表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

嘘企画 スマートフォン用番組制作シミュレーションゲーム 『STAR』体験版

作者: 星宮星雅

社長「「離島に島流し結婚させられた相手は……謎のイケメン社長でした」の方もどうか宜しくお願いする。」

 2XXX年!世界は娯楽コンテンツの炎に包まれた!!

テレビ!ネット!ラジオ!漫画!ノベル!数多のコンテンツが世に溢れたこの時代。

喝采を浴びて煌びやかな活躍を得る者、誰にも知られずひっそりと消えてゆく者、多くの人や作品がシェアを食らい合う蠱毒の中で、己の夢を叶えるべく立ち上がった者たちが居た。

人は彼等をスターと呼ぶ!・・・・・・かも知れない。


 日本国O府S市M区某所、名も無き山と畑に挟まれた田舎に、白くて小さな古い建物があった。

埃と土だらけの薄汚れた外観だが、1つだけピカピカに磨かれた新しい看板が掛けてあり、その看板には手書きの文字で【テスト事務所】とある。

小さな罅やシミが少しだけ残っているものの中はよく掃除され綺麗になっており、2人の人が向かい合う様に座っていた。

一番奥のステンレス製の事務机に座っているのは1人の女性だった。

赤褐色の長い髪を後ろで縛りポニーテールに纏め、セール品を更に値引き交渉して買った安物のスーツの上からでもハッキリと凹凸が分かるグラマラスな体型で、キリッと真剣な目つきの瞳は宇宙から見た地球のような蒼の星だ。彼女は20代前半にしか見えない若い女性だがその威風堂々とした立ち振る舞いは若き女王と呼ぶに相応しく、心なしか安物スーツも立派な装束のように見える。

女性に向き合うような形で同じステンレス製の事務机には男とも女ともつかない人が座っていた。

すっぽりと小型テレビのような四角い機会で頭を覆っており、親のお下がりである古いタイプのスーツはサイズが大きくダボダボで、オマケに上から黒いコートを羽織っていたため余計に体型が分かりずらかった。


 「さて、君を採用するに当たって幾つか質問がある。書類に不備が無いか確認するためのもので、別に採用試験ではないので気楽に、正直に答えて欲しい。」

機械を被った謎の人物改め【あなた】は女性の言葉にコクリと頷いた。

「先ず・・・君は男性かい?女性かい?それともどちらでも無いのかい?」

【あなた】は頭の機械を操作して、モニターに回答を表示する。

「なるほろ・・・では次に君の名前は何て言うんだい?」

「【あなたの名前】」

ボイスチェンジャー越しにあなたは【あなたの名前】を伝えた。

「分かった。では最後に君の助手を務めることになる彼女だが・・・」

女性は1人の女性の履歴書を机の上に出して見せ、貴方は機械のカメラ越しに書類を確認する。

「彼女の名前は何だったかな?」

「【助手の名前】」

あなたが【助手の名前】を伝えると、女性は書類に不備が無いことを確認して満足そうに頷いた。

「ようこそ、ここは【テスト事務所】だ。あなたの入社を歓迎しよう【あなた】監督」


 「ハロー監督!アタシは【助手】、知っての通り監督をサポートする助監督だよ!」

翌日、正式に仕事が始まる初日、【テスト事務所】に出社した【あなた】を出迎えたのは【助手】だった。

【助手】は学生と見紛うほどに若く、星の光を束ねたブロンドの髪をサイドテールにして肩まで伸ばして、ほどよく施されたメイクは【助手】の若々しい美貌を引き出し、軽くリップが塗られた唇は薔薇の華が咲いたよう。白地にコミカルなアニメキャラの絵がデザインされたTシャツの首元から大きな胸の谷間が覗かせ、長袖のジーパンはスマホと手帳で膨らんでいた。

