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ルールのない人  作者: 小南葡萄
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実験

小南葡萄です。薬は苦手です。

「左様でございますかそれでは参りましょう」

サンドラは振り向いて、コツコツを歩き始めた。またあの長い廊下をサンドラの足取りに合わせてついていく。世界樹が見えて、どんだけでかいのか上を見てみると、上の方でダグラスが偉そうな人たちと話しているのが見えた。ガタイが良いのですぐにわかる。

ここがダグラスが働いているところなのか。表情までは見えなかったが、同じような服を着ている人たちがダグラスにぺこぺこお辞儀をしているから、やっぱり随分と偉い人なんだなと思った。

部屋に戻る、と思ったらサンドラが進路を変えて別の道に進み始めた。そのままついて行き、扉が開くと、真っ黒の景色から突然真っ白の景色になり、白い服を着た人たちが実験らしいことを行っている。

「食事などに支障きたさぬように血液検査。あとは簡単な身体測定にご協力ください」

俺は人体実験特集の番組を思い出す。

「実験?」

「いいえ違います」

少し待っていると、白衣を着たおじさんやってきて、両手を使ってどうぞどうぞと案内される。細長い塔らしきものがついている台があって、そこに乗るように促された。体重と身長が同時にわかると白衣のおじさんが機械をポチポチ押しながら説明してくれた。頭にコツンと何かを当てられて、問題ないと言われてから、次は目を見ると言われ、おじさんについていく。

ゴツい機械に顎を乗せて、遠くの気球を見るように言われた。道路の奥に、赤と白の縞々の気球が浮き始めたのか、こっちに来ているのか。ぴゅっ。急に目に空気を吹きかけられてびっくりして、目を抑えた。

やっぱり実験か?

最後に血液検査をしますねとこの部屋に合う、まさに実験のような椅子に座らされて、両腕を伸ばされながら、

「こっちかな」

と言った途端、俺の腕に何かを塗ると、急に針状の武器を取り出し、俺の腕を攻撃してきた。

「サンドラ!サンドラ!」

俺は必死におじさんの手を振り払って、サンドラを呼び続けた。

「危ないですよ!周りの方の妨げになりますし、どうなさいましたか?」

俺はおじさんが持っている武器を必死に指差す。

「注射です。言ったでしょう血液検査すると。血を抜いてアレルギーを調べるんです。大丈夫ですから」

「サンドラちゃんもすっかり頼られるようになったなあ。大丈夫ですよシモ様。痛くないように頑張りますから。さ、腕を出して。ああ、その前に血を拭かなきゃなあ」

俺の腕から血が流れている。怖い。おじさんにティッシュで拭いてもらってから、とりあえず目を瞑っててとおじさんに言われたのでぎゅっと瞑り、深呼吸すると、また何かを集中的に塗られている感覚がする。注意を逸そう。耳を澄ますと、水が蒸発する音や、ウィーンウィーンと機械音がなったり、難しそうな話が聞こえてくる。

痛っ!

やっぱり攻撃してきた。俺は強く瞑った目を閉じ込み、サンドラのいた方向に左手を伸ばした。右手はあいにく動いたらさっきのことになりかねない。サンドラの腕らしきものを掴むと、俺のでが急にポンポンと優しく叩かれる。そのおかげか、少し落ち着くことができた。

「やっぱりか……」

腕の痛みがなくなると、何かを急に貼られた。

「はい大丈夫ですよ。よく頑張りましたね。アレルギーはハウスダスト、ダニ、ゴキブリ。早いでしょ?うちは最新技術が使われているからね。これで病気なったら珍しいから、また検査させてね」

攻撃してきた人に優しくされた後、脅されて変な気分になった。サンドラはお辞儀して、また部屋の外まで案内される。周りを見ながら戻っていると長い腕のような機械が、一つずつビンを運んでいる、さっきの機械音はこれか。


注射も苦手です。

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