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転生したら(公社)魔法協会附属鍼灸院の院長になった  作者: MC sinq-c
第二章 魔法協会セミナー編
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コス市庁

「ほぉ、フリーライト合衆国で記念講演の依頼があった、とね、それも大統領からの親書……それで他の者たちの意見はどういったものなのかな?」


 コス市庁にある最上階の執務室でピリスは窓の外を見ながら質問してきた。

 窓の外にはエアシップが並走するように何台か飛んでいる。


「三日前の魔法協会総会の結論は……賛成多数でフリーライト合衆国での記念公演を受けることに決まったよ」


 正直、サラの前でカヤが気にせず講演の話をしたのに驚いたが、サラが顔色を変えずに決議で賛成に回ったのは驚きを通り越して困惑した。

 魔刀使いを中心にフリーライト合衆国政府に対するテロ行為を行っているのは噂に過ぎないのか?

 事実を本人から聞ければ一番なのだが、あの日以来、サラとは会えていない。

 はぁ、余計な心配事ばかり増えていくな。


「アイスクラ―さま、具申させていただきます。これは明らかに何らかの意図を感じられます。魔法使い達への親書が送られてきた日に、いまだ捜索中の魔刀使いも講演会に現れた、先ずは渦中の魔法協会の者たちを拘束するべきかと考えます」


 やっぱりサラを捜索しているのか。もしかして、窓の外のエアシップも捜索の為か?

 魔刀使いは当会の会員ですが何か? なんて言ったら……胃が捻じ切れそうだ。


「ハハハ、シュミットくん、それはつまり私も拘束するということかい?」

「い、いえ、そういうつもりでは」

「そういうことになるんだよ、シュミットくん。タケミツと付き合うというのは、こういうことの連続さ」


 俺の渡したフリーライト合衆国からの親書をピリスはエレメントの力で燃やした。


「……私は何も見なかったよタケミツ……そういえば、魔法協会メンバーでフリーライト合衆国に旅行に行くのだったか? 残念ながら私とシュミットくんは不参加だから、予備のエレメントコアを渡しておいた方が良さそうだ。お土産を期待しようじゃないか」

「アイスクラ―さま!」

「ふう、シュミットくん、みなまで言わせないでくれたまえ。タケミツは我々の為に、フリーライト合衆国の情報収集をすると言ってくれているのだよ」


 そういう事か……やっぱりピリスは一筋縄じゃいかないな。


「……(公社)を悪いようにはしないんだよな?」

「もちろんだとも、副会長。一会員として国家間の情報戦に魔法協会を巻き込むなど、そこまで私は『冷血女』ではないよ」


 革張りの高級そうな椅子に腰かけながらピリスはニヤリと笑う。

 雰囲気は完全に悪役なんだが。


「それで、俺は何をすればいいんだ?」 


 俺の問いかけに答える前に、ピリスはクラウスを呼び寄せ耳打ちしている。

 絶対、悪だくみだな。

 クラウスはピリスに頷きで答えると、俺の横を通り過ぎるときにフンっと鼻息を鳴らして出て行った。


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