょっと。大丈夫なの?』

『ど、どうしましょう……?』

「しばらく触らしてもらえると嬉しいわ」


 遠い目をしている奈緒にさらに身を寄せる小動物達。にじみ出ている疲労感に伊織と真咲は即座に頷いた。


「……もうね、聞いてよ。本当に大変だったっていうか」

「何が大変だったのよ。大方、あの王子様の話でしょ」


 奈緒の大変だったという大本の原因はランスロットだろうと真咲が決めつけるように相槌を打てば、その通りだと何度も首を上下した。


「そうよ。あのクソ王子、婚約者がいたのよ」


 そして突然、奈緒からの爆弾に伊織と真咲は一瞬理解が追いつけないでいた。

 婚約者。誰の。あのクソ王子の。

 一呼吸置いた後、真咲が恐る恐る問いかけた。


「そ、それなのに、奈緒に言い寄ってたの?」

「そうよ」

「そ、それで?」

「少しだけ彼女と話はしたわ。大丈夫、喧嘩はしていないし、後でちゃんと話すつもりだから」


 おー、と伊織と真咲は二人して小さく拍手を送った。

 ある意味奈緒にとっては触れてはいけない話題だ。ここに落ちる前、婚約関係だった相手が奈緒の友達と浮気関係にあり、そして別れた。奈緒はまさに、その女友達と同じ立場になりかけたと言うわけだ。

 それは良くないし、あれほど疲労感を毎日滲ませていた理由がよく分かってしまった。しかし不思議なのは、そこに怒りの色が無かったという点だ。

 どうしてなのかと気になった伊織だが、この手の話は全く分からないし、触れてはいけないものに触れてしまいそうで下手に聞くことが出来ないでいた。しかもその相手と仲良くなっただなんて、一体何があったのだろうかと伊織が悶々としていると奈緒は気づいたように小さく苦笑を漏らした。


「あの子、良い子だったわ。しかも可愛いし、なんかこう……守ってあげたくなるタイプって言えばいいのかしら。あのクソ王子には勿体ないくらい」

「へぇ、ちょっと会ってみたいかも」

「いつになるかしらね」

「貴族よね? たぶん」

「そうよ」


 真咲と奈緒の会話を聞いて、伊織はなるほどと内心頷いた。

 中庭で信徒達と会っていたころはそこまで気にも留めなかったが、祈りの間で祈るようになってから妙に貴族の姿を見ないことには疑問を抱いていた。全く見ていないわけではないし、平民の方が数が多いのは当たり前だがそれでも貴族らしき信徒の姿を見るのは稀だった。

 後でヴィンセントに聞こうと思い、伊織はその疑問を胸の内にしまい込み、続く二人の会話に耳を傾けた。


「けど、まだあのクソ王子と何度も会わなきゃいけないのよね」

「べつに王様を癒しに行くだけなんでしょ?」

「その他にもあるのよ。ほら、紅星の間で話が出たじゃない。特定の植物を植えることで出来る魔術」


 メルヴェアータとユフィアータが人間に守る為に授けたとされる優しい魔術だったはずが、大きく変化し、しかし衰退していってしまったとされる魔術だ。

 静が監禁されていた屋敷の庭園にそれが施されていたが壊されてしまっ誰がために、結局どんなものだったかは未だに不明だ。

 特定の植物、特定の配置により完成されるが全体を見なければその意味が分からないなんて、魔術に関して深い知識を持っていなければ分からない厄介な魔術なのだと、伊織は勉強したおかげでそこまでは理解することが出来た。

 奈緒が二杯目の紅茶を飲み、ひじ掛けに寄りかかった。


「今、それを調べてるのよ。だから頑張ってくれているのはメルなのだけど、時代の変化とかでだいぶ姿かたちが変わっているらしくって」

『ええ、そうなのよぉ。並びと種類でなんとなくは分かるのだけど、どれもなんとなくでしか分からないから大変なのよねぇ』

「後は開発局でしょ? あ、その。事後報告になるのだけど、日本のこと話しちゃったのよ。とくに技術面のことで」

「別に良いと思うよ?」

「良いんじゃないの?」


 何故か申し訳なさそうに話したことを告げる奈緒に、伊織と真咲は何故そんな反応をするのかとそろって首を傾げた。

 便利になることは良いことだ。だからそうおかしいことではないし、伊織に至っては日本の国の神話を少しばかりヴィンセントに話をしたが、奈緒が申し訳なさそうにする意味合いはまた異なるかもしれなかった。

