06 知るために話をしたい
現在、地下の書庫へと行くための長い階段は立ち入りを禁止にして補修中だ。想像していたよりもだいぶ傷んでいる箇所が多かったことでなかなかに大がかりな工事をしているらしい。
あの頭蓋骨は大神殿が運営している共同墓地に埋葬されたと言う。
場所は城下町から外れた場所らしいが、墓守が数人常駐しており、綺麗に整備されている場所らしい。
「いたー!」
そして伊織は今、大神殿の庭で久しぶりに虫取りをしていた。
なんでも庭師が珍しい虫を目撃したとか。
それは是非とも見てみたいし、日ごろの勉強のストレス発散というわけで元気よく庭で虫を探していたところ、お目当ての虫を見つけて伊織は躊躇することなくガシリと掴んだ。
「あら、本当に珍しい。伊織様、それを他の人に渡してはいけませんよ?」
「そうなの?」
「ええ、毒を持っていますから」
隣にいたアイヴィがなんてことなく言いながら、持ってきていたビンを差し出す。伊織は逃がさないように両手に持ち変え、ビンの中に落とせばすかさずにアイヴィがふたを閉めた。蓋はコルクだが、ちゃんと呼吸が出来るように透明の細い管が二本刺さっている。
確かに黄色に赤と派手な色合いをしている虫だ。姿かたちはカミキリムシに似ているかもしれないし、両手で包み込むようにもっていたからか、両手には何かの土の他に何かの液が付着していた。
「それが毒です」
「伊織様、こちらで手を洗ってください」
「ありがと、クラウス」
後ろに控えていたクラウスが片手に水球を浮かせていた。伊織は両手を迷わず差し出せば、上から水を流されあっという間に土も液も流されていった。
すかさずに少し離れていたクレアが伊織の両手の水分をハンカチで拭いてくれた。
「クレアもありがと」
「いえ」
クレアは短く返事をすると、そっと半歩後ろに下がってしまった。その原因と言えばやはり、アイヴィが手に持っている虫のせいだろう。
「念のために用意しましたが、まさかこれが見つかるとは……」
しげしげとアイヴィが見つめる虫は元気よく逃げようとして数度羽ばたいている。その度にクレアが表に出さないようにしつつも驚いている色が浮き出ていた。
「それって珍しい虫なの?」
「ええ、はい。特別珍しいものではなく、時折この辺りでも目撃されますが、基本は山岳地域に生息している虫です。寒さに比較的強く、なかなか生存能力が高い上に厄介な毒を持っている虫です」
「毒ってどんな?」
「幻覚作用があり、これ一匹で命を奪える程度の猛毒です。対処方法としましては先ほどのようにすぐに流水で体液を洗浄。間違って接種した場合はすぐに解毒をしなければ間に合いません」
「そんな虫がこんな場所に? なんで?」
「行商人や、この時期ですと陛下がお戻りになられたときの荷物に紛れていたかもしれませんね。結構よくあることなんですよ。それに、この虫って結構高く売れるんです」
ふふ、とアイヴィが美しい微笑みを浮かべた。
「……高く?」
「ええ、高く」
伊織はクラウスへ振り返り見る。クラウスは複雑な表情を浮かべつつも小さく頷いた。
「漆黒か青藍に売れば、そこそこ良い金になります」
「あら、知っていたのね」
「遠征で何度か荷物に紛れたことがあったんだ。その時に話を聞いて売ったことがある……が、それを捕まえようと躍起になって、毒に苦しむ者が何人出たか……」
「毎年いるのよねぇ」
その時のことを思い出したのか頭を抱えるクラウスは呆れて深く息を吐きだした。恒例となっているであろう出来事にアイヴィは苦笑をこぼしつつ、さりげなくビンを腰のベルトから提げていた。
「アイヴィ、それどうするの?」
「ちょうど欲しかった毒でしたので、ついでに頂こうかと思いまして。よろしいですか、伊織様」
「ほ、欲しかったの……?」
「ええ。ご安心ください。伊織様をお守りするために使ういますので」
「そ、そっかぁ。それならあげるね」
「ありがとうございます」
それは仕方がない。有効活用してもらおう。
さすがの伊織も少しばかり口元が引きつってしまったが、護衛の為に使われるとあれば遠慮なく使ってもらった方が良いに決まっている。
とても嬉しかったのかアイヴィの色合いがふわりと白く瞬き、美麗な微笑みと相まってそれは目が奪われそうになる程に美しい姿だった。
「どうかいたしましたか? 伊織様」
「……その、アイヴィって……えっと。聞いていいのか分からないんだけど」
「どうぞご遠慮なく」
「なんていうか、女の人っぽいというか。その! 全然、好きなんだけど!」
「まぁ、嬉しいことを」
口元を手で軽く隠しながらアイヴィは青い瞳を細めて、これまた美しい微笑みを見せた。
