第6話「狸の天下」
藤原妹紅vs二ッ岩マミゾウ
私はまず、牽制として炎弾を数発撃ち、様子を伺った。どうやら旦那も様子を見てるようで、鋭い目つきでこちらを睨みつつ、炎弾を次々と躱していく。このままではキリがない。が、変に動けば旦那の思うツボだ。……ここはあれを使うか。
妹紅「はあっ!」
私は氷華に放った様に、炎の渦を旦那の周りに展開した。
マミゾウ「ほう、目くらましか。らしくないのう、妹紅殿。」
妹紅「だろうな。私だって、好きでこんな戦い方……しないさっ!」
私は札をばら撒いた。それを見た旦那は、
マミゾウ「なるほどな、これが氷華殿が言っていた技か。じゃが、その技は儂には通用せんよ。」
妹紅「あの時と全く同じと…思うなよ!」
私はそう言い放った後、青白い炎の羽を作り出し、渦目掛けて撃った。
妹紅「超高温を味わえ!そして無差別に爆ぜな!」
渦は青白い炎を発し、大きな炎柱となった。そして、札が引火し、連鎖爆発を引き起こした。
妹紅「ふう……つっ」
…やはり炎を使い過ぎると身体に負担が大きい。リザレクションも使えない。私はこのままの身体で戦い抜かなければならない。そこまで持つのか、一瞬心配になったが、持つ持たないじゃない、燃え尽きるまでやる、だ。と、自分に言い聞かせ、ぬえと戦っているフラン達の方へと向かった。
マミゾウ「おや、まだ終わっとらんぞ。」
妹紅「なっ…!?」
なんと、私のすぐ後ろに旦那がいた。まさか、さっき戦っていたのは偽物だったのか。だが、この旦那なら普通にしかねない。
マミゾウ「妹紅殿。お前さんは盛大に化かされた様じゃのう。それじゃ儂には勝てん。さて、終いじゃ。」
妹紅「なんだと…?」
旦那はそう言うと、手下を呼び寄せ、素早く私を拘束した。
妹紅「なっ……!動けな……い……」
マミゾウ「悪く思うな。お前さんを氷華殿へと突き出すだけじゃからのう。」
旦那はそう言うと、何やら黒い球体を担いだ。
妹紅「なんだ……あれは……!?」
マミゾウ「妹紅殿の能力が封印されているお陰で、簡単に仕留められる。感謝するぞい。さあ、食らわせてやろう!」
旦那は飛び上がった。
マミゾウ「八百八狸囃子!」
そして、黒い球体を勢いよく私へと投げつけて来た。クソ、ここで終わるわけには……
ドガアアアアン!
…………
……
妹紅「……ん……」
藍「妹紅!大丈夫か!?」
気がつくと、私は氷の地面へ仰向けになっていた。そして身体を起こし、周りを見渡すと、フランが見当たらなかった。
妹紅「あれ……?フランはどうしたんだ……?」
藍「……それがだな……」
どうやら、フランはあの瞬間、咄嗟にこちらへと飛んできて、球体を斬り壊そうとした様だ。しかし、あまりの硬度に弾かれてしまい、そのまま私もろとも直撃した。その後、藍と戦っていたぬえが私を攫おうとしたが、藍が妖術で助けてくれたらしい。だが、フランはマミゾウと共に姿を眩ませてしまった。藍はぬえだけは逃させまいと、術を駆使して拘束した。今、ぬえは術の空間に閉じ込められているようだ。
妹紅「……そうだったのか……。」
藍「ああ、私達は何としてでもフランを助けなければならない。……仲間だからな。」
妹紅「ああ、そうだな。……ぐっ」
藍「無理はするなよ。あの技は相当威力があるものだった。フランが一撃で沈んでしまうほどのな。」
妹紅「……でも、私は行く。この不便な身体と付き合うためには、どんな無理だってするさ。それで、この身体に染み込ませる。そうすれば、必然と強くなって行く。私はそう願っている。」
藍「妹紅……。」
藍は、悲しげな視線で私を見つめた。
……ふぅ。何とか吸血鬼は回収出来たのう。
マミゾウ「氷華殿。奴等の仲間を1人連れて来たぞい。」
氷華「おお、良くやった。しっかり条件を守ってくれている様で助かった。」
マミゾウ「ぬえは、捕まってしもうたがのう。」
氷華「だが、恐らく貢献はしてくれたのだろう。この強力な吸血鬼を連れて来るには相応の腕が必要なはずだからな。」
マミゾウ「まあ、此奴をこちらへ来させない程度には活躍していたよ。」
氷華「そうか、なら良いんだ。さてマミゾウ、ここで一つ、大仕事がある。」
マミゾウ「何じゃ?」
氷華「私が招き入れた人妖達……その中に、能力を失った事で暴走している妖怪を発見した。」
マミゾウ「……ほうか。して、どんな奴じゃ?」
氷華「……覚妖怪だ。」
マミゾウ「……なるほど、彼奴かのう。会った事がある。」
氷華「なら話が早い。その覚妖怪を抑えて欲しいんだ。私1人じゃ手に負えなくてな。」
マミゾウ「……分かったぞい。」
……さて、行くとするかのう。