 二人の反応を前に、奈緒は何かを説明しようとしたが止めて軽く額を押さえた。


「けどここって異世界でしょう? だからあんまり変なことを言うのもって、ちょっと思ったんだけど……。ああ、でも、相手はユアンだから平気ね。たぶん」


 しかしすぐに相手はユアンだからというよく分からない理由で自己完結し、奈緒はこれまた甘そうな焼き菓子をぺろりと一口で食べた。


「そういえば伊織は今、何してるの?」


 さらにもう一つと手を伸ばしかけた奈緒は先ほどから黙って聞いていた伊織に視線を向けてきた。

 伊織は内心少しばかり驚いたがいつものような笑顔を浮かべた。


「お勉強に、祈りの間に行ってお祈りしてるよ」

「他の事よ。いい加減に話をしてくれても良いんじゃないの?」


 自身も忙しいというのに、伊織のことをちゃんと気にかけていたらしい。伊織はこぼれそうになる笑みを誤魔化すように真咲に話題を向けた。


「じゃあ、真咲は?」

「じゃあって。知っての通り、孤児院に行ったり城下町に行ったりしているわよ。後は歌教えてるわ」

「そうなの?」

「ええ。けど、歌は翻訳されないから音を頼りに歌っているような感じね。結構面白いわよ」


 歌えるようになってから、真咲は積極的に信徒達に歌を歌っているらしいが、さらに歌を教えているとは知らなかった。

 奈緒も初めて聞いたらしく、同じように驚いた顔を見せていた。


「さ、話したわよ」

「えー」

「何がえー、よ」


 そしてすぐに話題を真咲から返された伊織は不満いっぱいの声をあげつつも、逃がしてはくれない空気に押され、少しだけ話すことにした。


「……えっとねー。いろんなものがよく見えるようになったんだけど」

「もっと?」

「そう、もっと」


 より多く。より鮮明に。


「地下の書庫室には幽霊がいるのはもちろんだけど、けっこうここに幽霊とかいっぱいいるよ」


 奈緒はそっと顔を両手で覆い、真咲はぐっと顔をしかめた。そして二人の侍女は嘘でしょ、と問うようにクレアに視線を向けていた。


「……私、もう書庫室にいけない」

「あたしも」

「何もしないよ? 後ね、祈りの間がある中庭にリディアータの眷属がいたよ」


 続けて伊織が言えば、真咲がわずかに目を丸くした。


「中庭にって……いつ見つけたの? 昼間……にしても、あんなに人が多いのによく見つけたわね」

「実は夜中にこっそり行ってたの」

「あたしも誘いなさいよー」


 ありありと楽しそうだからという言葉が見え隠れしているが、二人の手を借りたくない伊織にとって無理な話だった。

 と、奈緒が深く息を吐きだした。


「……夜中、どこかに行っているのは気づいてたけど……そこに行ってたのね」

「うん。二回だけなんだけど」


 驚きが見えないところを見るに、どちらとも奈緒は気づいていたらしい。それでも黙っていてくれたのはありがたいことだった。


「他には何か見つけたりした?」

「うん」

「あら、素直。はぐらかされるかと思ったわ」

「疲れてる奈緒にそんなことしないよー」

「疲れてなくても同じ感じには話してくれるんでしょ」

「ちょっとだけね」


 奈緒は隠していた伊織を責めるようなことはせず、穏やかに会話を続けてくれた。

 もちろん自身の疲労のせいもあるだろうが、どことなく伊織を見る目が最初とはずいぶんと変わっているような気がした。

 それがどんな感情によるものなのか、伊織の瞳から通してみても姿かたちはどうもぼやけていて良くは見えなかった。


「全部は教えてくれないのね」

「うん、まだ途中だから。だからちゃんと見つけるまで待ってて」

「……ええ、分かったわ」


 納得はしていない。けどもどうにか理解をしようとしてくれていた。

 あえて黙って聞いてくれていた真咲もまた何も言わず、その時が来るのを待ってくれるようだった。

 無言の優しさが伊織を包み込もうとし、そして急かしてくる。早くしろ、と。もちろん二人はそんなつもりではないのは分かるし、伊織が勝手に感じてしまっていることだから二人に対して反発する気持ちなんてものはない。ただ勝手に焦りそうになっているだけなのだ。

