王子たちのお仕事
※誤字修正しました※
―――第4王子宮
「さてみなのもの!これより仕事を割り振る!」
『はいっ!』
俺の前にはナユタ、ハスキ、スザナ、シャルルが並んでいる。―――ハルとツキに関してはまだ子どもなので部屋で読み書きの勉強をさせているが。
「まずはシャルル、お前は昼食作りだ。これが今日のメニューだな」
「は、はい!これくらいなら大丈夫です!」
俺からメモを受け取ったシャルルが頷く。
「そしてハスキは俺の仕事の補佐だ」
「は、はぃっ!」
緊張しながらも頷くハスキ。やっぱり小動物みたいだ。頭をわしゃわしゃしたくなってくる。
「だが、初めてだからな。ナユタに指導を任せる」
「御意」
ナユタが軽く頷き了承する。
「スザナはこちらの書類の整理だ。わからなかったら聞くように」
「わかりました!お兄さま!」
以前のことがあったから少しは躊躇うかと思えば結構嬉しそうだな。これは、懐いてきたと言うことか!?うむ。溺愛計画が順調なようで何よりだな。
「では、早速終わらせるが早すぎると王太子から仕事を増やされる!ほどほどにするように!」
『え?』
何だ!今の“え?”はぁっ!!
「つまり、まずはミスがないように丁寧にやると言うことだ」
もっともらしく言いなおしてみるとみんな頷いてくれた。
―――
さて、俺も自分の仕事を片付けねばな。
まずは。
これは即処刑。
―――はい、マジックボックスバンクに投入。
こっちは要内偵。
―――2班行きのマジックボックスバンクに投入。
これは拷問許可。
―――確か4班が空いていたか。マジックボックスバンクに投入。
こっちは、引き続きエサは1日3食。お茶の時間などあるわけなかろう!屋根のある場所で軟禁してやってるだけでもありがたく思え!あの人質悪女めっ!
―――幽閉塔の看守担当班行きのマジックボックスバンクに投入っ!
次々に書類を処理していればふと視線を感じてスザナを見やる。
「どうした、スザナ。わからぬことでもあったか」
「あぁ、いえ。今のはお兄さまの魔法ですか?」
「マジックボックスバンクのことか?俺の部下たちのところに空間魔法を使って書類を送っている。俺の部下は一か所に固まらず班に分かれて行動が原則だからな」
「お兄さまの部下の方々、ですか?」
「まぁな」
詳細は国家機密だから話せない。宮に常駐する従者はナユタひとりだけだが俺の部下は職務上、この国の方々に溢れている。実際に会いに向かえば3日かかるところも、これがあれば即届く。
また、部下たちからの報告もしかり。マジックボックスバンクは俺が権限を与えねば開けないようになっているのでセキュリティー面も問題ない。
「便利ですね」
「確かにな。これがないといちいち部下を招集せねばならないから面倒だ」
俺は転移を使えるので便利だが、部下の誰もがと言うわけにはいかないし。第一、行ったことのない場所ならなおさら転移はできないのだ。
さて、次は。
ぺらりっと次の書類をめくれば。
―業務改善案募集中 by宰相―
なんだ、これ?
次の書類をめくれば。
―便利な業務改善ツールは即奏上するように。第2王子夫妻が役に立たないため、今後は便利なツールを使っている部署を中心に仕事を増やします by王太子―
あ、ああああんにゃろぉぉぉぉっっ!!!
ぐわしゃりっ!!
スオウからの書類を握りしめればスザナがぎょっとした表情で俺を見てきた。
「問題ない。スザナは自分の仕事に集中するといい」
にやっ
「あ、はい!お兄さまっ!」
そして書類作業に移るスザナ。
ハスキの方もナユタの指示を聞きながら順調に処理を進めているようだ。
俺は白紙を引っ張り出すとマジックボックスバンクの仕組みなどについて書類をまとめていく。だが、具体的な運用方法やマジックボックスバンクの作成等についてはそっちでやれ!!
颯爽と転移してスオウのデスクに書類を届ける。スオウから去り際に“終わったものは即提出”と指示を受け、“ちっ”と舌打ちを漏らし周りの文官たちが脅えるさまをにやりと堪能する。
その後宮に戻ればシャルルに頼んでいた昼食、サンドイッチとスープの準備ができたと言うので、早速ハルとツキも呼びいつもの宮での昼食タイムとなった。
※明日は刺激強めなのを一気にやります※今までのほんわかどこ行った。
※明日0時、12時更新分は刺激強め拷問尽くしのため、のほほんとしたのをご希望の場合は18時更新分からご覧くださいまし(〃´∪`〃)ゞ※
※18時更新分には0時、12時更新分のあらすじも追記する予定ですのでご安心くださいまし※