「趣味です」
「……趣味?」
まさかの言葉に伊織は思わず聞き返してしまった。しかもたった一言、趣味であると美しい微笑みと共に断言された。
「私にとても似合いますので」
「わぁ、すごい。うん、とっても似合ってる」
「ありがとうございます」
上機嫌になっているアイヴィが眩しい。比喩ではなく、本当に伊織の瞳に映った姿はとても美しい上に眩しかった。
しかしその眩しさは、クラウスの言葉ですぐに収まった。
「伊織様。そいつは毒物にかなり詳しいのはもちろんですが、笑顔で敵を追い詰める奴ですよ」
「あら、一体誰からそんなものを聞いたのかしら?」
「深紅でもお前の名前ぐらいは聞こえてくるんだ」
「おかしいわね。ちゃんとお願いしておいたのに」
とても触れてはいけない何かが見えそうになった伊織は、首をかしげるアイヴィからクラウスへと視線を向けた。何か縄のような、糸のようなものが見えたのがきっと錯覚だ。
「ク、クラウスは、えっと、いろんなところ行ってるの? 遠征とか言っていたけど」
「はい。とくに僕は魔術も深紅の中でも比較的には使える方なので、他の奴らに比べたら遠征に行かされる数は多い方ですね。それこそ北部の山岳部から、南部の平地等々。魔物や賊の相手をしてきました」
「魔物って見たことがないんだけど、すごく強いの?」
魔術なんてものがあるのだから魔物だって当然いる。それこそきっとドラゴンなんてものもいたりするはずだ。湧いてくる好奇心が抑えきれずにさらに問えば、クラウスはぐっと眉間に皺を寄せた。
「ここは守られているため魔物の侵入はありません。強さは様々ですが、北部の魔物を相手にするのは骨が折れますね」
「北部の魔物って、スライムのことでしょう?」
「ああ、そうだ。あれが面倒すぎる」
ドラゴンと言ったような見た目からも強そうな魔物ではなく、まさかのスライムが面倒ときて伊織は小さく首を傾げた。
「そうなの?」
「ええ、はい。奴らは非常に手間と言いますか……。本当に面倒で」
「私も相手にしたくはないわ」
「そ、そんなに強いの?」
そうだ、世界が違うのだから魔物の強さだって違うかもしれない。とはいえまさか、と思いながら聞けば、クラウスはゆるりと首を横に振った。
「いえ、弱いです。弱いのですが……、奴らは雪の下に穴を掘って落ちてくる獲物を待っているんです。穴もそこそこ深いので一人で落ちたら悲惨でしかありません。溶けます」
「そうなんですよ。ですから積雪した時は必ず二人一組で行動をし、対スライム用の魔具を必ず携帯しないといけないんです」
それはなんて恐ろしい落し穴であろうか。
一言、溶けると言ったクラウスの絶望感が満ちていた色合いも、アイヴィのどんよりとした曇り空のような色合いも、事実を語るよりも強く物語っていた。
ちらりと一緒に聞いていたクレアの様子を見ると、何故か妙に深く納得している様子を見せていた。
「……クレアは知っているの?」
「はい。実は私、北部の出身でして。出稼ぎでこちらに来ているんです」
「そうなんだ。すごいね、出稼ぎだなんて」
「いえ。よくあることですし、こうして伊織様の侍女としていられるので、これ以上なく光栄なことです」
若草のような青々とした緑の瞳の輝かせ、クレアはまごう事なく本心を教えてくれた。
目の前にいる三人は、伊織に仕える者として側にいてくれている。
この黄金の瞳を目の前にしても、部屋に閉じこもってしまった時でさえも、見限らずに一心に忠義を向けてくれていた。
信じられている。信じてくれている。伊織の全てを。
何故、どうして。こんな余所者に。
伊織はそんな言葉を向けてしまい衝動にかられ、頭の中に静の姿が浮かんだ。
静ならば、どうしただろうか。なんて。
首に巻き付いているヨルが伊織の黄金の瞳をのぞき込んだ。どうしかのか、と問うように。
ヨルの黄金の瞳を見つめ返し、伊織はそうだ、と思い出した。
そういえば三人の事をあまり知らなかった。だからもっとお話しをしようと、あの時に決めたのだ。
「……伊織様?」
クレアが黙ってしまった伊織を呼ぶ。
伊織は応えるようにぱっと笑顔を浮かべた。
「あのね? その、もっと三人の話を聞きたいなぁ……って思ったんだけど、駄目かな?」
クラウスが抱える苦悩について問うことはしない。アイヴィがひた隠そうとしているものに触れるつもりはない。クレアが必死に蓋をしようとしている箱を開けるつもりはない。
ただそれ以外を知りたくて。好きなものとか、嫌いなものとか、そう言ったことが知りたくて。