 伊織はその焦りを押し込め、話題を変えるようにすっかり話しそびれていたあの事を口に出した。


「あ、そういえば聞いた? 静のこと」

「ええ、聞いたわ。真咲は?」

「あたしも聞いたわよ。とりあえずは一安心、って感じね」


 話しぶりからそれぞれ個々に静のことを聞いたらしい。ロビンがわざわざ一人ずつ会いに行って話をしたのか、それとも人伝に聞いたのかは不明だけれども。


「南ってことは、雪はまだ降っていないのかしら?」

「降ってないといいのだけど。さすがにここまで寒いとは思わなかったわ」


 真咲が温かな紅茶を飲みながら、硝子一枚隔てた白い景色を見る。追うように奈緒も視線を向け、外の寒さを思い出したようで顔をしかめた。

 大神殿の中、全てとは言わないが魔術により全体的にほのかに温かな空気が包み込んでくれているが、一歩外に出た瞬間、骨の髄まで凍えるような寒さが襲ってくる。

 音もなく白が今朝からずっと降り続いている。

 幻想的な、しかし天上を覆う薄暗い雲がどうも気持ちを沈ませてきていた。

 三人は無言で外の景色を眺めていれば、ぽつり、と奈緒が言葉をこぼした。


「……聞かないのね。二人とも」

「力のこと? だって伊織が聞かないもの」

「聞いて欲しくなさそうだったから」


 本当の目的はその力についてだった。

 けれども奈緒の様子を見るに、今は聞かない方が良いと伊織は判断した。真咲もまた、伊織が聞かない様子を見て、同じように判断してくれたようだった。

 奈緒は視線を窓の外に向けたまま、小さく息をついた。


「……ただ単に、私が怖がっていたっていうだけなのだけども」

「そうだったの?」

「そうよ。けど、今はもう怖くなくなったから力を使ったの」

「良かった……って言ってもいいの? これ」

「良かったのよ、もちろん。王様を癒せたんだもの」


 中でも奈緒は伊織のこの黄金の瞳があっても隠すのが一番うまい。すぐに奥底にしまい込んで、別の何かをわざと見せてくる。

 けど本来は見えなくて良いものだから、伊織は見えなかったということに対しては何も思う所はない。

 ただ少し、もし奈緒が怖かったことが見えていたら、何か出来たことがあったのではと思ってしまった。

 窓から視線を外し、ようやく伊織と真咲に視線を向けた奈緒は穏やかな笑顔を浮かべていた。だから思ってしまったぐらいで丁度よかったのだと、伊織はそう言い聞かせた。


「明日も行ってくるわ。初めて使ったせいで実はちゃんと癒せてなかったのよ」

「へぇ。どんな感じで使ったの?」

「手をかざして、後は念じるだけよ。治れぇって」


 両手を広げ、かざす仕草をした奈緒に真咲は小さく笑った。


「何その気合」

「気合は必要よ」

「まるで静みたいじゃない」

「ふふっ、そうね」


 何事も気合で解決しようとする静がこの場にいたら、不服だと言わんばかりに顔をしかめるだろうか。もしくは大事だと力説するだろうか。

 どちらにせよ、奈緒がこうして力を使えるようになったのだから、万が一があってもきっと大丈夫なような気がした。


「じゃあ今度、静が何かやったら奈緒が治せるね」

「その前にルイスが治すでしょ」

「あ、そっか」


 奈緒に言われ、伊織はすぐに思い直した。

 何せ静の側にいるのはあのルイスだ。きっと誰にも渡さずに自分で解決したがるだろうし、静はきっと好きにさせるはずだ。

 ああ、静に会いたい。会って、話をしたい。

 そのために、どうかして祈りの間の地下にある違和感の正体を暴かねばならない。

 伊織はようやく疲労が解かれ始めた奈緒と、少し眠たげな真咲に黄金の瞳を向け、それこそ気合を入れなおした。

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