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4. 現在の構想

4. 現在の構想

 次に「門前成市」の構想を発表する。従来の文芸雑誌とは大きく異なる点が幾つか存在するが、その殆どは評価システムの欠陥の修正や構造問題の解決のためである。


・分類面

 まずは分類の改革である。現在、多くのサイトでは「異世界」「現代」などのようにジャンルで分類されている。テンプレ肯定論においては「読者の需要がないのだから消えて然るべきジャンル」のような暴論が罷り通る事さえあるのだが、そもそもジャンル分けをするからこのような事態が発生しているのである。ジャンルもまたタイトル同様に選別の手段となっており、非内容的競争が読者数を左右し、これが評価システムに繋がってしまっているのである。

 「門前成市」ではジャンル分けを廃止し、「お題・自由・誌内2次・合作」などのような作品の特徴で分類する。「お題」は月1回出されるお題に沿って指定文字数の小説や絵、曲や動画を執筆・制作する事。「自由」は無制約の自由小説の投稿場所で、長期連載寄稿のスペースとする事を想定している。「誌内2次」は誌内の小説や絵、曲などからインスピレーションを受けた者が2次創作や翻案として寄稿する場所で、ファンアートなどもここに含まれる。「合作」は投稿場所として存在する訳ではないが、「門前成市」では合作を奨励する事からこの分類を加えた。作家同士の合作は勿論の事、作家と絵師の合作など従来は有償依頼によって解決していたものを無償で可能にする事で、敷居を下げる事が目的である。


・長編応援

 長編が有利な環境整備も行っていく。というのも近年は短編化がかなり進展しており、長編作品の立場はかなり危ういものとなってきているのである。現在、「小説家になろう」において平均獲得ポイント数は4ptとかなり低迷しており、不均衡度を表すローレンツ曲線を描けば殆ど直角、ジニ係数にして0.9を超える可能性も指摘されている。このように無評価すらあり得る環境で長編作品を書き続ける事は困難である。その結果として需要のみならず供給においても短編化が進み、長編の絶滅すら危惧されつつある。

 そこで連載雑誌ならではの利点を生かし、雑誌には前月に寄せられた感想を記す感想専門のページを作る。そこに作品名と掲載ページを明記する事によって長編作品の奨励を図る。場合によってはWeb雑誌上のURLのみならず前話までのあらすじを併記する。短編においても感想掲載は検討しているが、短編の場合は今月号に掲載されている訳ではなく、この点は長編の特権といえる。


・限定作品

 限定作品と非限定作品については一応の線引きが必要であろう。というのもこの雑誌限定での掲載作品については何らかの優遇措置を講じる必要があると考えるからである。ここでは限定作品を「他掲載サイトで掲載されていない作品」と定義する。他サイト掲載作品の並行世界やアナザーストーリーのようなものも限定作品として掲載可能だとアピールする事で、その作品と雑誌との両方の読者を増やすという算段である。

 現状では、限定作品については限定マークを付け、非限定作品よりも目立つよう掲載する事で優位性を持たせる予定である。


・目次の位置

 従来の雑誌は目次が先頭部に存在し、見たい記事だけを見られるようになっている。しかしながら「門前成市」の目的にこれは反するため、漫画雑誌で多くみられるように目次を後置とする。前から読み進めて読み終わった際に、目次を見てもう一度読みたい作品を確認するのが理想形である。

 また目次には連載中の作家、絵師、作曲家などについて、希望しない場合を除いてはTwitterのIDや30字程度の紹介文、DM突撃可能かなどを一覧にし、合作し易い環境を作り上げる。漫画雑誌のように次号予告を「来月のお題」と共に添えるのも良いかもしれない。

 こう考えていくと、基本的には「〇〇ジャンプ」といった系統の本の小説・漫画・音楽など多岐にわたるバージョンと捉えると分かり易いだろう。尚、最近の漫画雑誌には何故か水着の女の子が表紙絵に載る傾向にあるが、後述の理由によりそのような事は絶対にしない。


・掲載可能作品

 掲載可能な作品については無制限であり、小説だろうと、漫画だろうと、曲や動画(QRコードとURL)であろうと、雑誌掲載して差し支えないものは何でも掲載する。

 但し基本的に「子供に見せられるもの」という条件を設ける。

 というのも、この雑誌に18禁系統やエロ・グロを掲載してしまうと、それによって読者を規制する必要が生まれてしまい、結果として読者数の減少に繋がってしまう。そのため「門前成市」ではそのようなものは掲載しない。水着の女の子を掲載しないとしたのはこうした理由からである。


