表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/21

プロローグ

誰かの終わりは、誰かの始まり。

誰かの絶望は、誰かの希望。

これは、そんな物語。

 目を閉じるとふと思い出す、という言葉がある。それはつまり、目を閉じなければ何も思い出さないということ。目を開いている時は現在を見ていて、続く希望に満ちた未来を思い描くのだから。


 だが、過去に囚われている私のような者はその限りではない。目を閉じずとも思い出す。いや、そもそも忘れたことがないのだから、思い出すという表現すら不適切かもしれない。目を開いていても、見えるのはあの日の記憶だけ。現在すら見れないのだから、未来なんて言うまでもない。


 過去に囚われる理由は様々だ。例えば栄光、例えば後悔。あるいは案外、なんでもないことかもしれない。そして私の場合は――。


――――――――――――――――――――――――


 何をかもを燃やし尽くさんとする炎の眩しい赤。


 周囲に倒れ伏す人々から流れ出た血の錆びた赤。

 

 こちらへ手を伸ばしてくる人間の瞳の冷たい赤。

 

 赤、赤、赤。全てが終わったあの日、目に入るのは赤ばかりだった。私の記憶は赤に支配されている。燃え盛る炎は未だ消えなくて。こびりついた血はどれだけ洗っても落ちず。光を映さないあの瞳を忘れられない。


 だから、この体を構築する全てが望んでいる。長ったらしい言葉は必要ない。言いたいことはひとつだけ。


 お前を絶対に許さない。

長い長い物語の幕開け。

どうか最後まで見届けてください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 今後の展開が読めないのでとっても楽しみです
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