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死んでしまったようです。
こちらでは初めての投稿です。
読んでくださる方も、私自身も楽しい話になるよう、頑張ります。
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最後に覚えているのは、涙を流す家族の顔だ。
病弱で、幼いころから入退院を繰り返していた時も心配されたが、そろそろ限界みたいだった。
「佳奈っ」
「佳奈ちゃんっ」
うん、わかってる、ごめんなさい。
でも、もう頑張れないみたい。多分、今目を閉じてしまったら、そのまま目覚める自信はなかった。
「先生っ、佳奈はっ」
父さんの涙声なんて初めて聞いた。後でからかってみたいけど、もう口も開けない。
(成人式……出たかったなぁ)
ゆっくりと意識が遠のいていく。
「佳奈っ」
家族の悲鳴に似た声を聴きながら、私はゆっくりと目を閉じた。