第8話「絶望に刺す稲妻」
藍「居たぞ!あそこだ!」
ぬえ「……あれは……?」
妹紅「……なっ!?」
そこで私が見たもの。それは……
妹紅「狸の旦那と氷華が……倒れている…だと…!?」
ぬえ「マミゾウが……やられてる…!」
藍「あそこにいるのが氷華……強いのか?」
妹紅「まあ、強いのかな。前に戦った時、倒したと思ったら、何処からか氷の塊を大量に降らせて、私たちを返り討ちに合わせたからな。
藍「なるほどな……。」
妹紅「……ん?……あ、あいつは……!」
私の目にはもう1人、見覚えのある奴がいた。名前は……何だったかな。……そう、「古明地こいし」。だが、私の知っているこいしでは無かった。本来ならもっと元気でそこら辺をぶらぶらしてるような奴だ。だが、今私が見ているこいしは、頭を抱えてうずくまっている姿だった。
まるて別人だった。
妹紅「……」
藍「妹紅……?」
こいし「……誰……?」
こいしがこちらを見て、口を開いた。
妹紅「……私だ、妹紅だ。」
こいし「……ああ、思い出した。不老不死の。」
妹紅「……今は死ぬ人間だがな。」
こいし「……やはり、あなたも……」
妹紅「ああ、隣にいる藍もだ。……あ、ぬえはどうなんだ?」
ぬえ「私は……あれっ、使えなくなってる!」
妹紅「私達に味方したからなのか……?……ん?」
こいし「……」
こいしは、またうずくまってしまった。
そして何かを呟きだした。
こいし「心なんて…心なんて…」
妹紅「こいし……?」
こいし「心なんて…読みたくないのに…!」
途端、こいしの身体が赤く妖しく光り出した。
妹紅「!! この光……!」
藍「まずい……!防壁を……!」
こいし「心を読んだって…嫌われるだけなの!!」
瞬間、赤い光が拡散し、強い衝撃を放った。
妹紅「なっ!?」
藍「そんな、防壁……がっ!」
ぬえ「うわああああ!」
藍の防壁は一瞬にして破られ、そのまま赤い閃光をマトモに浴びてしまった。
……こいし、お前……
こいし「……何?妹紅…。」
…………
私達は地に伏した。
……
ドゴオオオオン!
こいし「な、何……!?」
「随分と強力な光が見えるもんだから来てみたら……大惨事だねえ。」
こいし「貴方は……誰……?」
「あれ、あの時に貴方も観客に居たような気がするんだけどねえ……能力ごと記憶も失ったのかな?」
こいし「答えて……誰なの……?」
「……『世界に轟くドラマー』……とだけ言っておこう。どうせこの後貴方は私の雷によって敗北するのだから。」
続く