正解なんてないのに。
「はぁ……。
もう、なんでいつもこうなんだろう。」
今日は、学校帰りにファミレスに来ている。
今、友達は中学からの友達と喧嘩中らしい……。
ジュースを飲みながら、不思議に思う。
そんなに嫌なら、連絡しなければいいのに。
というより、学校も違うんだから、そのまま終わるのなんて簡単だし。
「あのさ、その子と仲直りしたいの?」
「そりゃあ……よくわかんない。」
「じゃあ、その子とはもう会えなくてもいいってこと?」
「なんでそうなるの?」
「うーん、どうしたいのかわかれば、何か方法あるかと思ったんだけど。」
「どうしたいっていうか、私のこと、もう少しわかってほしい。」
「そっかぁ……。」
私が返事をすると、
彼女は立ち上がってドリンクバーのジュースを取りに向かった。
返事はしてみたけど、結局どうしたいのかよくわからない。
わかってほしいけど、わかってもらえないから喧嘩になった。
それって、戻れるの?
相手も同じかもしれないし……。
と、言いたいけど、きっとそういうことじゃないのかな。
少しお腹が減ってきたので、メニューを見ていると、
彼女が戻ってきた。
「何か食べるの?」
「うん、ちょっとお腹減ってきた。」
「そっか。
私はなんか、お腹減らないや……。」
食欲がなくなるほどなんだ。
そこまで悩んでるなら、謝ればいい感じはするけど。
それができるなら、悩まないよね。
私は、フライドポテトを注文して、
落ち込んでいる彼女の言葉を待った。
「このままだと、向こうからは連絡来ないと思う。」
ん、なんで……?
「原因は、どっちが悪いっていう話じゃないんだよね?」
「そうだね。ケンカの原因自体は、大したことじゃないから。」
「そっか……。」
大したことじゃない……というのは、あんまり言いたくない?
原因が、きっかけだったってことかな。
注文したポテトがきたので、一つ摘んで、また彼女を待ってみる。
私にどうして欲しいの?
っていうのは、ちょっと冷たい感じか。
「あーあ、私どうしたいんだろう。自分でもよくわかんないや。」
う、ケチャップつけすぎた……。
「じゃあさ、どうしたらいいかじゃなくて、
どうなりたくないかって考えてみたら?」
「なんか、難しいこと言ったね。」
「うーん、その子との仲直りを優先したいか、
自分のモヤモヤをなくして、
その子がいなくなったとしても、スッキリするほうがいいかってこと。」
「……いなくなる?
絶対嫌だよ。中学1年からの親友だよ?」
「じゃあ、それが答えじゃないかな。」
「え、どれ?」
「自分のことをわかってもらいたいっていう気持ちは、一旦置いておいて、
まず、仲直りをする。」
「わかってもらう方法は、別で考えた方がいいんじゃない?
怒るんじゃなくてさ。」
ジュースがちょうど飲み終わったので、立ちあがろうとした時、
「なるほどね。そうかもしれないね。
でも、私はそんなに大人じゃないし、
どっかで期待してるのかもね。
こんなに長く一緒にいるんだから、絶対わかってもらえるって。」
ズズズ。
あ、もう空だった。
……。
え、期待?
期待してるから……なんだ。
彼女の目が、さっきより優しい気がする。
ん……これって、ただの愚痴みたいなものだったのかな。
大人って、なんだろう。
そっか、何も変わってなかったんだ。
「ふふ、仲直りできるね。」
「え?なんでそう思うの?」
「だって、ずっと友達じゃん。
連絡ないとか言っても、もう会わないって、想像してないし。
ただ普通になんとなく、戻れちゃう関係なんじゃない?」
「……そっか、そうなのかも。」
「うん、……電話かけづらいならさ、今かけてここに呼んでみれば?」
「えー、急に?いいの?」
「別にいいよ。邪魔なら帰るけど。」
「邪魔じゃない!電話してくる!」
「はいはーい。」
仲直り、したかったんだなぁ。
知らなかったな。
お店の外で、笑いながら話している彼女を眺めていたら、
少しだけ、羨ましくなった。
喧嘩のカタチって、一つじゃないのかな。
そういう友達、なんかいいな。
私にも、できるのかな……。
どんな子だろう。
友達になれたりするのかな。
このポテトにつけた酸っぱいケチャップが、美味しいみたいに。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ファミレスで友達と過ごす時間は、
私には、少し特別だったように思います。
長い時間友達の話を聞いているうちに、自分のことのように思えてしまう。
そんな瞬間があったな、と思い出していました。




