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東方紅氷譚 〜 Absolute or Phoenix.(旧)  作者: クルセイダー
正体不明の氷変化
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第4話「孤高の式神」

私とフランは氷の洞窟の様な所をひたすら進んで行った。しかし、ほとんど一本道な上に何も無いので、私は困っていた。更に先に進んでいく内に、いよいよフランが飽き始めたようだ。


フランドール「あーつまらないわー。いっそここら辺の壁を壊そうかな?」

妹紅「……そうだな。先を見ても何もなさそうだし。やってくれ。」

フランドール「はーい。離れててね。」

妹紅「分かった。」


私はフランから少し離れると、フランはレーヴァテインに紅い光を纏わせ、そのまま壁を一閃した。


フランドール「はあっ!」


ドゴォォン!


フランドール「よーし壊れた。」

妹紅「能力が無くともこの破壊力か……。やはり恐ろしいな……。」

フランドール「何か言った?」

妹紅「あ、いや何も。……ん?」


フランが開けた穴の先に、道があった。


妹紅「おお、道があるぞ。」

フランドール「やったわね。つまり、あの道はただのダミーだったと。」

妹紅「そうだと思うよ。よし、行くか。」

フランドール「ええ。」

私達は穴の先の道へ進んだ。



歩いて1分程、広い空間へと出る事が出来た。どうやらあそこで壁を壊したのは当たりだったらしい。


妹紅「ふぅ。ようやく広い所に出たな。」

フランドール「そうね。何かあればいいんだけど。」

フランがそう言った時、背後から突然声が聞こえた。


「すまない、少々良いか?」


振り返ると、そこにはたくさんの尻尾を持った妖怪がいた。そして私はその妖怪に見覚えがあった。


妹紅「…ん?お前って確か(ゆかり)の…」

「そうだ。……そう言うお前は、藤原妹紅だったか?」

妹紅「ああ。完全憑依異変の時は世話になった……のか?」

「……どうだろうな。私はただ紫様の支援をしただけだからな。」

妹紅「そうだな。まあ、ここに居るって事はお前も気が付いたら来てしまったんだろう。」

「その通りだ。私用で里に向かっていたらだな、急に何かに吸い込まれたんだ。そして、目を開けたらこの氷に閉ざされた世界に居たという訳だ。」

妹紅「やはり、一緒か。私達も同じだ。」

フランドール「ホント、どうしたのかしらね。」

「その七色の翼……貴方はフランドールか?」

フランドール「ええそうよ。フランでいいわ。」

「分かった。これからよろしく頼むよ、妹紅とフラン。」

妹紅「ああ、よろしくな。……あ、そうだ、まだ名前を聞いてなかったな。」

「おっと、そうだった。私は八雲(やくも)(らん)だ。改めてよろしく頼むよ、妹紅、フラン。」

妹紅「ああ、よろしく、藍。」



私達は広い空間で休憩を取っていた。

妹紅「そういえば藍、最初何かを聞きたがっていたようだが。」

藍「ああそうだった。能力についてなんだが……。」

妹紅「能力……藍もやはり失ったか。」

藍「も、というとお前も能力を失ったのか?」

妹紅「そうだ。フランもな。恐らくここの黒幕がそう仕掛けたんだろうが。」

フランドール「不便で仕方ないわ。きゅっとしてドカーン出来ないもの。」

藍「私は式神を操る能力を持っていた。私自身も紫様の式神だが。だがここに来た時、(ちぇん)が居なかったんだ。」

妹紅「……橙って奴が居ないのは恐らく単にここにお呼ばれされてないだけじゃ。」

藍「そうとも考えたが、明らかに私の妖力に違和感を感じてな。目の前に動く氷があったから、試しに式神を憑かせてみようと思ったのだが、出来なかった。」

妹紅「動く氷……藍も見たのか。それに、そもそも無機物に式神は憑くのか?」

藍「ああ、可能だ。喋らないけどな。操る事は可能だ。」

妹紅「なるほどねえ。つまり能力があったら動く氷を味方につける事が出来ると。……何か微妙だな。」

藍「でも、攻撃性能は割と高いようだ。氷を自在に操って私を的確に攻撃して来たからな。」

妹紅「へえ。……そういえば私達が動く氷にあった時はフランが一瞬で壊してたな。」

藍「一瞬か……。強いとは聞いていたが、そこまでとはな。」

フランドール「まあね。能力があればもっと強力よ。触れずとも破壊出来る。」

藍「何だって?それは恐ろしいな。敵に回したら生きて帰れなさそうだ。」

フラン「その時はすぐに破壊してあげるわよ。」


藍とフランが盛り上がってる時、私は見た。

奥に蠢く無数の動く氷を。


妹紅「おい、あれを見ろ!」

フランドール「あれは、動く氷!」

藍「あんなにたくさん…!」

私達は臨戦態勢を取った。


妹紅「仕方ない、燃やすか!」

フランドール「このレーヴァテインで粉々にしてあげる!」

藍「式神が居なくても私の力だけで圧倒しよう!」



続く

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