水陸機動団と海兵隊
~「あまぎ」艦橋~
「前方、島影発見!」
「上陸部隊用意!」
「あまぎ」から陸上自衛隊水陸機動団を乗せたLCACが発進。
米艦隊からも海兵隊が上陸艇に乗って発進。謎の島に向かった。
***
~海上自衛隊LCAC内部~
「霧が濃くなってきたな……」
隊長の宮木がつぶやいた。
手が見えなくなるほどの濃霧だ。
「しかし謎の島って何でしょうね」
隊員が言った。
「さあな……あ!前方に岩礁!避けろ!」
「え!?あ、はい!」
LCACが曲がるが間に合わず、岩礁に激突。
その勢いで吹っ飛んだ。
***
~謎の島・浜辺~
「いてて……みんな大丈夫か?」
「大丈夫で~す」
「みんな大丈夫そうだな」
宮木は部下を見て安心したが、LCACがひっくり返っていることに気づいた。
「PTMがボロボロだ……扉は開くか?」
「ダメです。開きません」
PTMとはpersonnel transport moduleの略であり、LCACに搭載する人員輸送用モジュールである。
「仕方がない、20式持ってこい!」
「はい!」
隊員が20式5,56mm小銃を持ってくる。
「これで扉を……!」
宮木が20式小銃で扉を破る。
すると、目の前はひっくり返った高機動車にふさがれていた。
「無線で救助は呼べるか?」
「ダメです、軒並み壊れてます……」
「しょうがない、持ち上げるぞ!そこのMINIMI持ってこい!」
「壊れてるけどいいんですか?」
「ああ」
MINIMI軽機関銃を高機動車と砂浜の間に挟み、てこの原理で持ち上げようとする。
だが、中々持ち上がらない。
「くそぉ!あとちょっとなのに!」
「せーので行くぞ!せーの!!」
高機動車が持ち上がる。
「よし、この下を通るぞ」
MINIMI軽機関銃でそれを支え、匍匐前進で外に出た。
「何とかなったな。この軽機動車を使えたらいいが……」
「ひもで引っ張りだしましょうか」
「そうだな。よし、そっちに引っ掛けろ」
「はい」
LCACの下敷きになっている軽機動車を引っ張り出し、ひっくり返す。
「動くか?」
「海岸に突っ込んだ衝撃か、少しだけ砂が入ってます。でもまあ、動くと思いますよ?」
「とりあえずエンジンをかけてみろ」
「わかりました」
隊員がエンジンを始動させる。
すると、エンジンが動き始めた。
「よし、後はあれだ。ひっくり返ったLCACを何とか元に戻すぞ」
「どうするんですか?」
「軽機動車とLCACをつなげて、軽機動車の力でひっくり返すんだ」
「なるほど」
隊員たちがLCACと軽機動車をつなげる。
「よし、進め!」
「わかりました!」
隊員がアクセルを踏むと、軽機動車のタイヤが砂を巻き上げる。
「よ~しそのまま進めー!」
LCACがゆっくりと起き上がる。
そして、ひっくり返った。
「よし!動くか?」
「多分動くと思います。ちょっとエンジンかけてみますね?」
「ああ」
轟音と共に推進用プロペラが砂をまき散らす。
「うわっ!」
「砂が入ってたんですね。そんなプロペラを回せばこうなるのも必然です」
「……そうかもな」
宮木は苦笑いをした。
「大村と金田はここで待機!他は探索に行くぞ!」
「了解!」
夕日新聞 号外
謎の土地に日米艦隊出発。
一体何があるのか。