新たなる出会い
皆さんどうも、白銀鈴音です。俺はおそらく今、ゲームの世界にいます...
何をすればいいかわからず、棒立ちになっていると、
「チュートリアルを始めるには「チュートリアルスタート」と言ってください。」
いきなり機会的な声が聞こえてきた。
(チュートリアル...やっぱゲームか..)
「チュートリアルスタート」
そう言うと目の前にいきなり?ゼリー状の生き物が出てきた。「きゅぷぷ!」と鳴くそいつは、俺と目が合うと...「ぎゅびーー!」と恐ろしい鳴き声、更に鬼のような形相で襲いかかってきた。とっさに俺は守りをとったが、「ガチャン」という音とともにいきなり相手の動きが止まった。
「そのモンスターはスライムです。この世界には、そのようなモンスターが多々います。相手が攻撃してきたら、回避、又は防御をしましょう。」
いきなり手に、謎の装備がつき、スライムを弾き返した。
「ガードに成功すると、相手が跳ね返る場合があります。その場合には、直ぐに攻撃しましょう。そうすれば、普通の1.5倍のダメージになります。」
防御の説明に続き、次の説明も聞こえてきた。
「それは魔装です。各々が自らの手でつくり、自らがそうびします。今装備中の物は一時的なレンタルのようなものです。」
その音声が終わると、またしても相手が動き始めた。俺は急いで腕についた魔装で攻撃した。すると、白い光の粒となってモンスターが消えた。
「相手を倒すと、経験値が手に入ります。また、アイテムも手に入る可能性もあります。経験値をため、レベルを上げましょう。」
簡単な説明はこんな感じらしいな。
すると目の前にQuestClearの文字が浮かび、報酬金が表示された。そして、
「街へ強制ワープします。」
という声とともに、目の前が真っ白になった。そして...
「おいおい、またしてもどこだよここ...」
ついた場所はまるで街のような場所だった。
「やぁ、君は初めてここに来たのか?」
いきなり声をかけられ、正直ビクっとなった。
「あ、ごめん。びっくりさせちゃったかな?私はマミ、ここの街で育った。君は初めてここに来た...かな?」
「俺はシロガネ。マミ...だっけ?俺は来たばかりだ。」
「良かった~。初めてじゃなかったらどうしようかと思っちゃった。あ、何かわからないことがあったら気軽に聞いてね。わかることだったら教えるからさ。」
初対面の俺に優しい奴もいたもんだ。
「ありがとう。よろしくな。」
「うん!よろしく、シロガネ!」
普通に話せているが、ここはゲームなのか?それとも完全に設定だけが同じ世界なのか?...考えても仕方ない。とにかく俺は、どうにかしてリアルに帰らなくてはいけない。
「あ、そうだシロガネ、君って自分の魔装、持ってるの?もしまだなんだったら、一緒に作りに行かない?」
魔装...装備のようなものか、今は何も持ってないし、行く価値はあるな。
「あぁ、そちらがいいのならそうさせてもらいたい。」
「じゃあ決定ね。ついてきて~。」
そうして連れられてきたはいいが、なんとも怪しい店に来てしまった感がある。そりゃそうか。だって店の名前がbloodSphinxだもんな...
「スレイドさ~ん」
スレイドさん?誰のことだ?
「あ、マミく~ん?ちょ~っと待ってね~」
遠くから軽い声が聞こえてきた。
「スレイドさんってのはこの店の店主。魔装を作るのが仕事だよ。」
なるほど、店主か。
「おまたせ~。おや?おやや?君は見たことがないな...新人君かな?」
「そ。新人のシロガネだよ。」
「今日は君のじゃなくて、彼の魔装を、ってことかな?」
「よ、よろしくお願いします。」
「魔装については知ってるのかな?」
魔装...装備のようなもの、としか知らないな...
「いえ、あまり知らなくて...」
「じゃ、説明するよ。マミくん、魔装出してみて。」
「おっけー。...我が祈りに答えよ、エンテン、解放」
その声に応えるかのように、赤い、赤い装備が腕に展開されていた。
「これが魔装だよ。彼女のはエンテンって言って、彼女自身がデザインしたものだよ。もちろん彼女の実力もあって、とても強いんだ。で、魔装には様々な力...アビリティがあるんだよ。エンテンのアビリティは超炎燃焼で、炎がとんでもない火力になるんだ。彼女はこの力からんブレイズマスターと呼ばれているんだよ。ここまではおっけー?」
この短時間で膨大な量の情報があり、整理に時間がかかってしまった。
「は...はい、大体は...」
「おけ。じゃあ次はアビリティについて。さっき言った、アビリティは、僕が決めるものじゃないんだ。魔装を手にし、主の契りを交わした時に決まるんだ。アビリティの効果が頭に流れてくるだけで、名前は個人で付けたりするんだけどね。」
要するに、マミのアビリティ超炎燃焼は本人が決めたのか…
「魔装についての説明はこんなものだよ。あ、魔法については僕の知り合い教えるから、彼に聞いてね。あ、魔装作りについても教えないと!魔装を作るときに必要なものはアイデア、想像力が必要だよ。まず、君が見た目を考える。そのデザインを僕が創造する。簡単なことでしょ?じゃ、早速やろっか!」
そうして、俺の魔装作りが始まった。
「...ここはもっと鋭い感じがいいかな?」
「うんうん。思いついたことはやって見るのが大切だよ。」
「色は...シンプルがいいかな。」
そうこうあって1時間後...
「よし、デザイン完了!じゃ、ちょっと作ってくるよ。」
「スレイドさん、この作業3分で終わらせるからね~。」
早いな。さすがこの道のプロだ。
3分後...
「か~んせ~い!できたよ~シロガネ君の魔装~。」
「お~!さすがスレイドさん、プロですな~。」
「いやいや、そんな事ないよ。ただただ創造魔法が得意なだけだから。で、君の魔装だね。はい、これが君のご所望の魔装だよ。」
俺の魔装...どれだけ再現されているのか...見ものだな。
そして、俺の目の前に魔装が現れた瞬間、俺の目の前が真っ白になり、
「汝、我との契りを求むか?」
何なのかが分からないが...
「あぁ、俺はお前との契りを求む。」
「...良かろう。では、我に汝の望む名を与えよ。」
その言葉に、何故か俺は即答していた。
「お前の名は...白虎だ。」
「白虎か。なるほど、気に入った!我、汝との契りを認めよう。我が力は...開放だ。」
その声とともに、俺の視界は元に戻っていた。
「どうかな?君と魔装との契約、できた?人によっては何度も繰り返す事もあるんだけど...」
「あぁ、できたよ。俺と、白虎との魔装契約が。」
「うわ、凄いよ。1回で契約できる人は少ないからね。」
「ま、私は1回で契約できたけどね!」
「うん。マミくんも凄かったよ。じゃあシロガネくん、魔装展開してみてよ。つけた姿、見てみたいからさ。」
「契約に従い、我に力を...白虎着装」
「へ~、カッコイイじゃん。似合ってるよ。」
「じゃあさ、2人で戦ってみたら?色々教えながらさ。」
「いいね、やろうやろう!あ、でももう夜も遅いし、どこかに泊まって...」
「泊まる場所、ここに無いでしょ。」
「あ、そっか...じゃあどうしよう...」
「マミくんの家...とかどうかな?」
いやいや!女子の家は無理だろ!
「私の家か...うん。いいよ!私一人暮らしだし。」
いや、マジか...
そうして俺は、マミの家で1晩をすごした...