そう言えば孤児院へ初めて行った時、小さい少女に似たようなことを話したことを思い出し、結局のところ自分自身は言うだけいって実行をしていなかったことに今更ながら気づいた。
真咲に知られてしまったら怒られてしまいそうだ。
目の前の三人はそれぞれ顔を見合わせ、ほぼ同時に顔を綻ばせた。
「いえ、そのようなことは全く」
「お話ですか……。漆黒のことはあまり話せないので、それ以外になるかと思いますが」
「それではお茶をご用意いたしますね」
「あ、クレア。四人分ね、四人分! 一緒に座ってお話したい!」
まさか三人共、立ったまま話をするつもりだったのではないだろうか。いや、素で驚いているところを見る限り本当にそのつもりだったらしい。
「ふふっ……、伊織様にそのように願われてしまってはねぇ?」
「……承知しました」
「わ、分かりましたっ」
伊織がどうしようかと段々と焦り顔になってしまうのを目の前にしたアイヴィ、クラウスは二人して肩をすくませ、クレアは慌てて嬉しい返事をくれたのだった。
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「何面白そうなことをしているんだ。俺も混ぜろ」
「部外者は立ち入り禁止でーす」
「聖女様にそのように言われてしまってはなぁ」
クレアが四人分のお茶とお菓子を用意してくれ、一つのテーブルを囲うように座って談笑をしている時間は中々にあっという間に時間が過ぎ去ろうとしていた。
想像していたよりも早くに時間が過ぎ去っていることに気づけたのは、途中にどこから話を聞きつけたのか、ヴィンセントが無遠慮に談話している最中に入ってきたからだ。
突然の来訪者に三人が一斉に立ち上がる中、伊織はわざとらしく文句を言う。ヴィンセントは小さく肩を揺らしながら笑い、伊織が座る椅子の背もたれに身体を寄せた。
「嘘だよー。また仕事から逃げてきたの?」
「息抜きは必要だろう? 当然やることはやっているんだ、文句は言わせんさ。ああ、すまんな」
ヴィンセントが話をしている最中、クラウスが椅子を差し出し、クレアが慌ててもう一人分の茶の用意に奔走をし始めようとしていた。
「茶はいらん。すぐに戻る」
「そうなの?」
「ああ、本当にただの息抜きだからな」
「けどクレアのお茶、おいしいよ? お菓子もいる?」
「そうか。それなら頂くとしよう」
いつになくあの輝きがずいぶんと点滅し、かつ足元を照らす程度の小さなものになっている姿を黄金の瞳が映しているのだ。何が何でも一息どころかしっかりと休憩をしてもらわなければならない。
それと今日もいつものように胃痛に悩まされているらしい。
何故こうなってまで大神官となったのか伊織は不思議に思うのと同時、つい思ってしまったことがある。
「なんだ、伊織」
「えっと、……ヴィンセントって、その……」
「良いぞ、はっきりと言ってくれ」
「大神官に向いてないよね」
ずばっとまっすぐに言ってしまった伊織に周囲はぴしり、と動きを止めてしまった。対してヴィンセントと言えば特にこれと言った反応は見せなった。
「ああ、自覚はしている。だが出来てしまうから困るところではあるんだがな」
「そっかぁ」
「それに目的もあったからな。別に大神官になる以外の方法もあったんだが、これが一番手っ取り早かった」
「目的?」
「さすがに聖女様相手とはいえ、これ以上は言えんな」
くつくつと笑うヴィンセントは伊織と、そして他三人の面々を見て、ゆるりと琥珀を細めた。
「それで何の話していたんだ」
「三人のお話聞いてたの」
「ああ、なるほどな。面白い話でも聞いたか?」
普段よりも今日は一段と穏やかな色に見え、伊織は不思議だなぁと呑気に眺めてしまいそうになる。きっと、とても疲れてしまったのだろうと決めつけた後、どこまで話をして良いのかとつい、アイヴィに助けを求めるように視線を向けてしまった。
アイヴィはふふ、と美しい微笑みで応えた。
「つまらないお話ですよ。今は漆黒の騎士としてこのように振る舞わせていただいていますが、騎士になる前は下町で少々様々な女性相手に合法な手段で日銭を稼いでいたとお話をしたばかりで」
「日銭? お前、平民だったか」
「はい。作法等は全て騎士になってから身につけたものです」
「素晴らしいな。だが、合法とはいえ女相手に稼いでいたとは。後ろから刺されんかっただろうな?」
「未遂ですが数度。あの時の私は若気の至りというものもありましたが、良い経験になりました」
「そうか。深くは聞かんでおこう」
今の姿からは想像が到底できないことをやっていただなんて、誰が想像がつくだろうか。
