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東方紅氷譚 〜 Absolute or Phoenix.(旧)  作者: クルセイダー
氷の真意と一途なる炎
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第22話「氷の華の奥底」

…………っ!



……この感じ。この力が溢れる感じ。


……戻ったんだわ、膂力が。

そして、能力も。


氷華「水晶玉が……壊された……!」

フランドール「あら、大事な物壊しちゃった?それは失礼。でも、壊すのは私の得意分野だからしょうがないわね。……で、壊したら光が出たけど、どういう事?」

ヘカーティア「皆、能力を使ってみて。」


パキィィン!


近くの壁の氷が突如砕ける。


フランドール「あっ!戻ってるわ!」

藍「……使う為の媒体が無いが……でも、確かに力が戻って来た気がする。」

雷鼓「私もよ。今なら誰でも私の演奏に釘付けよ。」


隠岐奈が手をかざすと、そこに扉が現れた。

隠岐奈「……よし!扉が開ける!」

ヘカーティア「ねえ隠岐奈。まさか貴方だけ元の世界に帰ろうとしてないわよね?」

隠岐奈「もちろん帰ったきりにはしない。ただ、一度帰らせて貰う。」

ヘカーティア「へえ、何故に?」

隠岐奈「あの妖怪を連れて来る。恐らく、今の光によってあの妖怪も能力が戻っているだろう。あの暴走は能力が無かった所為だ。今なら十分戦力になり得るだろう。」

藍「……確かにそうですね。お願いします。」

隠岐奈「ああ。では、行って来る。」



隠岐奈はそう言うと、扉の中へと入って行った。そして、扉は静かに閉まり、扉は消えた。


ヘカーティア「……しかし、何故吸血鬼の攻撃で水晶玉が壊れたの?私の蹴りではビクともしなかったのに。」

氷華「……膂力を封印している時は、耐久力が著しく減るのだ。だから、私が氷で周りを覆っていたのだが、それをあの一撃で氷ごと水晶玉を破壊されてしまった。かなり強固に氷を纏わせたのだがな……。」

ヘカーティア「……つまり貴方は、せっかく奪った能力を犠牲にしてまで私の膂力を封印したかったのね。……まあ、私以外誰も居なかったらそれで十分だろうけどね。今回は仲間がこれだけ居るのよ。私一人の膂力を封じても、他の仲間の膂力によって打ち砕かれる。誤算だったわね。」

氷華「…………」


氷華は黙っていた。


さて、もうお手上げかしらね?

能力が戻ったからには、もう氷華に攻撃させないわよ。


そう考えていた時だった。


氷華「……フフッ」

ヘカーティア「……?」

氷華「フッ……アーハッハッハッ!」


突如、氷華が大声で笑い出した。


ヘカーティア「何がおかしい?」

氷華「お前はどうやら私にはもうなす術が無いと思っているらしいな。」

ヘカーティア「え?間違って無いでしょ?私一人で貴方を完封する事ぐらい朝飯前だわ。」

氷華「……残念だが、私はまだ『絶対零度』の能力を最大限に使用していない。」

ヘカーティア「何ですって?」

氷華「そしてここは『絶対零度の世界』……。そう、この世界は『私そのもの』。つまり、この世界を破壊しなければ私は倒せない。……だが、この世界を破壊したらお前らは二度と元の世界に帰れなくなる。元の世界へ戻せるのは私だけだからな。」

藍・雷鼓・フランドール「!!」



…………


皆驚いてるけど……


というか氷華もさっき見てたわよね?



ヘカーティア「……氷華?さっき貴方が見たもの、忘れたの?」

氷華「勿論、忘れてなどいない。あの秘神が自力で元の世界に帰った事だろう。」

ヘカーティア「何だ、忘れて無かったの。……で、それに対して打つ手段はあるの?」

氷華「無論だ。むしろ……あの秘神をもうこの世界に入れさせない事も可能だ。」

ヘカーティア「何ですって?」

氷華「絶対零度は分子活動が停止する温度。私はそれを様々な応用を効かせる事が出来る。」

ヘカーティア「……!」


……ま、まさか……!


氷華「何となく察しただろう?……そう、私がその気になれば、この世界に通ずる全ての境界を停止させ、一切の通路を封じる事が出来る。そして、完全に締め切られたこの世界の気温を絶対零度まで下げ、お前らを何もせずに封殺する事だって出来る。助けは、来ない。」

藍「何っ!?」

雷鼓「……っ!」

フランドール「なら、そんな事をさせる前に……」


吸血鬼が手を握りしめた。


ドゴォォン!


すると、氷華が一瞬にして弾けた。

が、氷華はまるで氷のように砕け、そして何も無かったかの様に現れる。


氷華「……案ずるな。そんな事はしないさ。」

フランドール「あら、敵の癖にそういうところは甘いのね。」

氷華「…………」


そう言う氷華の表情は、どこか哀愁が漂っていた。


……何かしら、氷華が段々と悪人に見えなくなって来たわ。

むしろ、氷華は悪人に成りきった善人に見えて来た。もしかしたら、私達を何かから守ってくれている?

……深読みし過ぎかしら。でも、今の氷華の言葉がやたらと優しく聞こえた。

これが演技じゃないのなら……


ヘカーティア「……狐と付喪神と吸血鬼。貴方達は妹紅達の所に行ってなさい。」

藍「え?」

雷鼓「ちょっと待って、貴方と氷華はどうするの?」

ヘカーティア「ちょっと、2人で話がしたいの。」

氷華「なっ?」

フラン「唐突ね……まあ、分かったわ。」

ヘカーティア「今青髪の私を呼ぶから、付いて行きなさい。」

藍「分かりました。」



狐と付喪神と吸血鬼は、数秒後にやって来た青髪の私に付いて行った。



氷華「……何の真似だ?」

ヘカーティア「単刀直入に問うわ。貴方、本当は本心でこんな事をしている訳じゃ無いでしょ?」

氷華「……さっきのでバレたか。」

ヘカーティア「ええ。まあ、確証は無かったけど。」

氷華「……見抜かれたからには、全てを話そう。」



続く

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