下戸の酒盛り
「げこ」。
お酒も煙草もやりません。
翌朝に酒が残ってもかまわないように
あしたが休みのきょうの夜
ひとりの部屋 座椅子に背をあずけた姿勢で
アルコールを多く含んだチョコレートを
烏龍茶とブラックコーヒーのペットボトルをならべて
アルコールも茶もコーヒーも
どれも苦えと文句を垂れながら
しみったれたROCK'N'ROLLをかける
齧ってやりゃあ チョコレートの甘さで
おれにもそれなりに楽しめるんだろうが
やっぱり苦えと文句を垂れながら
一粒ずつ ゆっくりと口に溶かしてゆくんだ
甘えのがお望みならば
つぅんとした口あたりのこない
リキュールをミルクで割ったカクテルなんかは
おれでも飲めないこともないけど
酔いどれたいわけでも 酔い潰れたいわけでもないし
いつの間にか眠っちまったって かまわない
目がさめたならつづきをはじめるもよし
これで もう切り上げて ほろ酔いのまま
眠りのほうのつづきをえらぶもよし
酒を楽しめない人間にも
酒盛りを楽しみたい夜がないわけじゃない
楽しい酒じゃなく苦え酒になるだろうけど
ほろ酔いと居眠りとしみったれたROCK'N'ROLLと
ひとりの部屋 座椅子に背をあずけた姿勢で
アルコールを多く含んだチョコレートを
烏龍茶とブラックコーヒーのペットボトルをならべて
アルコールも茶もコーヒーも
どれも苦えと文句を垂れながら楽しめるなら
あぁ こんな夜も悪くねえ
気まぐれに買ってみたのです。
ワインくらいはたしなみたいかも。