・名物作家の育成

 世の中には文芸サークルや文庫がごまんとある。だがこのうち成功したサークルは指折り数える程である。それは何故か。名物作家、名作とされる位置付けが存在しないからである。そこで「門前成市」では名物作家の育成を図る。講座型の創作教室を設置するのではなく、読者に認められる、惹きつける事の出来る名作を作り出す場とするのである。

 作家への読者のフィードバックの形として投票を行い、投票結果で最高得票数だった作品のYouTubeアニメ化を行う。雑誌全体の宣伝も兼ねたアニメ化によって、読者に認められた作家を「名物作家」として外部にアピールし、雑誌の広告塔とする。

また、ある程度人気の出た作家を「卒業」させ、劇作家や声優などとの提携を「門前成市」が支援する事で、ヒット連発を目指していく事とする。これが名物作家の育成である。


・出版について

 基本的に「門前成市」と寄稿作家の間では金銭的関係はないものとする。企業や法人格ではない以上、寄稿費用、或いは寄稿に対するインセンティブ支払いなどは行わない。尤もこの雑誌自体、黒字化が難しいから費用を最小限に留めようとしている節はあるのだが。

 その上で、「門前成市」を出版物として印刷・頒布する場合、著作権は各作家に帰属するため、版権は「門前成市」の運営主体のみが持つものとする。そうしないと権利関係が面倒になるからである。

 まだ夢想段階の話ではあるが、将来的には一冊あたり1枚の投票券を付けて、1投票あたり〇円という形で、好きな作家に投げ銭が出来るようにしたい。法人化が出来れば、の話ではあるが。出版段階においては費用面的に全作品を掲載する事は難しいため、月間読者投票の上位作品とランダム抽出作品でPDFを作り直し、実物出版用とする。尚、この費用を寄稿作家に転嫁する事は絶対にあり得ない。

 月1単位で発刊していき、原則はネット上でPDFを無償公開する形と公式WEB上での閲覧形式との2パターンを用意する。その上で同人誌のネット販売の要領で、実物を頒布していく予定。当面はGoogleDrive上での公開。


・各作家の役割分担

 私だけで「門前成市」を運営する事は、はっきり言って困難だろう。それに情報過多により処理するだけで手一杯となり、改良に手が付かないかもしれない。そうなるのは避けたいので、連載作家にはある程度の役割分担をお願いする事になるだろう。

 例えば宣伝や動画制作・改良、イベントなどの企画について、それぞれ3人程度の運営グループが欲しい。他にも出版関連など、様々な分野について、グループに割り振る事によってより専門化された、高質な事が出来ると考えるからである。勿論一回きりやお試しの作家に強要する気はない。連載作家でも運営に参加する必要がある訳ではない。

 お願いするのは、各分担において半月から1ヶ月に1回、分析結果と改善案の載った報告書の提出である。私がそれを見て対応する事が出来れば、私が個人でやるよりも遥かに大きなメリットがあると考えられる。多角的視点からの状況俯瞰など、OODAサイクル(観察・適応・決定・行動サイクル)の観察・決定における助力が欲しいのである。

 また助力してくれる作家には、出版時や目立つ所への掲載など、貢献度に応じて、何らかの形で少し優遇する事を考えている。


・各種類の投稿の在り方について

 小説の場合は月1回、題名を書いて小説の内容、最後に作者名を記す形でGoogle Driveにアップロードしたtxtファイルの共有URLをDMで私に送信。それを私は貼り付けて雑誌に掲載する。

 絵の場合はデジタルデータ(jpg, jpeg, png, gif)のみとし、最も画質が良いと考える手段(DMでも、アップローダーでも)で私に送信。それを私は貼り付けて雑誌に掲載する。

 漫画の場合も絵同様の手順で行えば良いが、何枚目か分からなくなるため必ず記す事。

 曲の場合はYouTubeまたはニコニコ動画にアップロードしたもののURLをDMで送信。VTuberや動画クリエイターの場合もこれと同じ。QRコードとURL併記の形で掲載。

 その他の場合については個々に対応するので、私までDMを。


・各分類に関して

 「お題」では、小説、絵、曲など、全ての芸術作品に対して同じ題を出す。合いそうな場合は文章と絵を組み合わせる事もある。

 「自由」は何でも構わないが、誹謗中傷など特定の何かを攻撃するものは、非掲載とする場合がある。

 「誌内2次」は雑誌内全ての作品(小説・絵・曲など)が対象となる。「門前成市」寄稿作品はこの雑誌内に限って、無許可で2次創作可能とする。そのような作品のためのスペース。ファンアートもここに投稿可能である。



2022年4月以降…始動予定

以後も進捗等々記していきたいと思います。

今回で毎週水曜20:00の投稿は終了です。

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