いざ、転生受付窓口へ
とりあえず、シャワーを浴びて服を着替え一眠りする。かなり疲れていたのかすぐに心地よい空気に包まれ、幸せな夢の世界へと入っていく。一眠りと思っていたが二眠りも三眠りもしてしまった気分だ。はっと飛び起きて時計を見る。わずか三分しか経っていないことに驚く。
「こっちの世界は時間の感覚が違うのか。」
誰に言うでもなく、口に出してしまい苦笑いをした。
「独り言を言うなんてな。」
死んだという悲しい気持ちが一人だという寂しさを引き寄せ、声を出さずにはいられない。誰かと話したい。そう思った瞬間、
「お呼びでしょうか?」
しにがさんが現れた。
驚きと戸惑いが入り交じり、
「転生を希望します!」
と、口走っていた。そんな気持ちを知ってか知らずか、しにがさんは疑いの目を向け、念を押すかのように一呼吸置いて返事をした。
「了解致しました。お決まりになりましたら少しでも早い方がいいので、今からご案内いたしますね。」
そう言ってしにがさんがドアを開けると、そこは市役所のような感じの場所だった。人が沢山いる。生きている人のようだが、みんな死んでいるのだろうか。そんな疑問を持って人々を観察していると、
「あちらが転生受付窓口です。」
と、しにがさんが指を指す。あった。【転生受付窓口】という小さな文字が目に入る。
「それでは、私はここまでとなります。どうかお幸せに。」
最後にしにがさんは笑ってくれた。少しの間だったけれど知り合った人(?)との別れは淋しい。涙目になりながら俺はお辞儀をした。後から思えばちゃんとお礼したかったな。何か言えば良かったな。と後悔した。生きている時も死んでからも俺は後悔ばかりだな。