キミって奴
「タケミツにして欲しい事は……フリーライト名物、激辛チーズポテトチップスを買ってきてもらいたい。私は辛い物が好物でね、シャギーリではなかなか手に入らないのだよ」
「……それってお土産の件じゃないの? そうじゃなくて、何かこう、誰かに接触してとか、何かを設置しろとか」
ピリスは、ふっふふと小馬鹿にしたような顔で笑った。
「キミはそんなことが出来るスキルがあるのかい? ……どう見ても前職は諜報員だったようには見えない、どちらかと言えば、んー、鍼灸エレメント師さんかな?」
「……鍼灸マッサージ師だよ」
「そうだったね、鍼灸マッサージ師スギヤマタケミツ。キミはキミのありまのままで良いと私は思っているんだよ」
良い事言っている風にまとめてきたけど、何が言いたいのやら。
「つまり、何もしないで記念講演をするだけで良いと?」
ピリスは黒革の椅子から立ち上がると、目の前にあるスチールの机に座り、こちらに指をくいくいっと動かし呼んできた。
組んだ脚の三角ゾーンから赤い三角の下着が見えている。
こういうのホント好きだよな……まぁ、俺も嫌いじゃないけど。
妖しく微笑むピリスに近づく。
「悪いことを考えているかもしれない……私が嫌いか?」
「それでも俺の事を助けてくれているだろ? ……だから、信じているよ」
妖しい微笑みから一転、ピリスは目を丸くすると、さっと手で顔を隠した。
「……あ、相変わらず空気が読めない男だなキミは。私の手の上で転がされる流れのはずだろう」
「そんな流れだったのかよ……それより、よく見ると顔が赤いぞ。熱があるのか?」
顔を隠しているが指の間から見えた顔に赤みがあるのが気になったので、額に触れようと手を伸ばす、
「わ、わたしに触るな!」
ドンと、壁まで吹き飛ばされた。
いってぇ……ピリスは急に性格変わるから何を考えているかマジで分からん。
しかし、この倒れた角度からだと、より鮮明に見えるな。赤いレースがエロい!
「み、見るな!!」
「いやいや、そっちが見せた流れじゃん!」
「もう、流れてない! キミがめちゃめちゃにしたんだ! さっさと部屋から出てシュミットくんからエレメントコアを貰いに行け!」
さっきまでのクールで妖しい雰囲気はどこにいったんだ?
やっぱり今日は熱があるのかもな。まぁ、エレメントな医療で治せる範疇なんだろう。
背中をさすりながら立ち上がってドアノブを握ると、
「……タケミツ……もし、私が必要になったらいつでも呼んで」
どういうこと? フリーライトでジャキと遭遇したらとか?
まぁ、でも、ピリスはいつでも助けに来てくれる安心感はある。
「ああ、大声で叫ぶよ……その時は勝負下着じゃなくて、カイゼルシュニット着て来いよ」
素早くドアを開けて外に出ると内側から「キミって奴わああぁぁぁぁ」との声が聞こえてきた。




