第9話(1)
「グスッグスッ」
「落ち着いた?」
「うん…。」
「あそこじゃ危険だから連れてきちゃったけどお家帰りたい?」
「サイハに家はない…だからここで泊めて欲しい。サイハ何でもするから!」
「何でもするって……でもやってもらいたいこともないからなぁ。」
「サイハ追い出されちゃう?」
「いや追い出しはしないけど、。」
「師匠、何故か私とサイハはどことなく似てる感じがするので弟子にするというのはどうでしょう?」
「弟子か……でも弟子は大変だってイリスが1番よく分かってるんじゃないか?」
「それは……」
「サイハ弟子になる!ここにいられなければ行く場所もないし、家族と一緒ならどんなことも乗り越えられる!」
そういうサイハの目は決意に満ち溢れていて、そんな事を言われ断ることは出来ない。
「じゃあサイハは今日から僕の弟子だ。でもきっと辛いだろうから休みたい時はしっかり言うんだぞ。」
「わかった!先生!」
「先生か…」
そう呼ばれるのは初めてだったかもな。
「第5階梯魔法:水砲!」
『…………え?』
「できたよ!サイハ魔法出せた!!」
第5階梯魔法は魔法を初めてやってから3~5年かかると言われているはずなのにサイハは一日でできてしまった。
「これは………すごいことになりそうだ。」
「」