第8話(2)
「全員に配り終わったから、それを見ながらオリジナル魔法を完成させといてくれ。それじゃあまた2週間後。」
次の日設計図を配り終えた俺はあるところに向かっていた。そこは………
「よく来たな、シオン。」
「あなたの呼び出しで来ない人など居ないでしょう。」
その相手とはここレオン王国の国王、シェル・・レオン国王だった。
「それで、要件とはなんでしょう?」
「それがな、シオン以外だとクリア不可能な依頼を出されてしまったのだ。その内容は、“黒龍の群れの討伐”だ。」
「黒龍は珍しいから群れを作るなんて初耳だな。」
「しかも発見されたのは辺境の地で腕のたつ冒険者が居ないんだといわれてな。」
「そこで僕に、という訳か。」
「そういうことだ。頼めるか?」
「あぁ、今から片付けに行くよ。」
「頼もしいな。」
『重力操作』
これで黒龍の群れの方に重力を傾ければ一瞬だ。
「………この山か。」
確かに黒龍が三体いる。群れと言うかは怪しいが黒龍にしては群れだろう。って、あいつら俺に目を向けずどこにブレスを打つ気だ?まさか仲間割れでもしてくれてるのか?………ブレスの方向を見ると小さな女の子が泣いてるのが見えた。
「まずい……加速!!ⅹ2」
───ヴォン
「ヒック……ヒック………」
「大丈夫か?」
───コクリ
「ちょっとここで待っててな。」
岩陰にその子を隠す。
「こいつら、こんな小さな子を殺そうとして……絶対に許さない!!」