「先ずは監督の仕事をおさらいするよ。監督には釈迦にセッポーだと想うけど、社長命令だから一応ね。」

「分かってると思うけど、社長は昨日監督に色々質問した人のことだよ!」

「社長の取ってきた仕事や、監督自身が企画して新しい作品を作ったりするのが監督の仕事!社長は外回りの営業で大抵事務所に居ないけど、大きな仕事の時は帰って来るって言ってたから、私たちは私たちの仕事をしようね!監督!」

矢継ぎ早に話すことを話すと、【助手】は「ちょっと待ってねー!」と言って社長の机から備品のタブレットを持って来て、パッパと手早く操作して画面を【あなた】にみせた。

「監督!先ずは試しに1つ作品を作ってみよう!?」

タブレットに映されていたのは、新作の企画書のフォーマットだった。


 「どんな仕事をするか決めるところから始めるよ!先ずは【媒体】を選んで!」

【あなた】がフォーマットの【媒体】と書かれたところをクリックすると、【媒体】の候補が表示されるが、ほぼ全ての候補が「条件を満たしていません」と表示されており選べず、数少ない選択肢の中から【あなた】はその中から【ドラマ】を選んだ。

「今は【媒体】の種類が少ないけど、事務所の規模がおっきなったら出来ることが増えるから腐らず頑張ろうね!それじゃあ、次は【ジャンル】を選ぼう!例外はあるけど、お金の掛かるジャンルは大体人気だよ!【テスト事務所】で大人気ジャンルを・・・・・・今は無理でも何時か絶対やろうね!」

フォーマットの【ジャンル】と書かれたところをクリックすると、【ジャンル】の候補が表示される。【媒体】のように選べる【ジャンル】が少ないということは無かったが、後に掛かるお金のことも考え、【ジャンル】は【ドキュメンタリー】を選択した。

「【ジャンルを選べたね!【ジャンル】は2つ選べるけどかかるお金も2つ分だから気をつけて!」


 また【助手】はタブレットを操作して新しく、老若男女合わせて十名の履歴書を画面に映して見せた。

「彼等彼女等が私や監督と一緒に【テスト事務所】に採用された【タレント】だよ!履歴書をドラッグしてみて?フォーマットの【タレント欄】に【タレント】を配置しよう!私たちの事務所の【タレント】だけじゃなくて【他者のタレント】も1人だけ配置できるよ!!」

【あなた】は10人の【タレント】を配置した。と言っても、まだ【テスト事務所】の【所属タレント】は10人しか居ないので、やることはただドラッグするだけだ。

「【タレント】が配置出来たら、最後に【タイトル】・・・の前に【制作規模】の設定だね。【制作規模】は簡単に言うと作品の【1話の長さ】と【話数】のことだよ。【1話の長さ】は最低3分~2時間まで、【話数】は1話から100話まで作れるんだ!・・・まぁ、【1話の長さ】と【話数】が増えるたらその分、お金と時間もいっぱい必要になるんだけどねぇ・・・・・・・・・。でもでも、1話2時間の全100話でヒット飛ばせたら伝説間違いなしだよ!!」

【あなた】は余り短すぎてもダメだと思い、【1話の長さ】が5分で【話数】が6話のドラマを作ることにした。

「それじゃあ、いよいよ監督お待ちかね!!作品の【タイトル】を決めよう!全角10文字までだよ!」

【あなた】は作品の【タイトル】を考え、フォーマットに打ち込む。

作品の【タイトル】は・・・・・・・・・


 

  『STAR』これは【あなたたち】の物語


2023年 4月1日! 配信開始!・・・しません。

 社長…ストーリー専用社長。普段は外回り営業で事務所にいないが、メインストーリーやイベントストーリーの時には帰って来たり、来なかったりする。某人気アイドルゲームにおける常務のポジション


 助手…あなたの下で働く監督助手。プレイヤブルキャラではない。いわゆる、事務員枠。

    課金アイテムを売ってくれたり、タレント募集広告を出してくれたりする(ガチャ)


 あなた…あなた。いわゆるソシャゲ主人公であり、あくまでもプレーヤー自身であるため素顔は決して明かさない。


 事務所…事務所名もプレーヤーが決められる設定。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