ヴィンセントはただただ美しい微笑みを浮かべるだけのアイヴィから視線をそらし、ちょうどよく目の前に置かれた淹れられたばかりの紅茶へ視線を向けた。
「名は……確か、クレアと言ったか。確か北の出身、だったか?」
「ご、ご存じだったのですか……?」
「聖女に付く侍女なんだ。ある程度のことは目を通すに決まっているだろう?」
当然のように話すが、ただ目を通しただけでその全てを覚えるなんてことは伊織には出来ない。それこそ奈緒は出来るだろうが、まさか出身地まで把握しているとは思うはずがない。
「大したことではない。あちらは変わらず、と言ったところか」
「……その、はい。しかし、平穏に暮らせておりますので」
「そうか。それなら、まだ力不足ということか」
「だ、大神官様?!」
「良い、気にするな。こちらの話だ」
ひらひらと片手を振り、紅茶で喉を潤したヴィンセントは直立し控えているクラウスに何故か呆れた視線を向けた。
「さて、クラウス」
「父との話であれば触れないで頂きたく」
「いや、触れるが? 何なんだお前ら。面倒だ」
ヴィンセントは皿に盛られた小さな焼き菓子を一つつまみ、一口で口の中に放り込んだ。マナーも何もない食べ方に、クラウスの表情がわずかに険しいものになった。
「……父が、何か」
「むしろ俺への小言が増えた。お前に余計なことを振っていないかと一々確認してくる。どうにかしろ」
「事実では?」
「お前、エドヴィンよりもずいぶんとはっきりと言うな」
「僕は伊織様の騎士ですので」
相手が大神官であっても、物怖じしない態度にヴィンセントは琥珀の目を丸くしたが、すぐにくつくつと笑みをこぼした。
「良いな。欲しくなった」
「それについては謹んで辞退させていただきたく」
「ただの冗談だ。それに、これ以上うるさいのが増えたらたまらん」
もう一つ焼き菓子をつまみ、一口で咀嚼した後に紅茶で流し込んだヴィンセントは何か思考を巡らせているのか、くるりと瞳を回す。
これはヴィンセントの癖なのだろうと伊織は勝手にそう認識をしている。
それでも深く考えているときではなく、本当に一瞬だけ思考を巡らせている時だけに見せる仕草だった。
口がわずかに動き、しかしすぐに閉じられた。
そしてすぐに視線は伊織に向けられた。
「ところで伊織」
「何?」
「次の祈りの間の調査はいつ行うんだ?」
何かを言いかけた代わりに、ヴィンセントからそのような問いを向けられた伊織は少しばかり反応に遅れた。
「まさかだけど……ヴィンセントも来るの?」
「当然だが? 一々報告をするよりも楽だと思うがな」
ヴィンセントの言うとおり、報告する手間を考えたらその場にいたほうが早いに決まっている。しかし本心はただの好奇心であることを伊織はしっかり見抜いていた。
「ほ、ほら。安全とか考えたら」
「そのあたりの賊程度なら俺が勝つが?」
「よ、夜とか遅いし」
「伊織も同じだろう?」
さらに言ってしまえば、ヴィンセントは見抜かれていることが分かっていてやっているのだ。なんて質の悪い相手か。
助けを求めようと控えている三人に視線を向けるが、何故か視線が合わない。それならばと白蛇に触れようとしたが、気づいた時には背中と椅子の間に入り込んでしまっていた。
伊織はここでようやく助けがないことを悟った。
「い、いつでも!」
やけくそのように言えば、ヴィンセントの笑みがより深まった。とても悪い笑みだった。
「よし、今夜にするか。クラウス、後でエドヴィンを寄越すからそこで時間を決めろ」
「承知いたしました」
ヴィンセントに名指しされたクラウスは、眉間の皺を僅かに深くしつつも一言返す。その反応がさらに面白いと言わんばかりにくつくつとまた笑みをこぼしながらヴィンセントは椅子から腰を上げた。
「では、また今夜」
そして部屋を出る直前に一言だけ残し、まるで嵐が過ぎ去ったかのように静寂だけが残された。
「……ヴィンセントってたぶん、すっごく自分で動きたい人なんだね」
「前線に立ちたがるお方なのでしょう。こちらとしては是非とも一番後ろにいて欲しいお方なのですが……」
「エドヴィンが後で来るんだってね」
「問題ありません」
そう言いながらも、クラウスはいつになく疲れた面持ちだった。
さすがのアイヴィも口を閉ざし、クラウスが比較的によく食べていた焼き菓子が盛られていた皿をそっとテーブルの上を片づけつつも寄せる。クレアもまた全員分のお茶を淹れなおし始める。
当然ながら気づいているクラウスは、さらに気が滅入ったように椅子に座り無言で頭を抱えてしまった。
後でクラウスがいない時に、あまり遊んでくれるなとヴィンセントに伝えようと伊織は決めた。




