第8話(3)
こいつらは絶対殺す
「身体能力×10」
一瞬で間を縮める。
『グォォウァァ!』
「まずは一匹。」
───バサバサッ
「逃がさない。」
『重力x10』
残りの黒龍2体を重力操作で落とす。
「第12階梯魔法:雷帝の怒り(ショック)!!」
『グオォ………、、。』
「ふぅぅ……大丈夫か?」
さっきの女の子のもとに歩み寄るが寝てしまったらしい。ここにお居てしまったら危険だ。それに身寄りがないのかもしれない。
「………連れて帰るか。」
「師匠〜。ってこの女の子は……私と同じような感じがしますね。親みたいに手を握りしめながら寝るって…私の時もそうでしたよね。やっぱり師匠は優しいです。」
「んん〜。」
「あれ、起きちゃいましたか。」
───ビクッ
「あら、師匠の後ろに隠れるなんて余程信頼されてるんですね。」
「師匠?」
「はい。私はこの人の弟子なんですよ。」
「………優しい人?」
「師匠ほどではないですが、あなたのことは家族のような感じですよ。」
「家族………」
───ブワッ
「あれ!?どうして泣いちゃうの!?」
「おい、うるさいぞ。ってイリス!!なに泣かしてるんだ!?」
「私のせいですか!?私はただ家族のようだって…」
「サイハ家族いたこと無かったから……嬉しくて…グスッ。」
………そういうことか。イリスと似ているな。
「大丈夫。今日から僕が家族だよ。大丈夫、もう1人にしないからね。」
「うわぁぁあん!!」
僕はサイハを優しく抱きしめて思う存分泣かしてあげた。何分、何時間も。