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東方紅氷譚 〜 Absolute or Phoenix.(旧)  作者: クルセイダー
氷の世界との邂逅
3/36

第2話「霰の滝」

藤原妹紅vs或金氷華



私は先手を切って、氷華の左腕辺りへ一撃を加えた。その後、間髪入れずに近接攻撃を3,4発程与え、一旦退がると同時に炎弾を放った。


すると、氷華は即座に私に肉薄し、その大剣を振りかざした。

私は咄嗟に斬撃を避け、更に5,6発程蹴りを入れた。


妹紅「手応えが無いな。どうした?手加減は無用だ。」


そう言う私の声に、氷華は嘲笑うように返した。


氷華「おっと、良いのか?そうしたらお前はあっという間に死ぬぞ?」

妹紅「何だと?……っ!」


私は思わず炎を纏って突撃しようとしたが、それこそ死を招く事だと理解し、思い留まった。


妹紅「チッ…不老不死じゃない事がここまで不便だとはな…。これじゃ力を出し切れない…。」


私は念願の死ぬ事が出来る普通の人間になれたのに、今は逆にそれが枷となって炎を纏う事が出来ない。


氷華「諦めるか?」

妹紅「……誰がいつそう言った?」


かと言って、ここで引き退がる訳にもいかない。


妹紅「炎を纏わずとも、お前を倒してやるよ!」


私は手に妖力を集中させ、特大の炎の玉を作り出した。


氷華「……なるほどねえ。」


氷華は何かに頷いたようだが、私の気には留めなかった。


妹紅「はああぁぁぁ!」


私は炎の玉を氷華目掛けて投げつけた。


氷華「そんな素直な軌道の炎の玉に当たるはずがないだろう?」


氷華は避けようとした。だが、私はそこで逃す程馬鹿ではない。


妹紅「なら、無理矢理当てるまでだ。」


私は、氷華の周りに炎の渦を発生させた。


氷華「これで捕まえたと?甘いな、この程度じゃ…」

妹紅「この程度な訳無いだろ?」


私は複数の札を渦目掛けて放ち、引火させた。


氷華「なっ……!?」

妹紅「……無差別発火の符。」


札はたちまち連鎖爆発を起こし、氷華を包み込んだ。そして、そこへ特大の炎の玉が直撃した。


妹紅「ふぅ……ぐっ」


痛み。熱。普通の人間になってそれらが今までよりもとても鮮明に感じた。

先程の戦いを端で見ていた諏訪子が走ってこちらへと来た。


諏訪子「大丈夫?凄い戦いだったねえ。」

妹紅「……ああ。やはり不便だ、この身体は。満足に戦えない。」

諏訪子「私も坤を創造する能力が使えなくなって、ほとんど何も出来なくなっちゃった。私の祟り神達が私に呼応しなくなってねえ。戦うとしても、この鉄の輪で何とかするしかない。」


諏訪子は何処からか取り出した鉄の輪を握りしめてそう言った。


妹紅「そうか……。」


私がそう呟いた時だった。


ズズ……ドォォン……


妹紅「!? な、何だ!?」

諏訪子「……もしかして、まだ氷華が……!」


「御名答。」


ゴゴゴゴゴ……!


途端、地鳴りが大きくなり、頭上から特大の氷が落ちて来た。


妹紅「なっ!?」

諏訪子「危ないっ!」


諏訪子が鉄の輪で氷を破壊した。


妹紅「……その輪、かなりの威力だな……。」

諏訪子「まあね。でも、これだけじゃ済まないみたい……。」


上を向くと、いずれもかなりの大きさの氷が雨の様に降ってくるのが見えた。


妹紅「何だと!?」

諏訪子「流石にこの量はどうにも出来ない。逃げるよ!」

妹紅「あ、ああ!」


「……霰の滝。」


声が響く。刹那、氷の雨が地面へと達した。


妹紅「ぐあっ!?」

諏訪子「ひゃあ!?」


私達は逃げ切れ無かった。そのまま地面に伏した。

意識が朦朧としている時、再び声が響く。


「残念だったな。良い攻撃だったが、私には効かない。何故なら私は……」


そこで私は意識を失った。



続く

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