サラ・ヴァーディー
俺の警戒心に気づいたのか、娘は申し訳なさそうな顔をしてメモを見せた。
『ごめんなさい……先に名乗るべきでした。私はサラ・ヴァティーと言います。そちらの方が言うように私は……魔剣使いです。魔法協会の方々にとっては、あまり歓迎されない者かもしれませんが、冷やかしや害意があってきたのではありません』
サラは鞄を探ると、四つ折りになった紙を開いて見せてきた。
「これは……カヤやアカネと一緒に配った時のチラシ!」
俺がチラシに目を落としている間にサラはメモをまた書いたのか笑顔で渡してくる。
『たまたま、私の国までこのチラシは届いていたんです……私はこのチラシを読んで心から感動いたしました。魔法使いの方々はあれほど蔑んでいた魔術使いの方々をこのように受け入れて知識や技術、そして愛……魔術賠償責任保険という考えに触れた時、私は……大切なものを投げ出してでも、今日の魔法協会セミナーに参加したいと思ったのです』
「そ、そこまで喜んでもらえて良かったです。俺の名前は杉山武光と言います。別の国からと仰ってますが、結構、遠くからおいでになられた感じでしょうか?」
少なくともボッカイの街で魔剣使いという職種には会ったことがない。魔法剣士や魔剣使いという職種があることは聞いていたが、みんなはあまり積極的に話そうとしない印象だった。
サラさんも『歓迎されない』と書いていたので、ここにも『ぐだぐだ』はあるのだろう。
「喜んで貰えて良かった、名前は杉山武光だ、そうだ。別の国からというのは……まぁ、コイツが異世界人だから何も知らないのでね。アンタ、フリーライト合衆国から来たんだろ? わざわざ、魔術機動船に乗ってか……フン、数日かける価値はあったのかは疑問だな」
「余計な一言が多いよな、お前」
フリーライト合衆国……確か、カヤの実家がある国だよな。
アメリカっぽい名前だが、魔剣使いに魔術機動船? 全然、イメージが湧かない。
『異世界の方! 祖国にも数名いたそうですが……お身体は大丈夫なのですか?』
「あー……っと」
コレがあるから大丈夫とオブザーバーを指して良いものか。
癪だが、ウダルの顔を見やる。
冷たい表情で顔を横に振っている。
はいはい、エレメントアーミーさまのご随意のままに。
「コイツは異世界人でも中々に変わった奴でね、なんだかケイラスに気に入られているみたいで生き延びているのだよ」
まぁ、あながち嘘ではないが、オブザーバーはエレメントアーミーの実験器とはいえ最新鋭のエレメントギアだ、おいそれと秘密を漏らしてはいけないか。
『確かに……あなたとケイラスの結びつきは不思議な縁を感じます』
サラは不思議なものを見るような目で俺の顔を見つめてくる。
純粋な瞳だ。
ケイラスが見えるということは、魔剣使いはエレメントマスターや魔術使いというより魔法使い寄りの系譜なのかもしれない。
悪い人ではなさそうだが、念のためオブザーバー、オン。
――――――――――――――――――――――――――――
名前:サラ・ヴァーディ 年齢:16歳 ランク:S
職業:魔刀
HP:A
MP:B
魔力:C
魔防:B
筋力:B
体力:A
速度:S
真名解放:SSS
―――――――――――――――――――――――――――――




