四 最初の依頼
「聖国」へと入国する二人、、
しかし、「聖国」はあわただしく動いていた、、
そして、当初の目的である僧侶に会いに行こうとする二人、、
だが、教会から聞こえるのは焦りが混じった会話であった、、
自身の「鬼邪王」を名乗るもんがいると聞く水はその討伐へと動いた、、、
「聖国」の入口である門に着く二人、、
すると、門番に止められる、、
「待て!!身分証はあるか?」
「はい、こちらを、、」
リティアが冒険者のしるしを見せる、、
「、、一輪、、お前、Cランクの冒険者か、、」
「はい。」
「、、確かに、、くれぐれも迷惑は起こすなよ、それと、もしギルドから招集が掛かったら絶対にいけ、わかったな?」
「、、?どうして、ギルドからの招集を?それをかけられるのは、Bランクからでは?」
「あぁ、それはな、教皇様からの指示でな、我々にもわからんが、中々に厳しい状況らしい、だからだ、、」
「なるほど、、わかりました。」
リティアはそう返事をすると、門番は二人を「聖国」へと入れた、、
「、、何があったのでしょうか?」
「、、大方、どっかの馬鹿が暴れてるんでしょ、、さぁ、僧侶ちゃんに会いに行こうか、、」
「はい。」
そういうと、二人は「聖国」の中心にある、教会に向かって行く、、
そうして、二人は教会の前まで行くと、中からあわただしい音が聞こえる、、
「離して!!私が出なければ!!多くの犠牲が出ます!!」
「だめでございます!!教皇様!!あなたは!!この「聖国」の結界の中心!!そのような方が出ては結界が保たれません!!」
「ならば!!私の代わりを立てなさい!!」
「それはできません!!教皇様の代わりとなれるものは皆、戦場にいます!!そのような状態であなたまで抜けたら!!」
それは、今なお続いている戦場へと向かおうとする教皇と民を守るため教皇を止めようとする司教たちの言い合いであった、、
すると、水が声を上げる、、
「久しぶりだね、、僧侶ちゃん、、」
「、、っ!?だ、、誰だ!!騎士団!!」
司祭が声を荒げ呼ぶと、騎士団が壁になるように水に刃を向ける、、
それを見た、リティアが殺意を込め言葉を発す、、
「、、っ!!貴様ら!!誰に刃を向けている!!」
リティアのその気迫に押され、騎士団は足を引く、、
すると、水がリティアに手を当てながら言う、、
「リティア、私たちは緊迫した状況に、無断で入った部外者だよ、、ああやって警戒されるのは当たり前だよ、、」
「で、、ですが、、」
「リティア、、強く言わないとダメ?」
「、、はい、、申し訳ありませんでした。」
「うん、、謝れて偉いよ、、ごめんね?さぁ、私とお話をしよう、僧侶ちゃん?」
「お、、お逃げください、、教皇様、、ここは私たちが命を懸けて食い止めますので、、」
「、、いいえ、逃げないわ、それに相手は話をしたいと言っているのでしょ?受けることも教皇の務めよ、、」
「へぇ、、随分と大人になったね、僧侶ちゃん、、勇者と戦っている時は、眺めているだけだったのにね、、本当に時は早いね、、」
水がそう言うと、教皇は正体に気づいた、、
「、、あなた、、どうして、、」
「まぁまぁ、お話だって言ったでしょ?」
すると、騎士団と司教の目の前から消え、教皇の横に現れる、、
「さぁ、お話しよ?」
「、、っ!?、、えぇ、、お話をいたしましょう、、、」
すると、水と教皇は二人で応接間まで歩いていく、、
「ここが応接間?随分と豪華だね?」
「えぇ、私も教皇という立場、それなりにえらいので、品を落とさないように細部までこだわっているのです。」
「そう、、、」
水がそっけなく返事をすると、ソファに腰を掛ける、、
「さぁ、座って?昔話から今の話までをしよう、、」
「えぇ、、」
それから、水と教皇は、あの戦いのことを、後のことを話し、今の現状について話す、、
「貴方がいなくなってから、、ダンジョンは活発になるし、、「鬼邪王」を名乗るものも現れて、、それで今の状態になっています、、」
「ふ~ん、つまり、「鬼邪王」と名乗るものが今、暴れて、それを討伐するために総戦力を出していると?」
「はい、、その通りです、、」
「そっか、、リティアは聞いたことある?」
「いいえ?聞いたことはございません、、、」
「それもそうです、名乗り始めたのはここ数年の話、、あなたが森にいたころのことですので、、」
「なるほどね、、じゃあ、私がそいつ倒してあげる。」
「え、、?い、、いいのですか?」
「うん、元は敵同士とはいえ、今は人間の世、それに顔を知っている者が困っていたら助けるってのは変なことかな?」
「で、、ですが、、私があなたにできることなど、、」
「それなら、私のことについて緘口令を敷く、そして、戦場から私たち以外を引かせること、この二つをしてくれるなら手伝ってあげる、この条件じゃダメかな?」
「、、い、、いいえ!!私たちからしてみればないようなもの!!ぜひお願いします!!」
すると、教皇が水に対し、頭を下げた、、
「うん、それじゃ、よろしくね?僧侶ちゃん?」
水がそう言うと、応接間を後にした、、
「き、、教皇様、、あの人たちはいったい、、」
「、、、あなた達は知らないでしょう、、あの人こそ、全力を出せない状況で勇者様と互角に渡り合った「鬼邪王」その人なのですから、、」
「、、!?そ、、それは、、」
「えぇ、絶対に知られてはなりません、、今すぐに緘口令を!!そして、全軍撤退を!!」
「は、、はい!!」
教皇の指示により、司教たちがあわただしく動く、、
「、、勇者様が使っていた、聖剣は魔獣なら数百年、魔族ならば二百年は確実に封印できるほどの強力な結界魔術と強化魔術が施された剣だというのに、、それをもってしても五十年程度、、強さの底が測れない、、あれが、勇者様でさえ、「真剣勝負は確実に勝てない」と言わせた「鬼邪王」、、「暴君」にして「名君」、、恐ろしい、、」
教皇は、この世で白水の実力を知る数少ない人物ゆえの言葉と信頼の行動であった、、、
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