1.教団との接触
・母の苦悩
私が誕生した時はまだ両親ともにエホバの証人とは全く関わりなく、その存在すら知らなかったようである。
誕生後しばらくして両親は父の実家に移ることに決めたのだが、思えばこれがJWとのかかわりを生んでしまう決断であった。
父の実家には父の両親(祖父・祖母)と弟(叔父)がおり、御多分に漏れず、母は折り合いに大層苦労したようである。
さらに祖母は金銭的に奔放な人で、ある時には家族が関知しない消費者金融の請求書が発見され大騒動になったことすらあった。
その苦労から時々母は、幼い私を道連れに命を絶とうとすら考えたと後に(JWを辞める前)語っていた。
そんな時に訪れたのがJWの個別訪問だった。
丁度私を庭で遊ばせているときに、幸福な家庭生活について冊子から話をされた母は、ちょうど自分の悩んでいることにぴったりはまったからか関心を持ち、そこから母の、そして私たち家族のJWとの関わりが始まった。
・弱ったときに付け込んでくるエホバの証人
よく信者が語る経験として、「困っているときや悩んでいるときにちょうどエホバの証人が訪問してくれた」というものがある。ご多分に漏れず母もその一人であった。
子どもの頃は漠然と「流石エホバだなあ~」なんてアホ面して語っていたが、今になって考えれば、精神的に追い詰められていたり困っていたりして正常な判断力が低下しているところを狙い撃ちにするというやり口に怒りを禁じえない。
(もっとも、そういう方法でなければ、まともな人はこのような宗教に属そうとは思わないのだが・・・)
その当時の母の精神状態を考えると、どこかに救いを求めたいという気持ちは分からなくもない。
もちろん自分にこのような宗教を信仰するよう強要したことを恨みに思う気持ちは無くは無いが、むしろ元をただせば母を追い詰めた父の家族の責任が一番重いのではないかと思う。