五 最強の面影
教皇からの依頼により、戦場に向かう水とリティア、、
そして、リティアが探知魔術を使い、状況を水に伝える、、
探知に引っかかった包囲された人間を救うために水が速度を上げる、、
そこで、放つ蹴り、威圧がかつての最強の面影を表す、、
教皇からの依頼を受けた、水は「鬼邪王」と名乗るもののところに向かって行った、、
「水様、相手がどれほどの強さかわかりませんのでご注意ください。」
「そうだね、、リティア、人間たちはみんな撤退した?」
「ここから探知できるのは、キャンプ地にいる人間だけでございますが、まだ待っている様子でございます、恐らく、相手の攻撃で引きにくい状況なのだと思います。」
「そう、、なら少し急ごうか、ついてこれるね?リティア?」
「お任せを、、」
水がそう問い、リティアが答えると、二人は足に力を入れ、土埃が立つほどに踏み込み速度を上げた、、
「どう、、?ここからなら戦場の状況は分かる?」
「はい、ですが、人間たちが囲まれている状況でございます。」
「なるほど、、それで引けないのね、、」
「、、包囲に穴をあけるのであればここからでも可能でございます。」
「なら、私はさらに速度を上げるから、着くまで援護をお願い。」
「かしこまりました。」
リティアがそう返事をすると、水がさらに踏み込み速度を上げる、、
すると、リティアが魔術を使う、、
そうして、水が包囲されているところにたどり着いたと同時に、包囲している魔獣に攻撃を仕掛ける、、
「どけ、、私の戦いの邪魔だ、、」
それは単なる飛び蹴り、、それだけでは確実に包囲する魔獣を倒せない、、
しかし、その蹴りを放ったのは「水」、、それはかつて、だれも止めることのできなかったもの、、
その威力は、、簡単に魔獣を蹴散らした、、
「ふぅ、、動きが止まってた、、腕は落ちてないね、リティア、、」
「あ、、あなたは、、誰だ、、?」
「私は、今回、教皇から依頼を受けた者、お前らは撤退を命じられたのだろ?ならば、今のうちに引け、、」
水がそう答えると、遅れてリティアがたどり着く、、
「大丈夫ですか!?水様!?」
「うん、鈍化魔術、ちゃんとかかってたよ、、リティア、、」
「本当ですか!?ありがとうございます!!それで、そこにいるのは?」
「あぁ、ここにいるのが包囲されていた人間たちだよ、、」
「そうですか、、では、転移魔術でキャンプ地まで送ります。」
「、、っ!?い、、いいのか!?」
「えぇ、あなた達がいると水様の邪魔ですので。」
リティアがそう答えると、転移魔術を唱える。
「ほら、あなた達、一か所に集まって、、転移魔術「運ぶ空間」、、」
すると、討伐隊の周囲が光り、姿を消した、、
「よし、、これでもう人間はいない?」
「はい、探知にも引っ掛かりませんので大丈夫でございます。」
「よし、、なら、少し威圧しようか、、」
水がそういうと、「鬼邪王」の頃の威圧を飛ばす、、
それは、「聖国」にいた、教皇にすら届くほどの威圧であった、、
「、、っ!?き、、教皇様!!大丈夫ですか!?」
「えぇ、大丈夫ですよ。」
「こ、、これが、、「鬼邪王」の気配ですか、、?」
「いいえ、これは水さんの気配ですよ、軽く威圧したようですね、、」
「、、こ、、これが、、す、、水さんの威圧、、本物の、、「鬼邪王」の威圧ですか、、」
「えぇ、これで信じたでしょ?水さんが本物だと。」
「えぇ、、本当に恐ろしいです、、」
キャンプ地にいた討伐隊も反応した、、
「、、っ!?こ、、これが、、「鬼邪王」、、嬢ちゃんたちは大丈夫だろうか、、?」
すると、リティアが言葉を発する、、
「、、水様、先ほどの威圧で、「聖国」、キャンプ地にいる人間が反応いたしました。」
「え?そんなに強く出してないけれど、、?」
「おそらく、久方ぶりの威圧ですので、少し大きすぎたのかもしれません、そして、先ほどの威圧で相手の魔獣の大半がビビり、動きを止めました。」
「え~、、随分とぬるくなったね、、」
「修羅の時代であったあの頃とはだいぶ違いますので、、」
「そう、、まぁ、じゃあ、とりあえず向かおうか、、」
「はい。」
水とリティアはそのような会話をしながら、「鬼邪王」と名乗るもののもとへ歩いていく、、
それは、まさに覇者の行進、、何人たりとも止めることはできず、邪魔することもできない、、
それは、かつて世界の頂点に立っていたもののみに許された行進であった、、
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